トヨタ C-HR ▲クーペスタイルのクロスオーバーSUVとして人気のC-HRもかなり価格が落ち着いてきた

個性派コンパクトSUVのトヨタ C-HRも買いやすい価格帯に突入!

いまだに人気が衰える兆しすら見えないクロスオーバーSUVたち。各自動車メーカーも様々なモデルがリリースされていますが、その中でもひと際強い個性を放っているのがトヨタ C-HRではないでしょうか。

クロスオーバーSUVでありながら、クーペのようなスポーティなフォルムをまとったそのスタイルは、登場から6年以上が経過した現在でも古くささを感じさせません。

また、2017年には新車販売台数1位を獲得するなど、人気・実力ともに兼ね備えている1台です。

トヨタ C-HR ▲張り出したフェンダーや大型リアウイングなど、スポーティな造形が特徴的

パワートレインも1.2Lのターボエンジンと1.8Lのハイブリッドモデルを用意し、ターボモデルには今の時代に珍しい6速MTも用意され(モデル途中で追加)、幅広いユーザーをカバーする懐の広さも魅力です。

そんなC-HRですが、登場から6年以上経過したこともあり、ついに総額200万円でも多くの物件が狙えるように。気になってはいたけれど、価格の折り合いがつかないと諦めていた人にもようやくオススメできるようになってきました!

今回は、今の中古車事情やモデル概要を振り返りつつ、今のオススメ物件を考えてみることにしましょう。

▼検索条件

トヨタ C-HR(現行型)× 全国
 

人気モデルらしく掲載台数豊富! まさに選び放題の状況

高い人気を誇るモデルゆえ、中古車の掲載台数は執筆時点で2600台を超えており、いわゆる選び放題といった状況となっています。

中古車の平均価格は225.4万円と200万円を超えてはいますが、登録済未使用車をベースにカスタマイズパーツを装着した高価格のコンプリートカーが多く存在しているため、実際の中古車価格はもう少し低くなると言えそうです。

中古車価格帯は約130万~440万円とかなり幅広くなっていますが、今回のターゲットになってきそうな車両価格200万円以内の物件も600台以上と、約1/4を占めています。

また、掲載物件の8割がハイブリッドモデルとなっているのも特徴ですが、新車時の価格に比例して低価格帯の中古車はガソリンモデルの方が多いようです。

トヨタ C-HR ▲掲載物件の多くは燃費性能に優れるハイブリッドモデルとなる
 

見た目だけじゃなく走りもしっかりスポーティなモデル

では、C-HRとはどんな車だったのか、今一度振り返ってみましょう。

2016年12月に日本での販売をスタートしたC-HRは、クロスオーバーSUVでありながら、スポーティな雰囲気を併せ持つモデルとして登場。

全長は4360mmとコンパクトでありながら、全幅は1795mmと比較的ワイドなサイズとなっており、SUVらしい安定感のあるフォルムの実現に一役買っています。

トヨタ C-HR ▲広い全幅によって安定感のあるスタイルを実現している

パワートレインは前述したように1.2Lのターボモデルと1.8Lのハイブリッドモデルの2つを設定。当初はどちらも2ペダル車のみでしたが、2019年10月のマイナーチェンジ時にターボモデルに6速MTが追加されました。

駆動方式は当初はターボモデルが4WD、ハイブリッドモデルが2WDとなっていましたが、2018年5月にターボモデルにも2WDが追加されています。

そして、プラットフォームにはトヨタ新世代のTNGAプラットフォームを採用し、従来のモデルに比べて走行性能や安全性、快適性などが大きく向上しているのが大きな特徴。

デビュー前にプロトタイプをレーシングカーに仕立てたモデルでニュルブルクリンク24時間レースに参戦するなど、走りの面にも力を入れたモデルとなっており、2019年10月のマイナーチェンジ時にはスポーツコンバージョンモデルの「GR SPORT」も追加されました。

トヨタ C-HR ▲スポーツコンバージョンモデルのGR SPORTはガソリン、ハイブリッド両方に設定される

先進安全装備については、デビュー当初から全グレードで「Toyota Safety Sense」を標準装備。そして2020年8月の改良では、衝突被害軽減ブレーキに歩行者(夜間)、自転車運転者(昼間)、交差点右折時に直進してくる対向車、右左折時に対向方向から横断してくる歩行者を検知対象に追加。

さらに、低速時加速抑制機能を6MT車を除く全車に追加し、自車線内の歩行者と衝突する可能性が高く、自車線内に衝突を回避するための十分なスペースがあるとシステムが判断した場合、操舵のアシストをしてくれる緊急時操舵支援機能を全車に追加するなど進化し続けています。

ではここからは、大量に存在するC-HRの中古車の中から、どんな物件がオススメなのかチェックしてみたいと思います。

 

とにかく安く手に入れたいなら、「総額170万円前後までのディーラー保証付き」を狙う

高い人気を誇るがゆえ、いわゆる激安物件などはなかなか存在しないC-HR。それだけに最も安い部類の中古車でも支払総額150万円台~という状況となっています。

このあたりの価格帯の物件は、新車価格の安かったガソリンモデルが中心と思いきや、実は台数の多く売れているハイブリッドモデルが中心となっています。

ただし、走行距離10万km前後のものがメインとなり、ある程度物件の見極めが必要となり、誰にでもオススメできる物件ではないというのが正直なところ。

そこで価格の安さを重視しつつもより多くの人へオススメできる条件として、総額170万円前後までアップし、ディーラー系中古車店の保証付き物件を探してみるのはいかがでしょうか。

トヨタ C-HR ▲多走行気味の車両を狙うときは、内装の状態にも気を配りたいところ

この条件では主にハイブリッドモデルが中心で、上級グレードのG系でも走行距離8万km前後、ベースグレードのS系であれば5万km前後のものも狙うことができます。

これに手厚い保証も備わり安心感も得られるため、満足度が上がることでしょう。

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×総額180万円未満×ディーラー保証付き×全国
 

総額200万円までいけるなら、「5万km以下のG」か「マイナーチェンジ後のガソリン車のS-T」が狙い目

予算を総額200万円まで増やせるなら、ハイブリッドモデルの上位グレードのG系でも5万km以下の物件がヒットします。

G系グレードは、18インチアルミホイールやLEDフォグランプ、上級ファブリック+本革のシートやピアノブラック基調のインテリアなどが採用されており、よりスポーティで上質な雰囲気となっています。

この価格で見つけることができればお買い得と言えそうです。

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トヨタ C-HR(初代)×総額200万円以下×走行距離5万km以下×ハイブリッド G系グレード×全国

ただ、上記条件では年式的には2016~2018年の初期型に近いものが中心となリ、エクステリアデザインが変更され、より安全装備が充実した2019年10月以降のマイナーチェンジ後のものはわずか。

それでも、ガソリン車のベースグレードであるS-Tの2WDがわずかながら存在するため、少しでも新しい年式のもの狙いの人はこまめにチェックしてみる価値はあるでしょう。

トヨタ C-HR ▲エクステリアデザインにも変更が加えられた後期型だが、中古車としての旨味はまだ少ないが、総額200万円でもわずかに見つかる

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×2019年10月以降生産×総額200万円以下×ガソリン車 S-T系 2WDグレード×全国
 

ちなみに「希少なMT車」の中古車状況は?

クロスオーバーSUVでありながら、MT車を設定するC-HRは、前述したようにニュルブルクリンク24時間レースに参戦したり、ラリー車のベースとなったりとスポーティさも魅力のひとつ。

トヨタ C-HR ▲プロモーションの意味合いも強かったニュル24時間参戦だが、見事クラス3位で完走を果たしている

C-HRに搭載されるMTは、コンピューターによりドライバーのクラッチやシフト操作に合わせて適切なエンジン回転数になるように制御することで、変速・発進操作をアシストするインテリジェントマニュアルトランスミッション(i-MT)となっているため、MT初心者にもオススメです。

ただ、そんなMT車の中古車物件は、2019年10月のマイナーチェンジで追加されたということもあり、全体の2%にも満たないわずか47台しか掲載がありませんでした。

しかし、価格は総額210万円台から見つけることができるため、スポーツモデルが軒並み高騰している現在、隠れた狙い目の1台と言えるかもしれません。

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代)×MT車×全国

今回はトヨタのコンパクトクロスオーバーSUVのC-HRについてチェックしてみましたが、高値安定の中でも買いやすいモデルも徐々に登場し始めてきたというのが実感。

そのため、前から気になっていたという人はC-HRの中古車の動向をチェックしてみてはいかがでしょうか。

▼検索条件

トヨタ C-HR(初代) ×全国
文/小鮒康一 写真/篠原晃一、トヨタ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車のリーフを買ってしまう暴挙に出る。現在はリーフを手放し3代目インサイトをメインに、NA、NB2台のロードスターや初代パルサー、S660に17系クラウンなど雑多な車種を所有中。