ノート▲予算を抑えて条件のいい車を探している人も、コンパクトカーなら選択肢がいろいろある(写真は2代目日産 ノート)

気軽に乗れる総額50万円以内のコンパクトカー

免許を取って初めての車、買い物などに使うセカンドカー、長期の納車待ちが発生している新車が手元に来るまでのつなぎの車……。様々な理由で手頃な価格で手に入る車を探している人は多いだろう。中古車なら、自分の予算に合わせていろいろな車を探すことが可能だ。

例えば、税金や登録時に必要な諸費用を含んだ支払総額を50万円以内に抑えることだってできる。

しかも街中で運転しやすく、車体が大きくないので不慣れな人でも運転しやすいコンパクトカーなら、新車時の価格がそこまで高くなかったので、同じ予算で大型のミニバンや人気のSUVより新しい中古車を選ぶことも夢じゃない。

ここでは、総額50万円以下で買える中古コンパクトカーで、安かろう悪かろうではない程度のものをオススメするため、
●年式が10年以内
●走行距離が7万km以下
●修復歴なし
という条件で、流通台数が全国に50台以上あるものをピックアップ。これくらい流通していれば条件に合う中古車を探すのに苦労はしないはずだ!
 

 

トヨタ パッソ(2代目)
デザイン性を高めたパッソプラスハナも手に入る

パッソ ▲2代目パッソ(左)とパッソプラスハナ(右)。総額50万円の予算だと2014年4月以降の後期型も選ぶことが可能だ

パッソはダイハツとトヨタが共同開発したモデルで、ダイハツが製造してトヨタに供給していた。ダイハツからはブーンという名前で兄弟車が発売されている。

2010年2月に登場した2代目は企画段階から女性スタッフが女性目線での車作りに取り組んだモデルで、シンプルなデザインのパッソと、華やかな雰囲気に仕立てられたパッソプラスハナという2タイプが用意された。

パッソ ▲シンプルな造形をした後期型パッソのインテリア。X Lパッケージ、X Gパッケージ、Gは前席がベンチシートになる

インテリアはシンプルなメーターと機能的な収納が特徴。パッソはリビングルームのようなデザイン、パッソプラスハナはインパネに華やかな雰囲気が盛り込まれた。パッソの上級グレードとパッソプラスハナは前席がベンチシートになる。

搭載されるエンジンは1L 3気筒と1.3L 4気筒の2種類が用意され、トランスミッションはCVT。後期型は減速時のエネルギーをバッテリーに溜める回生機構が強化された。

パッソ ▲パッソプラスハナのインテリア。2トーンカラーで高級感と落ち着きを表現している

2代目パッソで今回の条件に合う中古車は100台近く流通。台数が多いのは2014年3月までの前期型だが、後期型もターゲットにすることが可能だ。パッソプラスハナも30台弱見つかるので、デザインにこだわって探したい人にはこちらがオススメ。

搭載エンジンは1Lがほとんどで、1.3Lの流通台数はかなり少ない。この予算で中古車を探すときは、街乗り向きの1L車に的を絞った方がいいだろう。走行距離は5万km前後のものが手に入れやすい。
 

▼検索条件

トヨタ パッソ(2代目)×総額50万円以下×走行距離7万km以下×10年落ち以内×修復歴なし×全国
 

日産 ノート(2代目)
前期型のスーパーチャージャーエンジン搭載車が狙える

ノート ▲総額50万円以内だと狙いはe-POWERデビュー前の前期型になるが、スーパーチャージャーを採用したダウンサイジングエンジン搭載車を探すことができる

歴代ノートの特徴は、コンパクトカーとは思えない圧倒的な広さ。2012年8月にデビューした2代目ノートも2mを超える室内長を実現し、初代より後席のひざ周りのスペースを85mm拡大するなど、乗員の快適性にとことんこだわったモデルとなっている。

もちろん、後席背もたれを倒せば大きな荷物を積むことも可能だ。

ノート ▲ノートの魅力は室内空間の広さ。後部座席を利用してもラゲージスペースに余裕がある

2代目ノートは標準モデルの他、上質なインテリアが採用されたメダリストを用意。メダリストは初代ノートと同時期に発売されていた上質さを売りにしたコンパクトカー「ティーダ」の後を継ぐ立ち位置になる。

初代が1.5Lエンジンを搭載したのに対し、2代目は1.2L 3気筒エンジンにダウンサイジング。S、XにはNAエンジンが搭載され、S DIG-S、X DIG-S、メダリスト、アクシス、ライダーにはスーパーチャージャーで過給する1.2Lエンジンが搭載される。

ノート ▲ピアノブラックのセンタークラスターで高級感を演出したインテリア

2代目ノートは2016年11月にデビューした後期型からエンジンで発電した電力でモーターを駆動して走行するe-POWERがラインナップに加わったが、総額50万円以内で買えるのは2014年9月までの前期型になる。

条件に合う中古車は70台ほど流通。スーパーチャージャー付きのX DIG-S、高級感のあるメダリストでも条件に合う中古車が選べるのは魅力だ。NAエンジン搭載のXなら走行5万km以下の中古車を見つけることもできる。
 

▼検索条件

日産 ノート(2代目)×総額50万円以下×走行距離7万km以下×10年落ち以内×修復歴なし×全国
 

日産 マーチ(4代目)
予算内で現行型の後期モデルを狙うことが可能

マーチ ▲2013年6月のマイナーチェンジでフロントグリルをVシェイプに変更。これは現在新車で販売されているものとデザインは同じ。このデザインのものも総額50万円以内で探すことが可能だ

2022年8月に日本向けの生産が終了し、在庫のみの販売となっている4代目マーチ。2022年10月時点ではまだ日産のWEBサイトには情報が載っているので、マーチは現行型を総額50万円以内で探すことができる稀有なモデルといえる。

マーチ ▲こちらは2010年7月に登場した前期型。グリルやバンパー形状、フロントライトの処理が後期型と異なる

搭載されるエンジンは2代目ノートのNAと同じ1.2L 3気筒。3気筒エンジンは振動が大きそうというイメージを持っている人もいると思うが、マーチは振動を低減する仕組みを採用して静粛性が高められている。

上級グレードの12Gと12G FOURはメーター内のディスプレイに前輪の向き、ステアリングの切れ角、進行方向を表示するタイヤアングルインジケーターを採用。発進時に自分が思っていたのと違う方向に動き出してしまうのを避けることができる。

マーチ ▲曲線を多用して柔らかく包まれているような印象を与えるインテリア

総額50万円以下で買えるマーチは2014年式まで。予算内で買える中古車は60台ほど流通している。マーチに先進安全装備が装備されたのは2020年7月なので、この予算だとそこは諦めるしかない。しかし、マイナーチェンジ以降の中古車が見つけやすく、しかも上級グレードのGやX Vセレクション、グリルまわりのデザインをクラシカルにしたボレロなどを探すことが可能だ。

ノートよりもコンパクトで街乗り中心に使われていたものが多いこともあり、走行距離も5万km以下のものが多い。手頃な価格のコンパクトカーを気楽に買いたい人にピッタリの選択だ。
 

▼検索条件

日産 マーチ(4代目)×総額50万円以下×走行距離7万km以下×10年落ち以内×修復歴なし×全国
 

マツダ デミオ(3代目)
後期型のCVT搭載グレードが予算内で見つかる

デミオ ▲コンパクトカーの原点回帰をテーマに、スタイリッシュなデザインに生まれ変わった3代目デミオ

初代と2代目はスペース効率を高めた背の高いコンパクトカーだったが、2007年7月に登場した3代目は背を低くし、デザイン性を高めたモデルに生まれ変わった。

徹底した軽量化も施され、ベーシックグレードは1tを切る車両重量を達成。これは燃費性能に貢献するのはもちろん、車検時の自動車重量税が安くなるというメリットもあった。

デミオ ▲JC08モードで25.0km/Lを達成したスカイアクティブエンジン

3代目デミオのトランスミッションは4ATが基本だが、燃費性能を高めるためにCVTを採用した13C-Vが設定された。また、CVTと5MTを選べるようにして1.5Lエンジンを搭載したスポルトも用意された。

2011年6月には現在のマツダの基幹技術であるスカイアクティブテクノロジーを採用した1.3Lエンジンを搭載したグレードを設定。このエンジンには当時まだ珍しかったアイドリングストップ機構も備えられている。

デミオ ▲スカイアクティブエンジンが投入された2011年6月にはシートの質感も高められた

3代目デミオで今回の条件に合う中古車は約50台流通。年式的に後期型となる。流通している中古車は13C-Vが圧倒的に多いが、スカイアクティブエンジンを搭載した13スカイラクティブを探すこともできる。

走行距離は5万~7万kmのものが中心だが、総額40万円以内でも走行5万km以内の13C-Vが見つかることもあるので、走行距離にこだわりたい人は条件に合う中古車をじっくり探してみよう。
 

▼検索条件

マツダ デミオ(3代目)×総額50万円以下×走行距離7万km以下×10年落ち以内×修復歴なし×全国

※記事内の情報は2022年10月25日時点のものです。

文/高橋満 写真/日産、トヨタ、マツダ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL