ウェイク(絶版)▲最近はホンダN-VANをはじめ、室内の広い軽の商用車を遊びに使う人が増えているが、最初から遊びのための広い室内を備えていたのがウェイクだ。商用車を遊びに転用するのとは異なり、遊びのための細かな工夫がたっぷり詰まっている

今年8月に生産終了! 現在の中古車平均価格は約130万円、平均走行距離は約4.4万km

軽最大の室内空間を備えてデビュー時点で2014年11月に登場したダイハツ ウェイク。日常からレジャーまで、幅広いシーンで使える新ジャンルの軽自動車を目指して開発されたのだが、残念ながら今年8月に生産が終了してしまった。

しかし空前のキャンプブームの中、室内がかなり広く、45もの遊びでの利用シーンが想定されて開発されたウェイクを、今も欲しいと思う人は多いはず。

新車の販売が終了してしまった今となっては、中古車を狙うほかないが、現在ウェイクの中古車掲載台数は1400台以上もあり、平均価格は約130万円、平均走行距離は約4.4万km。まだまだ“この先も使い倒せる”ウェイクを選びやすい状況だ。

ウェイクを新車で買い損ねた人も、キャンプなどアウトドアで使える軽自動車を探している人も、今改めて同車の中古車を検討してみてはいかがだろう。

ウェイクの特徴や変遷をおさらいし、どんなものが狙えるのか詳しく見てみよう。
 

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ダイハツ ウェイク(初代)×全国
 

モデル概要:アウトドアに使いやすい軽最大の室内空間を備えた軽自動車

ウェイク(絶版)▲全高1835mmは軽商用車ベースの現行型スズキ エブリイワゴン(ハイルーフ)や、軽商用車のダイハツ ハイゼット、ホンダ N-VANより低いが、室内高はウェイク(1455mm)の方が高い

2014年11月のデビュー時点で軽自動車トップの室内高1455mmを生かし、軽最大の室内空間をウリに登場したウェイク。

これだけ天井が高いと、子供はもちろん、大人も車内で着替えがしやすく、腰をあまり曲げずに乗り降りもできるメリットがある。

加えて、この広さを生かすべく企画段階から45の利用シーンが想定されていたのも、ウェイクの魅力の1つだ。45シーンの中でも特に利用者が多い6ジャンルについては、その道のプロたちとやりとりをしながら作り込まれたほどだ。

そんな同社の努力の成果が最も分かりやすいのは、ラゲージだろう。全長3.4m以内という軽自動車規格ゆえ、ラゲージの奥行きはあまりとれないが、代わりに室内高の高さを余すことなく使えるように工夫がされている。

具体的には床下は2Lペットボトル24本積めるほどの大容量アンダートランクを装備。また、上級グレードのGとG SAにはラゲージ内の荷台(上下2段調節式デッキボード)を標準装備とした。

他にも隅々まで遊びのための工夫がたっぷりあるが、それらは写真で紹介しよう。
 

ウェイク(絶版)▲電動スライドドアはLとXは助手席側に、Gは両側が標準装備となる。運転席から振り返ると車の真後ろが見えるリアアンダーミラーが車内のラゲージ上部に備わる
ウェイク(絶版)▲センターメーターはターボ車(写真)が3眼、ノンターボ車が1眼メーターに。助手席下には取り外してまる洗いもできるアンダーボックスが備わる。グレード「D」はマニュアル、他はフルオートエアコン。オーディオレスが標準
ウェイク(絶版)▲シートはすべて撥水加工されている。また、後席背もたれの背面は防水仕様で、汚れても拭き取りが簡単。そのため倒してラゲージを広げた際、泥の付いた自転車をそのまま載せることもできる。後席はラゲージ側から最大240mmスライドさせることが可能
ウェイク(絶版)▲助手席は座面を立ち上げて背もたれをそこへ倒せばフラットに。GとG SAIIに標準装備される上下2段調節式デッキボードを使えば、助手席からラゲージまでキレイにフラットになる。マットを敷けば車中泊もいける
ウェイク(絶版)▲上下2段調節式デッキボードの使用例。デッキボードの脚を畳んで使うと長尺物を縦に積めて、脚を立てるとラゲージの上下2分割できる。GとG SAIIに標準装備されるほか、他グレードではユーティリティフックや固定ベルトなどとともに「レジャーベースパック」としてメーカーオプションとして用意された
ウェイク(絶版)▲スノーボードのような長尺物を立てて積む場合、アンダートランクと固定ベルトを使えば固定して収めることができる。また、アクセサリーソケットはインパネの他、ラゲージ内にも備わるので、例えばサーフィンの後に便利な簡易シャワーも使える
ウェイク(絶版)▲遊びに使えるオプションが豊富に用意されていた。例えば、天井にロッドホルダー(写真)や小物を収納できるオーバーヘッドネットなどがあった。また、バックドアの室内側にライトがあり、夜間の荷物の出し入れや車中泊の準備などがしやすくなっている
ウェイク(絶版)▲ラゲージ内の左右のFIX窓部分にネットを張れば、小物を入れたり、ネットにフックを使ってグローブをぶら下げたりなどできる

これだけ室内空間が広い、つまり大きいと燃費が気になるが、JC08モード燃費はノンターボが25.4km/L、ターボ車は23.8km/L(いずれも2WD)と他の軽自動車にひけをとらない。また、安全装備ではデビュー時から衝突被害軽減ブレーキのスマートアシストが用意された。

デビュー時は手頃な価格順でノンターボのD、L、ターボのX、Gの計4グレード展開で、D以外には4WDも設定されていた。また、全グレードにスマートアシスト装着車(グレード名に「SA」が付く)が用意された。

デビュー時の車両本体価格は135万~187万3800円。

中古車を狙う際はモデル変遷もチェックしておこう。

まず、2016年5月にはスマートアシストがスマートアシストIIに進化(グレード名に「SAII」と付く)している。

同時にグレード構成が見直され、Xがラインナップから外れてターボ車は「Gターボ SAII」1グレードとなった。また、ウェイクらしい新グレード「LレジャーエディションSAII」と「Gターボ レジャーエディションSAII」が新たに設定された。

どちらもフロアが防水の樹脂製となり、上下2段調節式デッキボードは標準装備。また、夜間の活動に便利なLEDライトが車内に4ヵ所設置され、インパネにモノを置いてもずれ落ちないマット付きの大型インパネトレイが備わる。

2017年11月にはスマートアシストがIIからIIIへとさらに進化。また、D D SAIIIを除く全グレードに、俯瞰して自車の周辺を確認できるパノラマモニターがオプションで用意された。

2021年5月には全車にオートライト機能が標準で備えられた。

そんなウェイクの中古車状況は現在どうなっているのか、下記で見ていこう
 

 

流通状況:流通量は約1400台。5000km未満が約2割を占める一方で、15万km超もある

まずは中古車相場の概要を確認しておこう。先述のとおり、原稿執筆時点でウェイクの中古車は約1400台掲載されており、その平均価格は約130万円だ。

平均走行距離は約4.4万kmだが、全体の約2割を5000km未満の中古車が占めている。一方で、15万km超の中古車も約10台ある。

そのため、価格帯は約45万~240万円と広くなっている。

グレード別に見ると、最も多いのは最上級グレードのG(Gターボ)で、同グレードベースの特別仕様車を含めると全体の約5割となる約700台が掲載されている。

以上を踏まえて、さらに詳しく見ていこう。
 

 

狙い方1:最安値帯の総額80万円以下でも10万km未満・修復歴なしが狙える

上記のとおり、走行距離15万km超が約10台あり、走行距離や修復歴にこだわらなければ支払総額約60万円から狙える。

走行距離10万km未満・修復歴なしで探しても、支払総額70万くらいから見つけることができる。この価格帯ではデビュー直後の2014~2015年式が中心。また、グレードよりも走行距離を含むコンディションの方が重視されているので、ノンターボのDやLだけでなく、ターボ車のXやGも見つけられる。

とにかく安いウェイクを探したいなら、支払総額80万円以下でコンディションを確認しながら選んだ方がいいだろう。

ただし、スマートアシストを装備する(SAとグレード名に付く)中古車はノンターボ車でわずかに見つかる程度となる。
 

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総額80万円以下の走行距離10万km未満・修復歴なしのウェイク(初代)×全国
 

狙い方2:安全装備にこだわりたいなら支払総額110万円以下のL SAII

安全装備にこだわりたいなら、スマートアシストの第2世代以降、つまり2016年5月以降のSAIIとグレード名の付く中古車を探すのがオススメだ。

スマートアシストIIはスマートアシストに対し、衝突被害軽減ブレーキの作動範囲が拡大され、衝突警報機能に歩行者検知機能も追加されている。さらに、車線逸脱警報機能も備わるので安心感はスマートアシストよりも高い。

支払総額110万円以下で探しみると、約50台見つかった。中でも台数が多いのはL SAIIで、約50台中20台あった。次に多いのはGターボSAIIで、新車時に手頃だったD SAIIは台数が少ない。


そこで安全装備重視で狙うなら、支払総額110万円以下のL SAII を狙ってみよう。走行距離10万km未満・修復歴なしで支払総額90万円から見つけることができる。走行距離5万km未満・修復歴なしでも約110万円から狙える。
 

ウェイク(絶版)

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総額110万円以下のスマートアシストII装備のウェイク(初代)×全国
 

狙い方3:新車に近いコンディションなら登録(届出)済未使用車を狙おう

新車に近いコンディションのウェイクを探しているなら、登録(届出)済未使用車を狙ってみてはどうだろう。登録(届出)済未使用車とは試乗のためなど、ディーラーが自社で登録しただけの車を指す。ほとんど使われていないので、ドアを開ければ新車の香りが残っている車がほとんどだ。

原稿執筆時点で130台以上あり、最も多いグレードは2018年9月に設定された特別仕様車「L スペシャルリミテッドSAIII」で、約60台見つかった。


そのほとんどが2WDで、デビュー時の車両本体価格(2WDが149万400円、4WDが161万4600円)より安い車両本体価格が設定されている。高くてもオプションが備わっているのでトータルで考えれば新車時より安い。車両本体価格約130万円(支払総額約140万円)から見つけることができる。

ちなみに、L スペシャルリミテッドSAIII はL SAIIIに対し、電動スライドドアが助手席側のみになり、アルミホイールがスチールホイールになるなど、一部装備が簡略化されたグレードだ。

次に多いのは2021年5月に設定された特別仕様車「Gターボ VS SAIII」で約40台。こちらはGターボ SAIIIに対し14インチから15インチアルミホイールになり、LEDの室内4灯やユーティリティフック、固定ベルトなどアウトドアに便利な機能が追加されたグレードで、デビュー時の車両本体価格は2WDが174万9000円、4WDが187万5500円。


こちらもほとんどが2WDで、デビュー時の車両本体価格より安いか、オプションが備わるため上回っている中古車だ。車両本体価格約160万円(支払総額約175万円)から見つけることができる。

登録(届出)済未使用車を狙うなら、選びやすいL スペシャルリミテッドSAIIIか、装備の充実したGターボ VS SAIIIがオススメだ。
 

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文/ぴえいる、写真/尾形和美、ダイハツ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。