日産 ノート(現行型)▲クラスを超えた風格あるビジュアルとe-POWER が魅力のノート。3代目になって走りも一段と進化した

ようやく中古車らしいお得な物件が出始めた

日産 ノートといえば、トヨタ ヤリス、ホンダ フィットなどともに日本を代表するコンパクトカーのひとつ。2020年12月に3代目となる現行型へとフルモデルチェンジし、e-POWER(日産のハイブリッド)専用車種となったことで、さらに人気が高まった。

競合ひしめくカテゴリーだが、ノートはe-POWERならではの力強い走りと燃費性能、後席居住空間の広さなどでアドバンテージがある。未来感のあるエクステリア&インテリアも魅力のひとつだ。

さらに、高速道路の同一車線上でのハンズオフドライブなど先進的な運転支援技術「プロパイロット」が設定されているのも大きな特徴となっている。

個性を際立てた戦略のおかげで新車販売も好調。2021年度下半期(2021年10月~2022年3月累計)には「ノート」と「ノート オーラ」合わせて5万5000台以上が販売され、ハイブリッド車を含む電動車で国内ナンバーワンとなった。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大や半導体不足の影響で、ノートの新車納期はやや遅くなっている。少しでも早く手に入れたいと思っている人には、中古車での購入をオススメしたい。

カーセンサーでの延べ掲載台数と平均価格を示した下記表を見ると、2021年8月までは中古車市場での流通量が少なめだったが、同年9月以降に急上昇。今年3月に入ってからはコンスタントに600台を超えるようになった。
 

ノート

しかも、全流通量の7割以上が走行距離1万km以下。登録済未使用車のような、限りなく新車に近いコンディションの物件も豊富にある。中古車平均価格は220万円台で安定しながら推移。

グレードごとの価格については後述するが、中古で購入すると諸費用分プラスアルファくらいの金額がお得になる……と考えて良いだろう。

ここからはノートの概要やグレード体系をチェックしつつ、中古車市場でお買い得感の高くなっているグレードの「S」「X」を中心にオススメの物件を紹介していこう。
 

ノート ▲ショートノーズ&ロングルーフのミニバン風なスタイルもポイント。最上級グレードにはツートーンカラーも設定される

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日産 ノート(現行型)
 

【モデル概要】日産 ノート(現行型)とは

ノート ▲コンパクトカーながら後席の居住空間も必要十分。写真は廉価グレードである「S」のものだが、内装の質感は悪くない

先代からプラットフォームを一新し、ボディ剛性やパッケージに磨きをかけた現行型のノート。

シンプルですっきりした造形の中にも、日本の伝統工芸である組子からインスパイアされたパターンをあしらったフロントグリル。電動化を意識した未来的なインテリアなどのデザインには、コンパクトカーのベンチマークたらんとする気概が感じられる。

ノートで用意されるパワーユニットは「e-POWER」のみ。フロントに1.2L 直列3気筒ガソリンエンジン+モーターを搭載するFFの他、リアにモーターを追加した4WDも設定される。

従来型からモーター&インバーターを刷新し、トルク、出力を向上させながらコンパクト化にも成功した。

コンパクトカーでありながら動力性能や燃費だけでなく、静粛性や快適性にもこだわっているのがノートらしいところだ。エンジンの作動頻度低減や遮音性能向上はもちろん、ロードノイズが大きい路面で積極的に発電を行うユニークな制御システムも採用されている。
 

ノート ▲ハイブリッド専用車らしく、インテリアも未来的なイメージ

グレード展開についてだが、実はかなり変則的。「S」「F」「X」という3種類の基本グレード+純正カスタマイズバージョンである「AUTECH」「AUTECHクロスオーバー」が設定されている。

最も価格が安いのは「S」、次いで「F」……と、ここまでは一般的なのだが、必ずしも「S」の装備が「F」よりも劣っているとは限らないのである。一例を挙げると、「リア間欠式ワイパー」「フロント2スピーカー」「運転席シートリフター」などの装備は中間グレードであるはずの「F」には装備されず、「S」に装備される。

逆に「F」にしか装備されないものもあるが、正直、コストパフォーマンスは廉価な「S」の方が高い。

一方で、「X」はインテリジェントキーや後席リクライニング機構、16インチタイヤなどを備える最上級グレードだ。しかし、新車価格では「S」が202万9500円、「F」が205万4800円、「X」が218万6800円と、実はあまり大きな差がない。

これは「X」であっても、LEDヘッドランプや本革巻きステアリングなどの豪華装備、先進安全機能の一部やカーナビ、そして目玉装備である「プロパイロット」も、すべてオプションとなっているため。

ちなみに、「プロパイロット」については「X」と「AUTECH」系でしか選択することができず、しかもアラウンドビューモニターなどとのセット価格で44万2000円のメーカーオプションとなっている。

このようなグレード展開のため中古車市場でのグレード分布もかなり偏っており、「X」が全体の7割以上で「S」が2割弱。他は「AUTECH」系で、「F」については今のところほとんど流通していない。
 

 

【中古車相場】「S」「X」ともにお得感ある物件が

ノート ▲最上級グレードの「X」であっても、標準装着されるホイールはスチール製だ

前述した理由により、中古車市場で今狙い目なのは、最上級の「X」もしくはシンプル装備の「S」ということになる。

ノート全体の中古車流通台数は約370台だが、人気グレードの「X」なら物件の選択肢も比較的豊富だ。「プロパイロット」なしであれば走行距離1万km以下の物件でも予算210万円から狙える。新車で購入するよりも、諸費用プラスアルファ分がお得になる金額だ。

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日産 ノート(現行型) × 「X」

一方、「プロパイロット」付きの物件では、上記と同様のコンディションで約10万円高の総額220万円~が相場。

セットオプション価格が約45万円、車両本体と合わせた新車価格が260万円以上の物件であることを考えると、中古車で購入する方が圧倒的にリーズナブルだ。

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日産 ノート(現行型) × 「X」 × プロパイロット

ノートらしいビビッドなボディカラーの物件を狙っている人も「X」一択。というのも、「X」にはツートーン含め12色ものボディカラーが設定されているのに対し、「S」は7色(「F」は5色)しか設定されておらず、いずれも控えめのカラーだからである。
 

ノート ▲目玉装備の「プロパイロット」は、ナビリンク機能付きの進化版が搭載される。つまりカーナビなどとのセットオプションだ

もうひとつのオススメである「S」の流通台数は現在、70台ほど。こちらの支払総額価格帯は199万~255万円となっている。

「X」よりもややオトク度は下がるものの、走行距離1万km以下の物件が全体の約半分を占めており、新車に限りなく近いコンディションの物件を見つけることもできる。

基本的な装備内容は最上級グレードとも大差ないので、「プロパイロット」なしでOK、少しでもリーズナブルにノートを手に入れたい、という人はこちらを狙ってみるのも手だろう。
 

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日産 ノート(現行型) × 「S」

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日産 ノート(現行型) × 全国

※記事内の情報は2022年8月16日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/日産
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。