マツダ プレマシー ▲スライドドア付きの3列シート車でありながら、マツダらしく走り味もおろそかになっていない3代目プレマシー

総額50万円以内でも狙える3代目マツダ プレマシー

今までは全高の低いコンパクトカーやセダン、ステーションワゴンに乗っていたけれど、家族構成の変化などで3列シートのミニバンが必要になった……こんな経験をお持ちの方は意外と多いハズ。

ただ、生活環境が変わったこともあって車にそこまでの予算を捻出しにくい……という人は、総額50万円ほどから狙うことができる格安3列シートミニバンの3代目「マツダ プレマシー」をチェックしてみてはいかがでしょうか?

マツダ プレマシー ▲2Lクラスの3列シートミニバンである3代目プレマシーも、総額50万円で狙える物件が増えてきた

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マツダ プレマシー(3代目) ×全国

全高が低く、ミニバンらしからぬスポーティな走りができる

今回ご紹介する3代目マツダ プレマシーは、2010年7月~2017年12月まで生産されていたモデルで、3列シートミニバンでありながら全高が1615~1650mmと比較的低いのが特徴。

そのため、背の高いミニバンと比べて乗用車的な走り味となっており、全高の低い車から乗り替えても違和感を覚えにくいという利点があります。

シートレイアウトは2-3-2の7人乗りとなっており、3列目シートは床下格納タイプのため、通常は格納した状態でステーションワゴン的に使用して、いざというときにシートを起こすというような使い方に最適でしょう。

マツダ プレマシー ▲圧倒的な広さこそないものの、3列目シートを格納すればステーションワゴン的な使い方も可能

3人掛けとなる2列目シートは、中央の座面を2列目左のシートの座面の下に格納することができるため、ウォークスルーも可能なキャプテンシート的に使用することもできます。 また、2列目右のシート座面の下にはカップホルダーを備えたトレイも格納されていて、多彩なアレンジが可能となっている点も注目です。

搭載されるエンジンは直列4気筒の2Lエンジンとなり、トランスミッションはライバルが多く採用するCVTではなく、スポーティな走りを楽しむことができる5速AT(4WDモデルは4速AT)を搭載。走りの楽しさも妥協しないマツダらしいところです。

2013年1月に実施されたマイナーチェンジでは、マツダの新世代技術である「SKYACTIV TECHNOLOGY」を導入したグレードを追加設定し、直列4気筒2Lの「SKYACTIV-G 2.0」エンジンと、6速ATとなる「SKYACTIV-DRIVE」が採用されています(従来のものも継続販売)。

マツダ プレマシー ▲SKYACTIV TECHNOLOGYが導入された後期型でもエクステリアに大きな変更はなかった

同世代の2Lクラスの3列シート車のライバル車は、トヨタ ウイッシュやホンダ ストリームが挙げられますが、唯一両側スライドドアを備えているのがプレマシーであり、ボディサイズも3ナンバーサイズとなるプレマシーは室内空間やシートアレンジに置いて有利となっているところは特筆すべきポイントと言えるでしょう。

3ナンバーサイズといっても全長はライバル車種と同等の4.6m未満に収まっており、最小回転半径も5.3mと同等の数値となっているため、3ナンバーサイズであることのデメリットはそこまでないということもお伝えしておきます。

では、そんな3代目プレマシーを今狙うとしたら、どんな条件で探すのがいいのでしょうか?

総額50万円以下なら「走行距離7万km以下×保証あり」を

マツダ プレマシー ▲この条件では前期型が中心だが、インパネの形状や使い勝手などは後期型と大差ない点もうれしいところ

平均車両本体価格よりも安く、例えば総額50万円という予算でも十分見つかる3代目プレマシー。

とはいえ、あまりにも走行距離が延びている物件は不安があるかと思いますので、今回は7万kmで絞ってみます。

そして万が一のことを考えて、保証ありに絞ってチェックしてみても、執筆時点で50台ほどの物件がヒット!

中には、走行距離5万km台で支払総額が30万円を切るものも見つかるため、ぜひ一度チェックしてみてほしい条件です。

この条件でヒットしてくるのは、マイナーチェンジ前の前期型がほとんど。しかし、前述のとおり後期型になってもエクステリアに大きな変更はなく、当然使い勝手の面でも大きな差はないため、狙う価値は大いにあると思います。

なお、保証付きということで安心感が高くなりますが、販売店保証については内容がまちまちなので、保証内容の精査は忘れずにしてください。

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マツダ プレマシー(3代目) ×総額50万円以下×走行距離7万km未満×保証あり×全国

総額80万円以下なら「SKYACTIV TECHNOLOGY搭載車」を

マツダ プレマシー ▲後期型でもそこまで中古車価格がアップしているわけではないため、予算に余裕があるなら後期型がオススメ

見た目こそそこまで変わりませんが、せっかく買うのであれば新世代技術が投入されたSKYACTIV TECHNOLOGY搭載モデルを選ぶ、というのも選択肢のひとつですが、予算を80万円まで上げると射程に入ってきます。

新車当時は最もベーシックなモデルが200万円ほどの価格でしたが、中古車となった今では総額80万円以下で絞っても60台ほどヒット。

5速ATから6速ATになったことで、よりプレマシーらしいスポーティな走りが可能なだけではなく、カタログ燃費がリッター3km以上向上していることも考えると、少し予算を上げたとしてもお買い得感が高い1台といえるかもしれません。

さすがに最安値に近い物件では走行距離10万kmオーバーのものも存在しますが、総額60万円程度で走行距離5万km以下の物件も見つけることができます。

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マツダ プレマシー(3代目) ×総額80万円以下×SKYACTIV TECHNOLOGY搭載グレード×全国

高級感を求めるなら「20S-SKYACTIV Lパッケージ」か「20S-SKYACTIV セレーブル」

マツダ プレマシー ▲こちらは「セレーブル」の内装。サンドベージュのシートなど明るい印象となる点が特徴

ミニバンを検討する前は上級クラスの車両に乗っていた、という人にはマイナーチェンジ後に設定された最上級グレード「20S-SKYACTIV Lパッケージ」や、特別仕様車の「20S-SKYACTIV セレーブル」という選択肢もあります。

「Lパッケージ」は現在のマツダ車にも設定されているラグジュアリーグレードであり、プレマシーの場合は上質なピアノブラックのセンターパネルや、レザーとファブリックのコンビシート、高輝度塗装が施された17インチアルミホイール(オプションで15インチ化も用意されていた)などを備えたもの。

一方の「セレーブル」はシルバーの高輝度塗装のドアミラーやブリリアントブラックのグリルガーニッシュ、クロームメッキのアウタードアハンドルに加え、サンドベージュ&ブラックの専用シート表皮を備えて通常のプレマシーとはひと味違うカラーコンビネーションとなっているのです。

実用車であるミニバンだけに、高級感を意識したこの2グレードは執筆時点で40台(Lパッケージ31台、セレーブル9台)と希少な存在です。

しかし、他のグレードと比べて特別高額というわけでもなく、走行距離7万km程度のものでも総額70万円くらいから狙えます。

走りだけではなく高級感も求めるなら、ぜひ狙ってみてほしい1台です。

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マツダ プレマシー(3代目) ×20S-SKYACTIV Lパッケージ/20S-SKYACTIV セレーブル×全国

今回ご紹介した3代目プレマシーは、室内空間だけを考えれば背の高いミニバンにはかないませんが、低全高故の走りの良さや、ライバルにはない両側スライドドアや豊富なシートアレンジなど、魅力もたくさん詰まっているモデルです。

それでいてお手頃な価格で狙えるので、3列シートの入門車としてはベストな1台と言えるのではないでしょうか。

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文/小鮒康一 写真/マツダ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。