MX-30(現行型)▲マツダ CX-30のクーペ版のような立ち位置にあるのがMX-30。しかも単にスタイルだけでなく、機能や装備面でも新しい提案のあるモデルだ

登場から1年以上経過し、程度抜群の中古車が増加!

マツダの新基軸モデルとして、2020年10月に登場したMX-30。

両側観音開きのドアや独自のマイルドハイブリッドなど、新しい提案に満ちたコンパクトSUVだ。

登場から1年以上が経過し、ようやく中古車の掲載台数も増え、それに伴い中古車平均価格も下がってきている。

また、まだ新車の香りが残っているような程度抜群の中古車も見つかり、新車を検討している人にもぜひチェックしてもらいたい1台だ。

そんなMX-30の中古車を狙うなら、どんな物件がオススメなのか? 中古車状況とモデル概要を振り返りつつ、チェックしていこう。
 

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マツダ MX-30(現行型)×全国
 

中古車の平均走行距離は、たったの0.6万km

2021年1月にはわずか5台だった中古車の延べ掲載台数は、同年4月には100台を超え、2022年5月には189台と200台に迫る勢いまで伸びている。
 

マツダ MX-30の中古車平均価格推移グラフ▲2021年に一気に掲載台数が増え、2022年は150台以上で安定している

それに伴い、中古車の平均価格も順調に下落し、2021年5月時点の278.1万円から1年後の2022年5月には258.3万円に。1年間で19.8万円も値を下げている。
 

マツダ MX-30の中古車延べ掲載台数推移グラフ▲1年ほど前から中古車平均価格はゆっくりだが確実に安くなっている

そして、原稿執筆時点での中古車の平均走行距離はわずか0.6万km。0.5万km未満の物件が5割以上を占めている。

もちろん値落ちは今後も進むと思われるが、新車に近いコンディションのMX-30狙いなら、今のうちにチェックすることをオススメしたい。
 

 

「2L+小型モーター」のマイルドハイブリッド

MX-30(現行型)▲駆動方式は2WDと4WDが用意されている。4WDは走行状況に応じて前後のトルク配分を行ってくれる他、スタックからの脱出もしやすい機能も備わる

2020年10月に登場したMX-30。

マツダ CX-30と同じプラットフォームで作られ、全長4395mm、全幅1795mm、ホイールベース2655mmは両車同じ数値だが、見た目は大きく異なっている。

両側観音開きのドア(フリースタイルドア)は言うまでもないが、同じ「魂動デザイン」でも、MX-30は新しい表現にチャレンジしている。

搭載されたパワーユニットも2Lガソリンエンジン(スカイアクティブG 2.0)に、小型モーターを備えたマイルドハイブリッドシステムのみで、グレードはワングレードとなる。

BEV(電気自動車)のMX-30 EVモデルも後に追加されたが、現時点でマツダ車の定番ともいえるディーゼルエンジン搭載車はラインナップしていない。

インテリアもCX-30とは異なり、水平基調のインパネが採用されている。エアコン操作がタッチパネルになったのもマツダ車としては初だし、コルクやペットボトルのリサイクル素材が積極的にインテリアの素材に採用されたのもこの車の特徴のひとつ。

もちろん最新モデルらしく、先進安全運転支援機能は充実している。

衝突被害軽減ブレーキ(SBS)や前後誤発進抑制機能、全車速追従機能付きACC、レーンキープアシストシステムなどは全車に標準装備。

また、ウインカーを出さずに白線を踏み出そうしたり、白線のない道路の縁石にぶつかりそうになるとステアリングをアシストして衝突を回避するロードキープアシスト機能も標準で備わる。

なお、新車時の車両本体価格は242万~339.4万円だ。
 

MX-30(現行型)▲観音開きドアのため、後席の開口部は広く乗り降り自体はしやすい。ただし、乗るときは前席より先に乗り込む必要があり、降りるときはフロントドアを開けないと降りられないので注意
MX-30(現行型)▲センターコンソールのトレイにはコルク材が採用されている。伐採ではなく、木の表皮から得られる環境負荷の少ない素材で、マツダの原点「東洋コルク工業」へのヘリテージ素材でもある
MX-30(現行型)▲シート素材は通常のクロス地の他に、オレンジのステッチが入る写真の「モダンコンフィデンス」や、人工皮革が用いられた「インダストリアルクラシック」が用意されている
MX-30(現行型)▲ラゲージ容量はCX-30の430Lに対し、400Lとなる。床下には小物を入れられるサブトランクが備わる。後席を倒すと段差のない広い空間を作ることができる

デビューしてまだ約1年半ほどのため、一部改良やマイナーチェンジは行われていない。

つまり、今なら新車と同等の見た目や機能の中古車を狙うチャンスなのだ。

 

価格重視なら総額280万円を目安に標準車をチェック

基本的には単一グレード展開となるMX-30。

その中でも最も安い2WDモデルの新車時価格は242万円。諸経費やオプションなどを追加すると、300万円ちょっとが乗り出し価格となる。

価格の安さを重視するならそれよりも20万円ほど安い総額280万円にひとつのラインを設けてみてはいかがだろうか?

原稿執筆時点で、走行距離1万km以下でも支払総額約230万円、0.5万km以下でも総額240万円くらいから狙うことができ、かなりお得度が高い。

上記で説明したように、つるしの状態でも十分装備は整っているが、パッケージオプションを備えている中古車もこの価格帯で十分見つけることができる。

パッケージオプションにはいくつか種類があり、例えばベーシックパッケージなら交通標識認識システムや自動防眩ルームミラー、ヒーテッドドアミラー、本革巻きステアリングなどが備わる。

また、セーフティパッケージは衝突被害軽減ブレーキへの右直事故回避アシスト機能の追加や、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)が備わる。

全体の台数自体はまだまだ多いとは言えないが、積極的に狙ってみてほしい。
 

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マツダ MX-30(現行型)×総額280万円以下×標準車(2.0/2.0 4WD)×全国
 

コスパ狙いなら「100周年特別記念車」もチェック

MX-30が登場した2020年は、マツダの創立100周年という記念の年。

そのため、マツダ車全車に「100周年特別記念車」が用意され、10月に発売されたMX-30にも、当然設定された。

MX-30の100周年特別記念車は、他同様100周年スペシャルロゴフロントヘッドレストやホイールキャップなどに備わる他、シートがブラックのクロス生地+レッドの合成皮革になる。

さらに、先進安全運転機能がフル装備になるところが美味しいポイントだ。

具体的には標準車ではオプションの交通標識認識システム(TSR)、衝突被害軽減ブレーキへの右直事故回避アシスト機能の追加、360°ビュー・モニター、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)、前側方接近車両検知、クルージング&トラフィック・サポート(CTS)などが標準で備えられている。

他にも、BOSEサウンドシステム+12スピーカーや前席シートヒーター、ステアリングヒーターなどてんこ盛りで、新車時の車両本体価格は標準車より73万7000円も高い315万7000円(2WD)/339万3500円(4WD)。

それが原稿執筆時点で見ると、走行距離1万km前後の中古車が支払総額300万円以下で十分狙える。車両本体価格で新車時と比較すると、中には追加装備分の73万7000円以上安い中古車も!

台数は原稿執筆時点では決して多くはないが、いわば「全部のせ」がこの価格で手に入るのだから、予算に余裕があるのなら積極的に狙いたいモデルだ。
 

▼検索条件

マツダ MX-30(現行型)×100周年特別記念車×全国

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マツダ MX-30(現行型)×全国
文/ぴえいる、写真/マツダ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。