それでも最新型がいい? マツダ CX-5を買うなら「見た目はほぼ一緒・基本性能が充実・お手頃価格」の前期型がオススメ!
2022/04/01
中古車市場では前期型が狙い時に!
競争激しい国産ミドルクラスSUVにおいて、トップクラスの人気を誇るマツダ CX-5。
2代目となる現行型モデルは、2016年12月スタイリッシュなフォルムで登場した。
それから5年後の2021年12月にマイナーチェンジが実施され、ヘッドライトやテールランプのデザインの変更と安全性能などが進化。モデルライフを考えると、この変更が前期型と後期型の分かれ目となることだろう。
最新なのは後期型だが、いま今中古車市場でオススメなのは前期型だ。
なぜなら性能的には後期型と大きな差がなく、しかも良コンディションでコスパの高い物件が数多く中古車市場に流通しているからだ。
ではその前期型モデルとはどんな車なのかをご紹介しよう。
▼検索条件
マツダ CX-5(2代目) × 前期型(2021年11月以前) × 全国【前期型CX-5がオススメの理由】パワーユニットなど根本的な違いはほぼない!
マツダ車はデビュー直後のモデルであっても毎年のように改良が繰り返される。
2代目CX-5も例外ではなく、すでに何度も変更が行われてきたが、2021年12月の変更はメーカー自ら“大規模”と銘打つ、全般的な変更となった。まずは、その主な内容を見てみよう。
【エクステリア】
・ヘッドランプ、リアコンビランプの形状とランプユニットを変更
・フロントグリル、バンパーまわりのデザインを変更
【シャーシー】
・車体フレームに減衰構造を採用
・車体とシートフレームの取り付け剛性を向上
・スプリング・ダンパー特性の見直し
【装備・安全性能】
・従来の「ドライブセレクション」が「MAZDA INTELLIGENT DRIVE SELECT」(略称Mi-DRIVE)へと進化。「SPORT」モード(ガソリン車のみ)では「G-ベクタリング コントロール プラス」の制御を追加。一部の特別仕様車には、新たに「OFF-ROAD」モードを設定
・アダプティブ・LED・ヘッドライトの配光特性を12分割→20分割に変更し、夜間の視認性を向上
・Qi規格対応のワイヤレスチャージャーを設定
【荷室】
・荷室のフロアボードを上段、下段、前後2分割が可能なタイプに変更
・荷室床面とテールゲート開口部がフラットになる形状に変更
・荷室フロア下のサブトランク容量を拡大
【グレード】
・2.5L ガソリンターボエンジンを搭載する「SKYACTIV-G 2.5T」、ディーゼルの廉価グレード「XD」を廃止
・特別仕様車「Sports Appearance」「Field Journey」を追加
上記のように変更内容は多岐にわたっているが、ヘッドランプのデザイン変更、荷室フロアボードの形状変更以外はフィーリングの向上に重きが置かれている。
フロントまわりのデザイン変更についても「前期型に乗っている人なら分かる」というレベル。エンジンなどのパワートレイン、安全性能については全く着手されなかった。
というのも、それ以前の変更ですでに何度も改良されているためだ。つまり、マイナーチェンジの前後にこだわる理由は極めて少ないのである。
さらに前期型には、今回の変更で廃止された「2.5Lガソリンターボモデルがある」「納期が早い」というメリットもある。
前期型は今、中古車市場での流通量が多く、相場も新車に対するオトク感が出ているところ。
つまり、上述した変更点が絶対に譲れないわけでなければ、前期型の方が圧倒的に買いやすい状況なのだ。
【ボディサイズ・デザイン】国産SUVの中でも随一のデザイン性
日産 エクストレイルや三菱 アウトランダーなど国産ミドルクラスSUVが次々と大型化、3列シート化していく中にあって、CX-5のボディサイズは全長4545mm × 全幅1840mm × 全高1690mmと比較的コンパクト。
流れるように美しいフォルムの効果もあって外観はスマートに見えるが、その実、車内空間は広い、というイイトコどりのパッケージだ。
あくまで個人的な意見だが、国産ミドルクラスSUVの中でも、特に洗練されたデザインと言えるだろう。
フロントグリルからヘッドランプ下側に長く伸びるシグネチャーウイングのデザインは、前期型特有のもの。前期型のフロントデザインは彫りが深く、表情豊かなのが特徴だ。
【動力性能・走行性能】2.5Lガソリンターボがあるのは前期型だけ
前期型CX-5のパワーユニットは、下記の4種類。
・2L直4ガソリン
・2.5L直4ガソリン
・2.5L直4ガソリンターボ
・2.2L直4ディーゼルターボ
2.5L直4ガソリンターボ車は2018年10月に追加設定され、約3年間しか国内販売されなかったモデルだ。
2L直4ガソリン、2.5L直4ガソリンは2018年2月にピストン形状や排気ポート形状の見直し、低抵抗ピストン、新インジェクターの採用などが実施され、動力性能が若干向上した。
このとき、2.5L直4ガソリンは燃費向上に貢献する気筒休止システムも新たに採用されている。
2.2L直4ディーゼルターボについても同じく2018年2月の変更で最高出力を+11kW(+15ps)、最大トルクを+30N・m(+3.1kg・m)向上させ、燃費性能も改善。
さらに、2020年12月にも最高出力を+7kW(+10ps)向上させる変更が行われている。
つまり、CX-5前期型は年式が新しいほど、動力性能が良いということ。パワーにこだわる人は、物件の年式をよくチェックする必要がある。
SUVらしからぬオンロードでのキビキビした走りについては定評があり、駆動力を制御して旋回性能を向上させる「G-ベクタリングコントロール」などの先進技術も積極的に採用されている。
2018年10月の変更では、ハンドルを切った際の制御に加えて、ハンドルを戻す際の制御を追加した「G-ベクタリングコントロール プラス」へと性能が進化した。
【安全性能・装備】先進的な技術が盛りだくさん
0~100km/hで追従走行可能なレーダー・クルーズ・コントロール、歩行者検知可能な「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」、「AT誤発進抑制制御(前進時)」など、充実した先進快適装備、先進安全装備が標準装備されていた前期型。
2017年8月の変更では安全装備に「先進ライト」と「車線逸脱警報システム」が追加され、「i-ACTIVSENSE」として全車標準装備された。
パワーリフトゲートなどの便利装備は上級グレードに標準、その他のグレードにオプションとなっているので中古車選びの際には狙っている物件に装着されているか、確認しよう。
【中古車相場でのオススメ】ディーゼル車の人気が高い
2代目CX-5の中古車は、前期型だけで2000台以上が流通している。
狙いどころは力強く、洗練されたフィーリングで人気の2.2L直4ディーゼル車。中古車市場での流通数も全体の約75%と選択肢が豊富だ。
予算に余裕があるなら、2018年2月の変更で動力性能、燃費性能が改善されたモデルを選ぶと良いだろう。
オススメのグレードは上質なインテリアとなる「XD Lパッケージ」だ。
この「Lパッケージ」はレザーシート、運転席&助手席パワーシート、前後席シートヒーターなどが採用され、さらにグローブボックス内が起毛処理となるなど、細部にわたって他グレードと差別化されている。
走行距離を5万km以内とした場合、予算(支払総額)の目安は2018年2月変更前のモデルで190万円~、変更後のモデルで220万円~となる。
▼検索条件
マツダ CX-5(2代目) × 前期型(2021年11月以前) × 「XD Lパッケージ」 × 全国「個性的なグレードに乗りたい」、「SUVにもパワーを求めたい」という人には、2.5L直4ガソリンターボ車の「25T Lパッケージ」がイチ押し。
人気の少なさから後期型では廃止された……と聞いていたが、中古車市場には50台近くの物件が流通している。
ハイパワー・モデルであるだけでなく最上位グレードとして、「Lパッケージ」のみの設定だった2.5L直4ガソリンターボ車。
当時の新車価格は370万円オーバーだったが、中古車なら250万円台から手に入る。
▼検索条件
マツダ CX-5(2代目) × 前期型(2021年11月以前) × 「25T Lパッケージ」 × 全国【結論】CX-5本来の魅力は前期型でも堪能できる
ご覧のように、CX-5最大の魅力である動力性能や走り、優れたパッケージは前期型も変わらない。
後期型では安定性を高める方向に足回りの設定が見直されるなど、実に細かなチューニングが実施されているが、「前期型の方がハンドリングにダイナミック感があって良い」と感じる人もいるはず。
いずれにしてもフロントデザインの変更と同じく、基本的な素材の良さ、という点ではほとんど変わっていない。
加えて、2.5L直4ガソリンターボの刺激的な走りが味わえるのは前期型だけ。
中古車市場での流通量が充実している今は、まさに狙い時だろう。
▼検索条件
マツダ CX-5(2代目) × 前期型(2021年11月以前) × 全国※記事内の情報は2022年3月29日時点のものです。
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。