スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲エクシーガのビッグマイナーチェンジでクロスオーバータイプへ生まれ変わった「エクシーガクロスオーバー7」

今はなきスバルの3列シートクロスオーバーモデル

スバルといえば、高い走破性を誇る四輪駆動と低重心な水平対向エンジンという、2つの大きなアイデンティティをもつメーカーです。

また、先進の運転支援システムである「アイサイト」や、そもそも事故を起こしにくい車を作るという「0次安全」という考え方で車作りをしていることから、安全性の高いメーカーというイメージもあることでしょう。

それだけに、大切な家族を乗せるならスバルの車がいいなと考えている人も多いと思いますが、残念ながら現行のスバルのラインナップには多人数乗車を可能とする3列シート車は存在していません。

しかし、中古車に目を向けてみると、2018年の春まで3列シートのクロスオーバーSUVモデルを生産・販売していたのです。それこそが、今回ご紹介する「エクシーガクロスオーバー7」です。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲エクシーガ時代よりも高められた車高やオーバーフェンダーなどのエクステリアアイテムで、SUVらしさをプラス

2015年4月に登場したエクシーガクロスオーバー7は、その名のとおりクロスオーバーSUVタイプかつ7人分のシートを備える3列シート車。

詳しい人ならご存じのとおり、もともと2008年から販売されていた「エクシーガ」のビッグマイナーチェンジ版として登場したものでした。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲後席にいくほど着座位置が高くなり、良好な視界を確保するシートレイアウトなど、エクシーガの美点は引き継いでいる

とはいえ、ただ単にエクシーガにクロスオーバー風の加飾をプラスしただけのお手軽仕様ではなく、ルーフレールを標準装備とし、車高もアップさせて余裕の最低地上高170mmを実現。

高められた車高に合わせてサスペンションは新開発したものを採用し、車高の高さを感じさせない走りを両立しています。

エンジンは、エクシーガ時代に搭載されていた2Lエンジンや2Lターボエンジンはラインナップされず、3列シート車にふさわしい2.5Lの排気量をもつFB25型水平対向4気筒エンジンとし、組み合わされるミッションはスバル自慢のCVTであるリニアトロニックという1種類に集約。

駆動方式もエクシーガの初期型に存在していた2WD(前輪駆動)はなく、全車フルタイム4WDとなりました。

さらに、先進の運転支援システム「アイサイトVer.2」も全車に標準装備となったため、どのエクシーガクロスオーバー7を購入しても充実した装備が付いてくるという点はうれしいところでしょう。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲先進の運転支援システム「アイサイトVer.2」は全グレードに標準装備となる

そんなエクシーガクロスオーバー7ですが、ここのところ結構中古車の平均価格がここ2年で結構安くなってきているのです。

以下、詳しい中古車相場を見ていくとともに、今の狙い目となるオススメ物件を紹介していきます。

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スバル エクシーガクロスオーバー7 ×全国

2年で平均価格が30万円近く安くなっている!

新車時はおよそ280万円弱というプライスタグが付けられていたエクシーガクロスオーバー7。2.5Lで3列シート、先進安全装備も付いた四輪駆動車としてはかなりリーズナブルな価格でした。

一方で、その唯一無二性からか、中古車平均価格はなかなか下がらず、2020年1月の時点では200万円を超えていました。

その後も平均価格は上下動を繰り返していましたが、2021年春ごろに170万円台になるとそのままほぼ横ばいで推移。

今年2022年1月も175.8万円と、2年前よりも30万円以上安くなっているのです。

スバル エクシーガ クロスオーバー7の中古車平均価格推移グラフ ▲2020年に大きく平均価格を下げ、ここ1年ほどは170万円台半ばで推移している

なお延べ掲載台数は、そもそも3年ほどしか販売されなかったことやモデル末期のビッグマイナーチェンジであったことも影響してか、100台前後とやや少なめとなっています。

価格が安くなっている影響でライバルが増えることも考えられるため、希望の1台を見つけるには早めに検討を始めたほうが良さそうです。

では、今からエクシーガクロスオーバー7を狙うならどんな仕様がオススメなのでしょうか?

実はグレード展開の小さなエクシーガクロスオーバー7
狙うなら特別仕様車の「X-BREAK」がオススメ

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲アクティブさとクロスオーバーテイストをさらに強調した「X-BREAK」はスバルの他車種にも存在する人気グレード

エンジンやトランスミッション、駆動方式などが厳選されていることはお伝えしたエクシーガクロスオーバー7ですが、実はグレードも「2.5i アイサイト」が基本グレードで、他は特別仕様車しか存在していません。

最初に登場した特別仕様車は、2016年1月にリリースされた「モダンスタイル」で、通常のグレードがオレンジ系のタンカラーの内装となるところ、シックなダークブラウンの内装色を採用したもの。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲タンカラーの内装は派手すぎる……というユーザーに向けて生まれたのが、ダークブラウン内装をもつ「モダンスタイル」

続いての特別仕様車は、2016年10月に登場の「アクティブスタイル」。こちらはチャコールグレーとタンカラーを組み合わせた専用撥水シートやリバーシブルカーゴフロアボードなどを採用し、クロスオーバーモデルとしてのアクティブさをより強調していました。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲「アクティブスタイル」には撥水シートなどの他、軽快な印象の切削光輝17インチアルミホイールも備わる

そして2017年3月の一部改良のタイミングで追加された特別仕様車が、今ではフォレスターやアウトバックのグレードとしてもお馴染みの「X-BREAK」です。

当時リリースされていたフォレスターのX-BREAKと同じく、ダークメタリック塗装の17インチアルミホイールや、オレンジの車名ロゴを入れたサイドクラッディング、X-BREAKのリアオーナメントにブラックのミラーで精悍さをプラス。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲過去の特別仕様車の特徴をすべて併せもつのが、最後の特別仕様車「X-BREAK」となる

内装にはブラックとタンカラーの撥水ファブリックと合成皮革を組み合わせたコンビシートやリバーシブルカーゴフロアボードを備え、シートと同じブラック&タンカラーのインパネ加飾が備わるなど、今までの特別仕様車の集大成とも言えるものです。

スバル エクシーガ クロスオーバー7 ▲少々の水分なら染み込むことなくはじいてくれる撥水加工シートが備わるのもうれしい

価格帯は総額で180万~230万円ほどと、平均価格以下でも見つかるのも魅力的。 そして、走行距離は最も走っている物件でも6万km台と、極端な多走行車がない点もポイントです。

ただし、執筆時点ではわずか5台の掲載となっているため、細かく掲載物件をチェックする必要はありますが、それでも狙う価値は大と言えるでしょう。

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スバル エクシーガクロスオーバー7×X-BREAK×全国

現在、3列シート車をラインナップにもたないスバルですが、海外向けに生産している大型3列シートSUVを日本で販売する予定はないと明言していることからも、しばらくは3列シートのスバル車は登場しないと思われます。

そのため、スバルの走りや安全性に注目していて多人数乗車が可能な車種を探している人は、早めに良質なエクシーガ クロスオーバー7を押さえておいた方がいいかもしれませんね。

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スバル エクシーガクロスオーバー7 ×全国
文/小鮒康一、写真/SUBARU
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。