どっちを買うべき? 5代目ホンダ ステップワゴンと5代目日産 セレナを比較
2022/03/18
5代目ステップワゴン VS 5代目セレナ 気になる7つのポイントで比べてみた
横開きのバックドア「わくわくゲート」が印象的な5代目ホンダ ステップワゴンと、バックドアの窓部分を開閉できる「デュアルバックドア」が特徴的な5代目日産 セレナ。5ナンバーサイズミニバンの中でも他にはない機能を備えている。
子育て世帯をはじめ、多くの人に支持されている両車。その違いは、どこにあるのか? 購入時に気になる7つのポイントを比較してみた。ぜひ購入のヒントにしてほしい。
▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(5代目)×全国▼検索条件
日産 セレナ(5代目)×全国【サイズ】ボディサイズよりも室内の広さに注目
ミニバンユーザーが最も優先したいのは「車内が広くて、使いやすい」こと。両車ともに5ナンバーサイズと扱いやすく、多彩なシートアレンジなど機能面もバッチリ。広さにおいても甲乙つけ難いが、
いったい、どういうことか? まずはボディサイズから解説しよう。
車名 | ||||
---|---|---|---|---|
グレード | G/G・EX | e:HEV/SPADA | X/XV/e-POWER | ハイウェイスター |
全長 | 4690mm | 4760mm | 4685mm | 4770mm |
全幅 | 1695mm | 1740mm | ||
全高 | 1840~1855mm | 1865~1875mm |
車名 | ||||
---|---|---|---|---|
グレード | G/G・EX | |||
全長 | ||||
全幅 | 1695mm | |||
全高 | 1840~1855mm | 1865~1875mm |
セレナはステップワゴンより少しだけ背が高くなっているが、両車ともほぼ同じサイズ感となっている。注意点としてはグレードによって、区分が異なること。エアロパーツなどを標準装備したセレナのハイウェイスターや、ステップワゴンのe:HEVとSPADAはわずかに大きく3ナンバーとなる。税金などが気になる方は気をつけたいところだ。
一方で、室内寸法は下記のとおり。
車名 | ||
---|---|---|
室内長 | 3220mm | 3170~3240mm |
室内幅 | 1500mm | 1545mm |
室内高 | 1405~1425mm | 1400mm |
室内長 | 3220mm | 3170~3240mm |
---|---|---|
室内幅 | 1500mm | 1545mm |
室内高 | 1405~1425mm | 1400mm |
室内空間はセレナの方が若干広いが、体感上はほぼ同じだろう。企業努力によって、確保できる目いっぱいの空間を有しているのだろう。
ここまではほぼ同質だが、両車の主力であるハイブリッド車で比べると微妙な差がある。ステップワゴンのe:HEVは3ナンバーで、セレナのe-POWERは5ナンバーサイズなのだ。結果、税金などランニングコストの点を踏まえると、セレナの方がわずかに有利と言える。
【ドア】バックドアの使い勝手をチェック
車内のユーティリティ性能を重視するミニバンユーザーに、気にかけてほしいのがスムーズな乗り降りと荷物の出し入れ。両側パワースライドドアを有しており装備自体の甲乙はつけがたいが、
車名 | ||
---|---|---|
開口幅 | 780mm | 790mm |
開口高 | 1260mm | 1200mm |
ステップ高 | 390mm | 400mm |
開口幅 | 780mm | 790mm |
---|---|---|
開口高 | 1260mm | 1200mm |
ステップ高 | 390mm | 400mm |
乗降性に関する、開口部の広さやステップ高は両車ともにハイレベル。十分な広さがあり、乗り込みやすい低いステップ高に設定され、大きな差はない。
バックドアでも両車は他のライバル車にはない便利な機能を備えている。ステップワゴンの「わくわくゲート」と、セレナの「デュアルバックドア」だ。
ステップワゴンのわくわくゲートでは、2方向に開けられる。通常のバックドア同様に縦に跳ね上げるだけでなく、横方向にも開閉可能。駐車スペースなどの状況に合わせて選択でき、ここから人が乗り降りすることもできる。
対するセレナのデュアルバックドアは、リアガラスの部分だけを開閉できる機能だ。日常の買い物ならバックドアを全開にする必要はないため、まさに必要十分。開けた瞬間に荷崩れする心配などがないのも利点だ。
スライドドアの乗降性はイーブンなので、優劣をつけるとしたらバックドアの仕様。そうなると、ステップワゴンの方が便利。わくわくゲートなら、あわゆる状況に臨機応変に対応できるからだ。
【内装】おもてなし満載の充実機能
ステップワゴンもセレナも質感が高く、ムダのない空間づくりに注力。シンプルで落ち着いた雰囲気で内装も充実しているが、
ステップワゴンのインパネは水平基調でとてもシャープ。ムダな装飾はほとんどなく理路整然とまとめられている。助手席側のグローブボックスだけでなく、運転席側にもインパネトレーやサングラスボックス、アッパーボックスがあるなど収納も豊富だ。
セレナのインパネは、丸みのある落ち着いた雰囲気。助手席側にはグローブボックスやトレー、アッパーボックス運転席側にロアボックスも装備されている。こちらも収納に困ることはないだろう。
勝負の分かれ目は後席だ。ステップワゴンの運転席と助手席にはシートバックアッパーポケットがあり、スマートフォンなどの小物を収納可能。フック付きのテーブルやアームレストのフックで、袋やカバンを掛けておける。
対するセレナもテーブルを装備。しかも、こちらの方が大きく、タブレット端末を置くための溝があって多用途だ。グレードにもよるが、3列目にもパーソナルテーブルが備えられている点やUSBソケットが2列3列目に2つずつ確保されている点も◎だ。スマホなど電子デバイスに考慮している分、わずかにセレナの方が使いやすいだろう。
【乗車人数】3列目シートの使い勝手に要注目
シートレイアウトや荷室の積載性にも影響を与える乗車人数。先に結論を言うと、
乗車定員はステップワゴンが2-2-3の7人。グレードによってはオプションで2列目をベンチシートに変え、8人乗り仕様にできる。一方、セレナはe-POWERが2-2-3の7人、それ以外のスマートシンプルハイブリッド車が2-3-3の8人乗りだ。
両車は「7人乗りは2列目がキャプテンシート」「2~3列目をフルフラットにできる」など設定が似ている。しかし、そのシートレイアウトには違いがある。
注目すべきはセレナの8人乗りだ。「スマートマルチセンターシート」を前後にスライドすることで、1列目にも2列目にも加えられる。1列目にセットすればアームレスト、2列目にセットすればベンチシートとして使える。8人乗りながら2~3列目のウォークスルーを可能とした画期的な機能だ。
さらに確認しておきたいのは、3列シートの格納方法。ステップワゴンの3列目シートは「マジックシート」と呼ばれ、分割で床下に格納できる。これによって3列目をスッポリと隠せ、荷室空間をゆったりと使える。一方で、セレナの3列目は左右への「跳ね上げ式」で、荷室のスペース効率では遅れをとっている。
セレナのスマートマルチセンターシートも非常に魅力的だが、ミニバンユーザーの多くは普段は3列目を荷室として使うケースが多いはず。いざ3列目を格納して荷室を広く使いたいときに有利なのは、マジックシートを採用したステップワゴンだ。
【燃費】エンジンの種類によって優劣が変わる
1.5Lガソリン:13.0~13.6km/L
2L e:HEV:20.0km/L
▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(5代目)×ガソリン×全国▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(5代目)×ハイブリッド×全国
2Lスマートシンプルハイブリッド:11.8~13.2km/L
1.2L e-POWER:18.0km/L
▼検索条件
日産 セレナ(5代目)×ハイブリッド×排気量2L×全国▼検索条件
日産 セレナ(5代目)×ハイブリッド×排気量1.2L×全国燃費性能に関しては、一番良いのはステップワゴンの2L e:HEVで20.0km/Lだ。次いでセレナの1.2L e-POWERが18.0km/L、ステップワゴンの1.5Lガソリン車、セレナの2Lハイブリッドと続く。
純粋な燃費性能で見ればステップワゴンの2L e:HEVで間違いない。ただし、税金などのランニングコストも考慮するとセレナの1.2L e-POWERも捨てがたい。2L車と1.2L車では、毎年の自動車税が5000円ほど違ってくるからだ。
そのため、どちらがオトクかは乗る頻度によって異なる。長距離を走るならステップワゴンのe:HEV、そこまで走らないならセレナのe-POWERが妥当な選択肢となる。
【安全装備】どちらも優秀だが、装備差は明確
両車ともに十分な安全性能を備えているが、
ステップワゴンは2019年のマイナーチェンジから「Honda SENSING」を全グレードに標準装備。衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリングなど、8つの機能が盛り込まれた先進安全装備だ。結果、平成29年度自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価で最高ランクの「ASV++」を獲得している。
セレナは2019年8月のマイナーチェンジより360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)が全車標準となっている。360°エマージェンシーブレーキや前方衝突予測警報、RCTA(後退時車両検知警報)など11の機能を搭載。こちらも平成29年度自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価で最高ランクの「ASV++」を獲得している。
加えて高速道路でのアクセル、ブレーキ、ハンドル操作をアシストしてくれる「プロパイロット」を搭載したグレードもある。安全装備の中でも選択肢があるのはうれしいところだ。
両車ともに安全性能は抜群だが、中古車で購入するなら年式をチェックすること。どちらの車でも安全性能を重視するなら、2019年のマイナーチェンジ以降のモデルで選びたい。
【中古車価格】乗車人数によって掲載物件数が大きく変動
中古車平均価格で比べるとどちらも同じような価格帯だが、
新車時価格:229万~445万円
中古車平均価格:228万円
新車時価格:232万~420万円
中古車平均価格:222万円
ステップワゴンの登場初期モデル(2015年4月~2016年4月)だと、中古車平均価格が191.8万円。安全装備が拡充され始めた2016年5月~2017年8月生産モデルは200.6万円となっている。
同時期のセレナと比較すると2016年8月~2017年4月のデビューモデルで201.1万円。e-POWERやプロパイロットが採用されたモデルは235.4万円となる。似たような価格帯ではあるが、
掲載台数を見ると、ステップワゴンが1650台、セレナが3536台。選択肢ではセレナが有利だ。さらに、乗車人数で見ると特徴が明確になる。
7人乗り1164台/8人乗り486台
▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(5代目)×7人乗り×全国▼検索条件
ホンダ ステップワゴン(5代目)×8人乗り×全国
7人乗り468台/8人乗り3065台
▼検索条件
日産 セレナ (5代目)×7人乗り×全国▼検索条件
日産 セレナ (5代目)×8人乗り×全国ステップワゴンは7人乗り、セレナは8人乗りが主力商品となっているのだ。そのため、自分の暮らしや希望条件にあった方を優先的に探した方が、気になる物件を見つけやすいかもしれない。
最後に先進安全装備付きの中古車を見てみよう。衝突被害軽減ブレーキと誤発進防止装置、アダプティブクルーズコントロールを備える中古車はステップワゴンが360台、セレナが1315台。先進安全装備が付いている物件が豊富なのもセレナとなっている。