トヨタ スープラ▲2019年5月、17年ぶりに復活したトヨタのピュアスポーツモデル、スープラ

スープラ(現行型)の最新相場

2002年8月に80スープラが生産終了になってから17年。2019年5月に3代目となるスープラが登場した。

BMWとの共同開発というこれまでにない新しい手法で生み出されたDB系スープラは、直6ターボと2種類の直4ターボを搭載。

新車を検討している人でも納期の観点などから、中古車の情報もチェックすることをオススメしたい。

この記事では、2019年5月に登場した現行型トヨタ スープラの最新中古価格や流通量を紹介する。

2022年5月時点では、中古車の平均価格と流通台数は下記のとおりとなっている。

■スープラ(現行型)
・中古車平均価格:647.6万円
・中古車流通量:104台
 

スープラ ▲トヨタ スープラの月間延べ流通台数と中古車平均価格の推移

トヨタのFRスポーツである86よりホイールベースを100mm短くし、ホイールベースとトレッドの比率を1.55に設定。

ちなみに、この数字は1に近いほど回頭性が高くなり、2に近いほど直進性を重視したハンドリングになるといわれている。

また、スポーツカーの要である重心高も水平対向エンジンを搭載した86より低く設計された。これらは2シーターモデルと割り切って開発したからこそ達成できたものだ。
 

スープラ ▲ホイールベースを短くし、低重心化することでコーナリング性能と直進性を両立させた

デザインはルーフに2つの盛り上がりがあるダブルバブルルーフが特徴的。これはスポーツカーの王道的な形状で、元々はヘルメットをかぶった状態でもルーフに頭がつかないようにするための処理だった。

そして、ロングノーズ・ショートデッキのスタイルや、コーダトロンカと呼ばれるリアをスパッと切り落としたような形状もFRスポーツを象徴する部分。
 

スープラ ▲真横から見るとフロントが長く、着座位置が中央よりやや後ろにあることがわかる

インテリアは小径ステアリングと各種メーター類、センタークラスターなどに囲まれた、包まれ感のあるコックピットになっている。このあたりは歴代スープラから脈々と続く伝統的な部分だ。

一方で、シートやスイッチ類には、トヨタのプレミアムスポーツにふさわしい上質な素材が惜しみなく使われている。
 

スープラ ▲ドライバー側を向いたスイッチ類により、包まれ感を演出

そんなスープラは、パワーユニットの違いにより3種類のグレードが用意される。

・「SZ」:スープラのエントリーグレードで、最高出力145kW(197ps)、最大トルク320N・m(32.7kg-m)を発揮する2L 直4ターボを搭載。スープラのスタイリングや街中での走りを中心に楽しみたい人に適したモデル

・「SZ-R」:スープラの中間グレードで、最高出力190kW(258ps)、最大トルク400N・(40.8kg-m)mを発揮する2L 直4ターボを搭載。フロントが軽いのでコーナリング時に頭がリニアに入っていく。ワインディングなどで走りを楽しみたい人に適したモデル

・「RZ」:スープラのトップグレードで、最高出力285kW(387ps)、最大トルク500N・m(51.0kg-m)を発揮する3L直6ターボを搭載。アクセルを踏み込んだときのどう猛な加速感はもちろん、ロングツーリングにも適したモデル
 

スープラ ▲「RZ」に搭載されるエンジンはスープラの伝統である3L 直6に

このようにスープラはグレードにより性格が大きく異なるため、単に予算だけを見るのではなく、スープラを手に入れた後にどんな楽しみ方をしたいかまで考えて購入する車を決めるようにしたい。

ちなみに、駆動方式は全グレードFRで、トランスミッションは8速スポーツATになる。
 

グレードごとの流通状況(22年5月時点)

スープラ ▲流通している中古車の多くはトップグレードの「RZ」だ

現行型スープラで最も流通量が多いのはトップグレードの「RZ」(77台)。これはスープラ=直6と考える人が多く、デビュー時に新車で「RZ」を選ぶ人が大多数だったためだろう。

そんな「RZ」の価格帯は559.9万~1590万円。高価格帯はトヨタのオフィシャルチューナーであるTOM’Sのコンプリートモデルや、27台限定で販売されたマットストームグレーメタリックのボディカラーのものになる。

「SZ-R」の中古車は23台流通していて、価格帯は468万~633万円。値落ちはあまりしていないが、「RZ」だとプレミア相場になっているものもあるのに対し、「SZ-R」はそのような状況は見られない。

エントリーグレードである「SZ」の中古車は4台流通している。
 

価格帯別の流通状況(22年5月時点)

スープラ ▲「SZ-R」の中古車はプレミア相場にはなっておらず、車両本体価格600万円以下で購入可能

ここではスープラの流通状況を価格別に見てみよう。まずは車両本体価格の最安値物件。そして、600万円未満と600万円以上のゾーンに分けて紹介する。

■スープラ(現行型)の最安値
102台流通しているスープラの最安値中古車は車両本体価格429.8万円の「SZ」。走行距離は2.6万kmとなる。
 

▼検索条件

トヨタ スープラ(現行型) × 車両本体価格の昇順

■スープラ(現行型)|車両本体価格600万円未満
車両本体価格600万円未満の中古車は41台あり、ほとんどが「SZ-R」になる。ちなみに、「SZ-R」の中古車はほぼすべて600万円以下で購入可能だ。

直6ターボ搭載の「RZ」は15台流通していた。「RZ」は走行距離が1万km以下、「SZ-R」でも1万km以下のものも見つかるし、エアロが多数付いたものも買うことができる。

■スープラ(現行型)|車両本体価格600万円以上
車両本体価格600万円以上の中古車の流通量は74台。グレードはほぼすべて「RZ」になる。

限定カラーとなるマットストームグレーメタリックの物件は、車両本体価格810万~1030万円とかなり高額で取引されている。
 

コンディション別の流通状況(22年5月時点)

スープラ ▲2020年10月にはエンジン出力が14%向上し、最高出力285kW(387ps)になった「RZ」が発売された。写真は特別仕様車の「RZホライズンエディション」

続いて、コンディション別の流通状況を紹介する。走行距離1万km以上か、それ以下で分けた。

スープラはまだデビューから3年経過していないこともあり、全般的に走行距離は少なめ。最も走行距離が多いものでも3.2万kmだった。

■スープラ(現行型)|走行距離1万km以上
走行距離1万km以上の中古車は32台流通。

グレードは「RZ」が19台で価格帯は559.9万~1298万円、「SZ-R」が12台で価格帯は468万~547万円。

1万km以上といっても、どちらもほとんどが走行距離1万km台の低走行物件となっている。

■スープラ(現行型)|走行距離1万km以下
走行距離1万km以下の中古車は74台流通。

グレードは「RZ」が59台で価格帯は577.8万~1590万円。「SZ-R」が12台で価格帯は475万~633万円になる。

■スープラ(現行型)|登録済未使用車
ナンバー登録はしてあるものの未使用で、新車に近いコンディションを保持しているのが登録済未使用車だ。

スープラの登録済未使用車は6台流通していて、「RZ」が4台で価格帯が705万~910万円、「SZ-R」が1台で568万円、「SZ」が1台で473万円だった。

「RZ」、「SZ-R」ともに新車より安い価格で販売されている。

現在、スープラの新車は注文から工場出荷までに5ヵ月程度の時間がかかっている。ボディカラーが自分の欲しいものと一致するなら、新車派の人でも登録済未使用車を検討してみてはいかがだろうか。
 

▼検索条件

トヨタ スープラ(現行型) × 全国

※記事内の情報は2022年5月18日時点のものです。
 

文/高橋満 写真/トヨタ

高橋満(たかはしみつる)

自動車ライター

高橋満(BRIDGE MAN)

求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL