ホンダ S660

世界に誇るマイクロスポーツカーがトップ10にランクイン!

カーセンサー独自のビッグデータから、その年の中古車市場での注目度が高いモデルが選出される「カーセンサ・ーカー・オブ・ザ・イヤー」。その2021年版において、ホンダ S660がベスト10にランクインした。

S660は、言わずと知れた2015年にデビューした軽自動車規格の2シーター・ミッドシップ・オープンピュアスポーツ。世界に誇れるニッポンの至宝ではあるが、前年の2020年にはトップ100にすらランクインしていなかった。


この大躍進はひとえに、2021年3月にホンダから発表された「2022年3月で生産終了」という悲しいお知らせに由来する。

生産終了の発表と同時に、最後の特別仕様車として発売された「モデューロX バージョンZ」はすぐに完売。

カタログモデルも駆け込み需要が高まり、限定600台、加えてオンラインでの抽選50台という追加販売も行われたが、2021年12月時点で、すでに完売している。

表記としては現行型でありながら、もはや中古でしか買えない車なのだ。
 

ホンダ S660

価格の高騰を見込んでいったん店頭からバックヤードに控えられたであろうことなど、様々な要因で流通台数が限られたこともあって、価格は6月には270万円を超えるまでに高騰した。

前述した最後の特別仕様車「モデューロX バージョンZ」は、新車時価格は315万400円に対し、2021年12月現在なんと400万円台後半のプレミア価格が付いている。

カーセンサー・カー・オブ・ザ・イヤー2021のベスト10にランクインの栄誉は、マイクロスポーツカーファンの惜別の涙と、もう手に入れることはできないのではないかという焦りの汗抜きには語れないのである。

では、もう新車では手に入れられないS660を中古で買うなら何を選ぶべきか。次章で詳しく考えてみたい。
 

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ホンダ S660(現行型) × 全国

なるべく出費を抑えたい!
車両本体価格200万円以下×アルファ

2021年12月現在の中古車平均価格は221万円、流通台数は700台ほど。MTとCVTがラインナップされるが、半数強がMTとなっている。

前段で散々プレミア化をあおっておいてなんだが、そもそも新車価格200万円程度と考えると高値安定ではあるものの、車両本体価格200万円以下でも200台近くが流通しているから落ち着いてほしい。

200万円以下に限定すると、MT:CVT比は逆転してCVTが6割以上を占めるのはピュアスポーツらしい特徴だ。ハンドリングがキモだけに、MTにこだわらずCVTでステアリング操作に集中するというのも一興ではないだろうか。

エントリーグレードの「ベータ」よりも上級グレードの「アルファ」の方が流通台数は多く、装備が充実している分価格が上がるというわけでもない。

ただし、冬のオープン走行にありがたいシートヒーターが「アルファ」に装備されたのは2020年1月のマイナーチェンジ以降。

残念ながら、200万円以下にはまず含まれないのでご注意を。
 

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ホンダ S660(現行型) × 車両本体価格200万円以下 × アルファ × 全国

安い方がいい! でも走りも楽しみたい! コモレビエディション

お財布にやさしく、汗くさくないマイクロ2シーターオープンの魅力を存分に味わえる特別仕様車としては、ベーシックグレードのベータをベースとしたシックな特別仕様車「コモレビエディション」。

ブラウントップに、専用のライトタンカラーの明るいシートやインパネがおしゃれだ。

ガチスポーツ勢から敬遠されがちな、CVT仕様のみということもあって、車両本体価格は200万円台前半に収まるものがほとんどだ。
 

ホンダ S660

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ホンダ S660(現行型) × コモレビエディション × 全国

マイクロスポーツカーの醍醐味を味わい尽くす! モデューロX バージョンZ

最後に、「カネさえありゃそうするよ!」というツッコミ覚悟で推させていただきます。

ホンダ純正カスタマイズブランド、モデューロによるオプションのエアロパーツふんだんに組み込まれ、内装もこだわりぬいたコンプリートカーの特別仕様車「モデューロX バージョンZ」。
 

ホンダ S660
ホンダ S660

なにしろ、世界的に見ても唯一無二のマイクロスポーツカーの最後にして最新の"一番いいやつ"だ。

相場は水物ゆえに、いつが買いとは言い難いが、手が届くなら買って大切に楽しんでほしい。

6MTのみだが、免許を限定解除してでも乗る価値がある。

また、2018年5月からラインナップされたバージョンZではない「モデューロX」もある。バージョンZでなければ、プレミア化されずに出てくるお宝物件も見つかる可能性もあるため要チェックだ。
 

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ホンダ S660(現行型) ×モデューロX バージョンZ × 全国

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ホンダ S660(現行型) ×モデューロX × 全国

大事なことなのでもう一度言うが、S660はニッポンの至宝である。

オープン2シーター・ピュアスポーツという性格上、ライフステージの中でも乗れる時期は限られる。

情熱と条件が揃ったなら、ぜひとも至宝のドライバーになる夢を実現させてほしい。
 

ホンダ S660

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ホンダ S660(現行型) × 全国

※記事内の情報は2021年12月14日時点のものです。
 

文/竹井あきら 写真/ホンダ
竹井あきら

ライター

竹井あきら

自動車専門誌『NAVI』編集記者を経て独立。雑誌や広告などの編集・執筆・企画を手がける。プジョー 306カブリオレを手放してから次期愛車を物色しつつ、近年は1馬力(乗馬)に夢中。