スズキ ハスラー ▲軽クロスオーバーSUVとして大ヒット車種となった初代ハスラーは、いまだに高い人気を誇る

現行型にはない魅力で人気の衰えない初代ハスラー

クロスオーバーSUVブームが来ることを見越していたかのように、2014年に登場したハスラー。

実用性の高いトールワゴンタイプのボディをもちながら、余裕の最低地上高をもつ軽のクロスオーバーSUVモデル。登場するや否や、瞬く間に人気車種となりました。

人気の理由は前述したように使い勝手の良さも挙げられますが、なんといっても、そのルックスこそが大ヒットの秘訣だったと言っても過言ではないでしょう。

丸型のヘッドライトを採用し、かわいらしさをもち合わせながらも、バンパーやフェンダーなどをブラックアウトしてSUVらしい精悍さもプラス。そうすることで、老若男女問わず違和感なく乗れる間口の広さを実現しています。
 

スズキ ハスラー ▲ジムニーほど本格的すぎず、ワゴンRほど実用車感もない絶妙なデザインが人気の秘訣

また、鮮やかなブルーやオレンジといったポップなボディカラーを設定することで、所有しているだけで楽しくなってくるアクティブさを感じる点もポイントです。

そんな初代ハスラーはベースとなったワゴンR(5代目)と同じくR06A型の660ccエンジンを搭載。ターボと自然給気が用意され、基本的にはCVTとの組み合わせで、自然給気モデルの一部に5速MTが用意されています。
 

スズキ ハスラー ▲ボディカラーによっては内装パネルがボディ同色となる遊び心もうれしいポイント

駆動方式もワゴンRと同じく、前輪駆動と四輪駆動を設定。

メカニズム的にはワゴンRと共通で、4WDのCVTモデル(Aグレードを除く)には、急な下り坂をブレーキ操作なしで一定速度で下ることができる「ヒルディセントコントロール」と、滑りやすい路面での発進時に力を発揮する「グリップコントロール」が備わっています。

そうすることで、高い最低地上高と相まって高い走破性を実現しているのです。

燃費向上技術としては、AグレードとMT車を除く全車に発電のために燃料を使うことを抑えた「エネチャージ」を搭載。

2015年5月の改良ではエネチャージを「S-エネチャージ」とすることで、マイルドハイブリッド車へと進化し(ターボモデルは同年12月)、より低燃費なものへと進化しました。

2020年1月にはフルモデルチェンジを実施し、現在販売中の2代目へバトンタッチされましたが、やや無骨なデザインとなってしまったため、初代モデルを指名買いするユーザーも少なくありません。

そんなハスラーですが、ここにきて平均価格が100万円を切ってきたようです。
 

初代ハスラーの平均価格と掲載台数の推移は?

スズキ ハスラー

新車当時、ターボの上級グレードだと170万円ほどだったハスラー。それだけに、上記のグラフをご覧いただくと分かるように、現行モデルだった2019年時点では110万円台で推移しています。

が、その後、2020年には100万円台、そして2021年にはついに90万円台と順調に下がってきています。

ただ、2020年に2代目が登場したあとも急激な価格変動がないところを見ると、純粋に年式や走行距離が進んだ分だけ、平均価格が下がっているだけで、初代の人気を物語っていると言えるでしょう。

そして現在、過去最安値を記録しているわけですが、となると、どんなハスラーを狙えばいいのか悩んでしまうところ。

ここからは、オススメなハスラーの選び方をいくつかピックアップしてみましょう。
 

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スズキ ハスラー(初代)×全国

長距離移動にもガンガン使いたい!
ハイブリッド × ターボ × 走行距離2万km以下

愛嬌満点の初代ハスラーだけに、長く愛用したいと考える人は多いハズ。

長く所有するのであれば、燃費は良いに越したことはないですし、動力性能も余裕があった方が疲労軽減にもつながりますね。

ということで、S-エネチャージが採用されたターボモデルにターゲットを絞り、さらに、長く乗ることを考えて低走行の走行距離2万km未満という条件もプラスしてみました。


ヒットしたのは60台ほど。車両本体価格120万円付近のものもありますが、安くても、走行距離2万km以内で絞っているため状態が悪い物件の可能性は低いです。

そもそも、ターボモデルは中間グレード以上のため、装備で不満を覚えることも少ないハズなので、きっと長く付き合える1台が見つかることでしょう。
 

スズキ ハスラー ▲ターボにS-エネチャージが搭載されたタイミングで、安全装備が「デュアルカメラブレーキサポート」に代わったのもポイント

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スズキ ハスラー(初代)×走行距離2万km以下 ×ハイブリッド ×ターボ ×全国

SUVとしてガシガシ走り込みたい!
4WD × MT車×車両本体価格100万円以下

同じくスズキのジムニーほどの走破性は望めなくても、クロスオーバーSUVとしてアクティブに走り回りたいという人には、4WDかつMTという選択肢がオススメ。

残念ながら、ターボエンジンとの組み合わせはありませんが、自分でギアを選択できるMTであれば少々の不利はカバーできます。悪路走行などでは有利に働くケースも多いハズ。

ただ、MTが設定されていたのはロアグレードの「A」と中間グレードの「G」のみ。Aグレードはかなり装備が簡素化されてしまうのが難点なので、できればGグレードから選びたいところです。

ややマニアックな仕様ということもあり、若干高値安定気味ではありますが、じっくり探せば掘り出し物に出合えるかもしれません。
 

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スズキ ジムニー(初代)×Gグレード ×MT ×車両本体価格100万円以下 ×全国

個性の強いハスラーにより個性を
「タフワイルド」

愛着の湧くルックスやツートンカラーを含むポップなボディカラーが特徴的なハスラーですが、より個性的な1台を求めるのであれば、2018年7月にリリースされた特別仕様車「タフワイルド」はいかがでしょうか。

これはルーフだけではなく、Aピラーやリアクオーターパネルまでもブラックとした斬新なツートンカラーが最大の特徴。

メインカラーは専用色のオフブルーメタリックをはじめ5色を設定。内装もオフブルーのインテリアパネルや、ネイビー&ブラウンのコンビシートなど特別感のあるカラーとなっています。
 

スズキ ハスラー ▲「タフワイルド」のボディカラーラインナップ。どれもインパクト大なツートンカラーとなっている

執筆時点では30台の物件がヒットし、中には新車価格に近い物件もあります。走行3万km台で車両本体価格110万円台の物件もあるので、気になる方は早めにチェックしてみてはいかがでしょうか。

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スズキ ハスラー(初代) ×タフワイルド ×全国

新型が登場してからも根強い人気を誇る初代ハスラー。

当然ながら新車で購入することはできませんが、今ならまだ新車にほど近い状態の物件も残っています。手ごろな価格で狙いたい人だけではなく、状態の良いものを探している人も、今のうちに行動に移しておいた方が良さそうですよ。
 

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スズキ ハスラー(初代)×全国
文/小鮒康一、写真/スズキ
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。