編集長 ▲人気自動車雑誌の編集長たちが集合! リモートでの座談会を実施した

車好きの車好きによる車好きのための特集

6月20日発売のカーセンサー8月号では「クルマは、買うまでが楽しい!」と題し、あんな人、こんな人の「お気に入り」を大公開する特集を展開しています。

ここでは、カーセンサー編集長・西村と、有名自動車雑誌の編集長3名がそれぞれの「お気に入り」を持ち寄り、行った座談会の模様を、紙幅の都合で本誌には収録しきれなかった部分を含めて公開します!
 

編集長 ▲車好きならどれもお馴染みの表紙だろう

編集のプロたちのお気に入りリストを拝見!

カーセンサー西村(以下、西村): 皆さん、眺めてるだけでも面白いという絶妙なお気に入りリストを作ってくれたわけですが、これ、どういう考え方に基づいて選出したんですか?(リストは本記事下部に掲載)

ベストカー飯干編集長(以下、飯干さん):私の場合は「もういつでも買っちゃうぞリスト!」という感じでしょうか。かなり現実的なラインナップです。

Tipo佐藤編集長(以下、佐藤さん):僕のは、端的に言うなら「乗れば(自分が)幸せになれる車リスト」ですね。

CARトップ加藤編集長(以下、加藤さん):僕のやつは「ちょっとニッチだけど愛すべき日産車リスト」ですね!

西村:ちょっとニッチな愛すべき日産車(笑)! わかるようなわからないような感じですが、まぁ気にせず次の議題に行きましょう。それぞれの車種を選んだ理由と、その中でも皆さんのイチオシを教えてください。じゃ、まずはベストカーの飯干編集長から。
 

編集長 ▲ふと「あの車どうなってるかな?」と思い立って、中古車検索しちゃうというベストカー飯干さん


飯干さん:私ね、オープンカーって昔から常に憧れてはいるんですが、実は買ったことがないんですよ。なので、やっぱり欲しいなぁ、憧れるなぁ…… という意味で、リストの半分はオープンカーにしました。で、残る半分は自分にとっての“超リアル”ですね。この車種のこのぐらいの値段なら、たぶんギリギリ買えるだろ…… というね。

で、そういったリアル系の車種については走行距離がなるべく短いやつ、それこそ登録済未使用車ぐらいのやつを買いたいと思ってます。車種で言うと、現行型のメルセデス・ベンツ Cクラスと、同じく現行型のルノー メガーヌが、とりあえずはいちばん欲しいかな。
 

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佐藤さん:僕の場合、個人的にはMTの小さな車が大好きなんですが、輸入車か国産車かには特にこだわってません。今回のリストに入れたのは「価格がこなれてきたモノ」と、「一度は乗っておきたい」と思う車ですね。あとは「ちょっとひねりのある個体」でしょうか。例えばボディカラーが赤ではないアルファロメオ ジュリアとか。
 

加藤さん:僕はですね…… 例えば初代の日産 セレナって、昔のミニバンのくせに、リアになぜかマルチリンクサスペンションを採用してるんですよ。901運動(編注:1980年代に日産自動車が『1990年代までに技術の世界一を目指す』とした社内運動)の波は、実はセレナにも及んでたんですよ! 今となっては誰も興味ないと思いますが(笑)!
 

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加藤さん:あとは最終型のグロリアにも、トロイダルCVTっていう、ものすごくお金のかかった、省燃費が実現できる「理想のトランスミッション」っていう触れ込みのモノが使われていたんです。でも「そんなミッションをなんで3Lターボという、いかにも燃費悪そうな車に組み合わせるんだよ!」みたいなトンチンカンな部分が(笑)昔の日産の可愛らしいところで、そこがまた途方もなく愛おしいんですよ!
 

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加藤さん:まぁ今実際にトロイダルCVTのグロリアを買ったらメンテナンスの面で大変なことにもなりそうなので、僕のリストの中で本当に買うとしたらエルグランドかサファリの後期型、あるいはマイクラC+Cあたりになるとは思いますけどね。
 

ラーメンの味を足していく感じの検索術

西村:中古車って、同じ車種でも状態や条件の異なる個体が星の数ほどあるわけですが、その中から皆さんはどうやって“ひとつの個体”にまで絞り込んでいますか?

佐藤さん:僕のやり方は、欲しい車種の全物件をまずは一度安い順からズラッと並べて、「最低価格」と「だいたいの相場感」を把握します。で、なんとなくのアタリを付けたうえで距離やボディカラーなどの「自分が欲しい条件」をちょっとずつ足してながら、改めて検索するんです。

言うなれば、ラーメン屋さんで基本のラーメンをまずは注文して、出てきたら、そこにコショウをちょっと足してみて、ニンニクも入れてみて…… って感じでしょうか。で、入れすぎたなと思ったらちょっと引くみたいな。つまり、例えば「走行距離5万km以下」としていた条件を、「6万km以下」にまで条件を甘くしてみたり。
 

編集長 ▲Tipoでは絶版になったモデルもよく扱うので、参考にカーセンサーをよく見ているという佐藤さん


飯干さん:なるほど、それはいいやり方かもしれませんね。私は、新しめのモデルの場合は「走行距離重視」ですね。短かければ短いほど好ましい。古めな世代の場合は、とりあえず「走行10万km以下」を絶対条件にしつつ、あとは車種に応じて安さを重視するか、距離の短さを重視するか、臨機応変に対応してます。

加藤さん:先ほどは自動車変態というか日産車マニアとしていろいろ申し上げましたが(笑)、いざ本当に買うとなれば、けっこう常識的に選んじゃいます。中古車はアフターケアをちゃんとしてくれるお店で買いたいので、カーセンサーnetの口コミとかはしっかり調べますね。やっぱり中古車選びは店選びですから…… って、なんか普通のコメントですみません!
 

お気に入りリストを見せあうって楽しい!

西村:や、無理に笑えるコメントをしていただく必要もないので(笑)。それは別にいいんですが、他の方々のリストを見て「うわ、これはヤラれた! オレもこれ欲しい!」みたいに思ったモノってありました?

加藤さん:佐藤さんのリストにあるアストンマーティン V8は「意外と安いな!」って思いましたね。僕は過去に超激安な某英国車(編注:英国の硬派なスポーツカー)を買ってひどい目にあったんですが、それでも懲りずに格安アストンにまた惹かれてしまうというのは、車好きの悲しい性としか言いようがありませんね……。
 

編集長 ▲大混乱な様子のCARトップ加藤さん。ほとんどが在庫わずかの希少モデルなのに悩みすぎ(笑)!


飯干さん:私はね、加藤さんが挙げた日産 サファリの後期型に「おおっ、こうきたか!」と思いましたね。走行2.7万kmで車両214.5万円っていうところが抜群にいいですよ。よくぞコレを見つけたな! というか。

加藤さん:サファリの後期型って、「こう見えて直6エンジン搭載」という知られざる名車なんですよ、とはいえ僕も、実はつい最近までコレの存在を知らなかったのですが(笑)。
 

編集長

飯干さん:あと佐藤さんが挙げてるプジョー RCZ Rもイイですね。このカッコいい車が265万円ならステキですよ。新車価格の540万円だと最初から「無理だな……」とか思っちゃいますが、中古車になって値段がこなれてくると、縁遠かったはずの車も途端に「現実的な選択肢」と感じられてきますよね。
 

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佐藤さん:飯干さんが挙げてるシボレー コルベットは、実は僕もリストに入れようと思ってました。大味なんだけど、そこが逆にアメリカンな感じでステキだと思ってます。あとは加藤さんが挙げてらっしゃる懐かしの日産車もいいですよねぇ……。とにかくシブい。実際に買うかどうかはまた別ですが(笑)。
 

編集長


加藤さん:しかしアルファロメオのジュリアってすっごく安いんですね! 中古だとこんなに安くなるんだ?

佐藤さん:中古のジュリアは今、めちゃめちゃ安いんですよ。なんかね、もう新車を一生懸命売ってるディーラーの人たちがかわいそうになるぐらい安い(笑)。こんなこと言って申し訳ないとは思いますが、アルファロメオ ジュリアは新車で買ってはいけない車ですね。中古で買うに限ります!

加藤さん:この内外装の色味がまたいいじゃないですか。シブいグレーメタリックにタンレザーのインテリアという。

佐藤さん:ですね。あえて「そのブランドの定番カラーじゃないやつ」を選ぶのはシブいと思います。ちょっと前まで、このお店にはちょっと変わった金色の安~いジュリアがあったんですが、売れちゃいましたね。
 

編集長


飯干さん:この「お気に入りリストを見せ合う」っていうの、けっこう楽しいですね。

西村:ですね。自分ひとりでは絶対にできない「新たな発見」があるというか。

飯干さん:この加藤さんの日産 スカイラインクーペの54.8万円って何? こんなカッコいい車がこの値段で買えちゃうなんて、まさに夢のような話じゃないですか! まぁ加藤さんが挙げてる「日産 ローレルスピリット 38万円」ってのは、逆に「意外と高いな……」と思いましたが(笑)。
 

編集長


西村:これ、それぞれのお気入りリストを肴にいくらでも話ができちゃいそうですね。続きはまた今度、居酒屋とかでやりましょう!

飯干さん・加藤さん・佐藤さん:いいですね~。やりましょう!
 

 
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文/伊達軍曹、写真/日刊カーセンサー
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。