日産 マイクラC+C ▲今回紹介するのはこちらのコンパクトオープンカー。価格も安くなってきているので、これからの季節にいかがですか?

これからの季節にピッタリのオープンカー

暑いというよりも痛い、と言っても過言ではないほどの熱線が降り注ぐ本格的な夏も終わりを迎え、朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきた秋の入り口は、絶好のドライブ向きの季節と言えるのではないでしょうか。

そしてドライブといえば、一度は味わってみたいのは「オープンカーでのドライブ」でしょう(断言)!

しかし、オープンカーといってもキャラクターは様々。マツダ ロードスターやホンダ S2000のようなスポーツ走行も可能なオープンモデルも存在しますが、もう少しのんびりとオープンエアモータリングを楽しみたいという人もいらっしゃることでしょう。

できれば輸入車のオシャレなオープンコンパクトカーをさらっと乗りこなしてみたい……そう思いながらも、輸入車だと万が一のトラブルのときに近所にお願いできそうな修理工場もない、という理由で二の足を踏んでいる人もいらっしゃるかもしれません。

そんなあなたにぜひオススメしたいのが、イギリス生まれの日本車であるこちらのモデルなのです!

イギリス生まれの小さなオープンカー
日産 マイクラ C+C

日産 マイクラC+C ▲マイクラC+C(シープラスシー)は、英国日産が開発から生産まで行うマイクラ(日本名マーチ)ベースのオープンモデルです


今回紹介するのは日産 マイクラC+Cです。

先代型のK12型マーチの海外仕様であるマイクラをベースとしたオープンモデルで、電動ハードトップを備えており、クーペ(Coupe)とコンバーチブル(Convertible)を同時に楽しめることからC+Cという名前が付けられています。

マイクラという名前でも分かるように、この車両はイギリスで生産されたものを日本に輸入したモデルであり、全体的な雰囲気は日本仕様のマーチと同じながら、細部が微妙に異なるもの。

例えば、右ハンドル圏のイギリス仕様ですから当然ハンドル位置は右ですが、ウインカーレバーが左側、ワイパーが右側となっていて“輸入車”を感じることもできる車両となっているのです。

マーチは初代にキャンバストップ、2代目にカブリオレと、ルーフを開けることができるモデルが存在し続けていましたが、その集大成として生まれたのがこのマイクラC+Cと言えるでしょう。

フォルクスワーゲン カルマンギアなどでも知られる、ドイツの老舗コーチビルダーであるカルマン社と共同開発した電動ルーフは、コンソール部分に備わるスイッチひとつで開閉が可能でロック解除の手間などは不要な手軽なもの。開閉時間はおよそ22秒と信号待ちの間に余裕で開閉できるようになっています。

さらにルーフ部分はガラスルーフとなっており、ルーフを閉めている状態でも光を取り込むことができるようになっているのもうれしいポイント。もちろんシェード付きなので、強い日差しはカットすることも可能です。

また、かなりミニマムになりますが、いざというときに+2名乗れる後部座席があるというのも見逃せないポイントでしょう。明らかに普段使いするには不向きなサイズとはいえ、緊急事態のときに4人乗れるというのは2シーター車にはない余裕と言えますね。

Photo:日産
Photo:日産
日産 マイクラC+C ▲電動ルーフはわずか22秒ほどで開閉します。急な天候の変化があっても安心でしょう
日産 マイクラC+C ▲ガラスルーフを採用しており、ルーフクローズ時でも開放感があります

限定1500台のモデルのため、中古車流通台数は少なめ

エンジンは日本仕様とは異なり、K12型マーチ最大排気量となる1.6Lのガソリンエンジンが搭載されており、オープン化によってかさんだ重量を考慮しても十分なパワーとトルクを持ち合わせています。

組み合わされるミッションもイージードライブの4速ATの他、キビキビとした走りが楽しめる5速MTが用意されていた点も見逃せません。

そんな魅力満載のマイクラC+Cですが、新車のときはそこまでの人気車種ではありませんでした。

というのも、1500台限定で販売スタートしたはいいものの、価格が249.9万円とマーチとしては高額だったのです(だからあえてマイクラ名義で販売したのかもしれませんが……)。

しかし、今となっては非常に手ごろな価格となっており、安いものでは総額30万円台から狙うことができてしまいます。

距離が少ない個体でも総額100万円以内で探すことも可能ということを考えると、「新車で買ってくれた人ありがとう!」と思わず叫びたくなってしまいます。

掲載台数は執筆時点(2019年9月5日)で37台と、限定1500台という台数から見るとやや少なめですが、裏を返せば代わりになるような車種がないため、今でも大切に維持し続けているオーナーが多いということなのかもしれません。

日産 マイクラC+C ▲搭載されるのはマーチよりもパワフルなHR16型1.6Lガソリンエンジンは最高出力110psを発揮。オープン化でかさんだ重量をカバーできるパワフルさです


そんなマイクラC+Cを購入前にチェックしておきたいのは、ルーフの作動状態と雨漏りの有無。特に電動ルーフがヘタってくると開閉スピードが落ちてくるようなので、新車時の「約22秒」を念頭に置いて確認してみるといいでしょう。

今から探し始めれば、きっと紅葉の時期にオープンドライブを楽しむことができますよ!

文/小鮒康一(フナタン)、写真/日産

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日産 マイクラC+C(初代)×全国
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。