トヨタ ハイエースバン(5代目)と日産 NV350キャラバン(初代)を徹底比較!
2019/07/26

オーナーたちの間では周知のことですが、これまではハイエースバンの独り勝ちが長らく続いていました。とりわけ、2004年に登場した5代目となる現行ハイエースバンから、この傾向は顕著に。ところが、2012年にキャラバンがNV350キャラバンとして生まれ変わったのを境に、その勢力図に変化が見られるようになってきたのです。
「ハイエースバン一択」から「ハイエースバンそれともNV350キャラバン?」へ。では、このライバルたちの違いはどこにあるのか。5代目ハイエースバンと初代NV350キャラバンを、あらためて比べてみましょう。
【概要】商用・小型貨物車に特化した設計は共通
ハイエースバンとNV350キャラバンに共通するのは、商用車・貨物車としての「造り」です。乗用車ではあまり採用されない、ラダーフレームというハシゴ状の骨格をもち、その上に荷室容量を最大限に確保する四角いボディを備えています。エンジンも荷室を広げるためにほぼ前端に搭載し、前席シートをエンジンの上に配置。こういった構造の車はキャブオーバー型と呼ばれます。
荷室の広さだけでなく、タフさも両車共通の特徴です。代表的なグレードの積載重量は1000kgですが、フル積載してもヘコたれないラダーフレームに加え、ダイレクトに荷重を担う後輪のサスペンションには頑丈なリーフスプリング式が採用されています。これは板バネとも呼ばれ、重い物を積んでもサスペンションが沈みにくい(ボディが低くなりにくい)といったメリットもあります。
リアドアはスライド式(片側スライド、両側スライドの設定があります)で、リアゲートは跳ね上げ式です。床が低くて天井が高い両車ですから、ゲートも大きく、荷物が出し入れしやすくなっています。反面、バックドアのサイズが大きいため、後方にスペースのない駐車場では開けるのに苦労することも。
もっと言えば「キャブオーバー型は運転席シートの座面位置が高くて乗り降りしづらい」「リーフスプリング式は空荷では乗り味が硬く感じられる」「商用車ゆえに遮音は控えめで静粛性が低い」といったデメリットも、両車に共通しています。
実際、日常生活に際しては一般的な乗用車と比べて快適さには欠けます。しかし「荷室が巨大で3mのサーフボードも車内に収まる」「床が低いのでオートバイの積み降ろしが容易」「車中泊のためのキャンピングキットなどを設置しやすい」といった強みから、ホビーユーザーには大好評。商用・小型貨物車に特化した設計こそ、ハイエースバンとNV350キャラバンの魅力なのです。
ちなみに、トヨタにはハイエースバンの他にレジアスエースバンがありますが、両車は販売チャンネルの異なるだけの同一モデルです。ハイエースバンはトヨペット系列、レジアスエースはネッツ系列で販売されています。

【バリエーション】 多彩だが狙うべきグレードは明確
ハイエースバンとNV350キャラバンの主なユーザーは、業務で使う法人や店舗、現場へ機材&資材を運ぶ職人さんたちです。当然ながら用途は多彩。それゆえ両車ともにバリエーションは極めて多く、選ぶのに迷うを通り越し、もはや混乱するレベルです。この混乱を避けるため、バリエーションを整理しましょう。
ホビーユーザーに人気なのは「4ナンバー登録となる小型貨物車」です。4ナンバーに該当するのは、エンジンの排気量が2L以下(ガソリン、ディーゼルは上限なし)で、ボディサイズが長さ4.7m以内、幅1.7m以内、高さ2m以内の車。普通免許で運転できます。
ハイエースバン、NV350キャラバン両モデルは、他にも1ナンバー登録の貨物車(より大きく重いものを積みたいユーザー向け)や、乗用車登録となる10人乗りワゴン(例えば小さな旅館の送迎バス、キャンパーのベース車両)、14人乗りマイクロバス(撮影のロケ車にも使われる、要中型免許)などがあります。もし想定する用途が、こういったモデルの方が適しているなら検討の余地もありますが、あくまで4ナンバー小型貨物車以外は「業務用」と考えるのが一般的です。
以上をふまえ、それぞれのモデルで狙うべきグレードは下記のとおりです。
ハイエースバンの4ナンバー小型貨物車は「ロングボディ・標準ボディ・標準ルーフ」と呼ばれるもの。このうち、狙うべきグレードは上位から「スーパーGL」「DX(“GLパッケージ”」「DX」の3つです。中でも、ホビーユーザーに向けて乗用車に近い装備になっているのがスーパーGL。例えば、後部座席のクッションが厚かったり、外装パーツがメッキ処理されていたりします。ファミリーカーとして使うこともあるなら、スーパーGLの一択でしょう。
対して、下位となるDXは内装も簡素。車を道具としてガンガン使いたい人向けです。例えば「モトクロッサー(競技用バイク)などを泥が付いたまま積みたい」といった場合には使いやすいと思います。ちなみに、5MTが選べるのはこのDXだけです。
その中間にあるDX“GLパッケージ”は厳密にはグレードではなく、DXをスーパーGLのようなエクスリアにしたパッケージオプション車です。「装備は簡素なDXで十分だけど個人で乗るにはルックスが……」という人には“GLパッケージ”がオススメです。
いずれにも、エンジンは2Lガソリンと2.8Lディーゼル(デビュー時は2.5L、2007年に3L、2017年から2.8L)を設定。ただ4WDだけはディーゼルエンジンとの組み合わせになります。
また、ハイエースバンは登場してからすでに15年以上経つので、フェイスリフトを含め数々の改良と変更が施されています。中古車を選ぶときに、とりわけ以下がポイントになります。
2012年4月 盗難防止のためにエンジンイモビライザー装備
2014年12月 ガソリン車のATが4速から6速に変更
2017年12月 衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」標準装備。ディーゼル車もATが6速に変更
ATの4速と6速の違いは大きく、滑らかな走行フィーリングを求める方は6速AT車を選びましょう。また、ハイエースは盗難のターゲットにされやすいので、イモビライザーは最低限必要な装備です。

NV350キャラバンの4ナンバー小型貨物車は「ロングボディ・標準幅・標準ルーフ」。狙うべきグレードは上位から「プレミアムGX」「VX」「DX」の3グレードです。
プレミアムGXはハイエースバンのスーパーGLに相当し、DXは名前どおりにハイエースバンのDXに当たります。VXは、ハイエースバンにない立ち位置のグレードです。2017年7月に追加されたVXは、プレミアムGXと同様にホビーユーザー向けの装備ですが、プレミアムGXよりは装備が簡略化されています。例えば、プレミアムGXのエアコンはオートエアコンですが、VXはマニュアルエアコンとなっています。
ハイエースバンのDX“GLパッケージ”に相当するのは、DXのオプションパッケージであるEXパッケージ装着車です。このわかりやすい構図は「一強だったハイエースバンにNV350キャラバンが寄せた」結果と言えるでしょう。
加えて、NV350キャラバンでは専用デザインのフロントグリルなどをもつ「ライダー」があります。これはプレミアムGXとDXをベースに架装した、いわばメーカー純正のカスタムカー。プレミアムGXベースではLEDヘッドランプや防水シートなどが採用され、さらに装備が充実した「プロ・スタイル・パッケージ」も選べます。
こうしてみるとNV350キャラバンのラインナップはハイエースバンに寄せただけではなく、パーソナルユーザーをより意識したバリエーションとなっています。
なお、エンジンは2Lガソリンと2.5Lデーゼルを設定。4WDはハイエースバン同様、ディーゼルとの組み合わせとなります。

【ボディサイズ】実質的な優劣はなし
ハイエースバンとNV350キャラバンはボディの形状とサイズがほぼ同じです。ボディという「殻」が同じなので、殻の中も、つまり荷室の広さもほぼ同じです。荷室の広さはキャブオーバータイプの命。両車一歩も譲らないのです。ボディサイズと荷室の広さからハイエースバンか、NV350キャラバンか、という選択に決着を付けるのは難しいのが実情です。言い換えれば、どちらも選んでも間違いありません。ただし、細かい違いはあるので、おさらいしておきましょう。
まずはボディサイズ。現行モデルの4ナンバー登録車で比べてみると、ハイエースバンの全長は4695mm×全幅1695mm×全高1980mm(一部DXの全高は1985mm)です。小型貨物の枠をほぼ使い切っています。
一方、NV350キャラバンのボディサイズは全長4695mm×全幅1695mm×全高1990mmです。全高についていえば、ハイエースバンより10mm高くなっていますが、無視して問題ありません。
荷室の広さも比べてみましょう。同じく現行モデルの4ナンバー登録車で見てみると、ハイエースバンが荷室長3000mm(最大)×荷室幅1520mm×荷室高1320mm。DXの一部仕様はシート配置の関係から荷室長は2435mmになりますが、荷室高は1335mm、荷室幅が1545mmと簡略化されたことによって、幅と高さがわずかながら拡張されています。

対するNV350キャラバンは荷室長3050mm(最大)×荷室幅1520mm×荷室高1325mmです。後発としてハイエースバンを研究しつくして開発されていることもあり、NV350キャラバンは荷室長がハイエースバンのプレミアムGXより50mm長く、同じく荷室高が5mm高くなっています。
ただし、ハイエースバンの一部DXと比べると、荷室高が10mm低く、荷室幅が25mm狭くなります。これらの違いを生んでいるのは荷室の内装パネルを工夫するなど、爪に火をともすような努力によるものです。もちろん、わずか10mmの違いであっても、積める、積めないの分かれ目になる可能性があるので軽視はできませんが、ホビーユースでは無視できるレベルです。
無視できないのは、NV350キャラバンのプレミアムGXに関しては、リアシートが左右2分割の可倒式になっていること。長い荷物を積んでも、リアシートの左右いずれかを倒せば、リアシートに人が乗れるスペースが残ります。ハイエースバンのスーパーGLもリアシートは可倒式ですが、左右分割ではない一体型です。長尺物を積んでも後席に人が載せられる実用性ではNV350キャラバンにアドバンテージがあります。
ちなみに、1ナンバー登録車の最大モデルでボディサイズを比べてみると、ハイエースバン 全長5380mm×全幅1880mm×全高2285mm。NV350キャラバンが全長5230mm×全幅1880mm×全高2285mmと、幅も高さも同じですが長さのみハイエースバンの方が大柄になっています。

【外装】ディテールの違いが印象を決定づける
エクステリアで重要なのは、ハイエースバンとNV350キャラバンの比較ではなく、それぞれのグレードによる違いに着目することです。
ハイエースバンの上位グレードであるスーパーGLと、下位グレードのDX。その外装の大きな違いはメッキ処理されているか否か、塗装されているか否かです。具体的に、スーパーGLはフロントグリル、外側のドアハンドル(フロント・スライドドア)、バックドアガーニッシュがメッキ処理され、リアエンブレムもメッキです。対して、DXのフロントグリルはシルバー塗装で、その他は無塗装。バンパーも無塗装で商用車然としています。
中間のDX“GLパッケージ”はバンパーがスーパーGLと同様にボディ同色で、フロントグリルやバックドアガーニッシュもメッキ処理となります。同じDXでも見栄えがまったく異なります。あえて商用車然としたモデルが欲しい人以外は、素のDXではなくDX“GLパッケージ”がオススメです。
グレードによるエクステリアの違いは、NV350キャラバンにも当てはまります。プレミアムGXはボディと同色のバンパーやメッキグリルなど、一見して商用車に見えない仕様になっています。ドアハンドルもボディと同色なのはプレミアムGXだけ。VXのエクステリアはドアハンドル以外はプレミアムGXと同じです。
下位グレードのDXはバンパーが無塗装で、グリルもシルバー塗装。これにEXパッケージが装着されると、グリルやバックドアフィニッシャーなどがメッキになり、前後バンパーがボディ同色となります。このあたりもハイエースの“GLパッケージ”にならっています。オススメのグレードもハイエースバンと同様、DXのEXパッケージ装着車以上です。
また、ハイエースバンとNV350キャラバンともにLEDヘッドランプは、メーカーオプションです。フロントマスクを見たとき、通常のハロゲンヘッドランプとはヘッドライトランプユニットのデザインの違うため、「目ヂカラ」が違って見えます。エクステリアの印象が変わるポイントなので装着か、非装着かはチェックポイントでしょう。
また、中古車で狙う場合は、マイナーチェンジによるルックスの変更にも注目。ハイエースバンは3度、NV350キャラバンは1度、フロントフェイスなどが大きく手直しされています。変更されたマイナーチェンジは次のどおりです。この前後でモデルを比較してみると良いでしょう。






【内装】シートがモデル選びの鍵になる
ハイエースバン、NV350キャラバンともに「シートの見立て」が購入後の満足度にダイレクトに影響します。これは両車の優劣ではなく、共通の話です。
まずはフロントシートから。前述のとおり、エンジンの直上に前席があるので、フロントシートの座面が薄め。デリバリーバンなど一日中走るドライバーから大きな不満は聞こえてこないので我慢できないわけではありませんが、乗用車から乗り替えた場合は「もう少し座面が厚ければ座り心地がいいのに……」と感じかもしれません。
気をつけたいのは、両車のDXやNV350キャラバンのVXに用意される6名乗り仕様のシートです。前列3名、後列3名のレイアウトなのですが、前列の中央は運転席と助手席より座面がさらに薄く、エマージェンシーシートと捉えるのが正解。常用では5名と考えましょう。
また、グレードによって3名が乗車できる後列も「造り」が異なります。ハイエースバンのスーパーGL、NV350キャラバンのプレミアムGXとVXのシートは、乗用車に近い座り心地。シートクッションが厚く、同乗者から不満が出ることもほとんどないでしょう。一方、DX系のシートは座面も背もたれも極めて薄く、長距離移動はもちろん、常用に適していません。
ただ、DX系のシートにもメリットはあります。シートが薄いのでコンパクトに折りたたむことができ、荷室を広く使えるのです。荷室の利用にこだわるのであれば、むしろDX系が好都合です。
ちなみにDX系では、前席しかない3名乗車仕様、2列シートの6名乗車仕様、3列シートの9名乗車仕様が存在します。とりわけ9名乗車仕様は足元が狭いので、額面どおりの乗車定員で常用するのは相応の我慢が必要です。

そして、エンジンが前席の下層にあるため、両車とも前席と後席の間はウオークスルーになっていません。後席からだと運転席がやや見上げたところにあり、前方の見通しも良くありません。このあたりに違和感を感じる人は、ミニバンも検討すべきでしょう。
運転席の座面や後席の雰囲気は、試乗しなくても座るだけで理解できます。必ず前後席ともに試座しましょう。これはハイエースバン、NV350キャラバンともに言えることです。


【装備】商用車ながら最新モデルでは先進の安全装備
ハイエースバンにもNV350キャラバンにも、時代にマッチした安全機能が備わるようになりました。小型貨物車とはいえ、乗用するのに安全性を重視される方も少なくないはず。両車ともマイナーチェンジで安全装備が追加されているので、中古車を選ぶ場合は選択肢が絞られます。ただ設定されたタイミングはそれぞれハッキリしているので、参考にしてください。
ハイエースバンは2017年12月のマイナーチェンジから「トヨタセーフティセンス(衝突回避支援パッケージ)」を標準装備としています。プリクラッシュセーフティやレーンデパーチャーアラート、オートマチックハイビームなどで構成されるシステムで、車や歩行者などを認識して安全運転の手助けをしてくれます。
プリクラッシュセーフティは、前方の危険をシステムがいち早く察知してブレーキ操作をサポート。レーンデパーチャーアラートは、ドライバーがウインカーを操作せずに車線をはみ出すとブザーとディスプレイ表示で警告してくれます。オートマチックハイビームはヘッドランプのハイビームとロービームを自動的に切り替えて、夜間の歩行者などの早期発見に役立ちます。雨時など悪天候下でも安心できる装備です。
NV350キャラバンはエマージェンシーブレーキやVDC、ヒルスタートアシストを含む「エマージェンシーブレーキパッケージ」を2016年2月から設定。これは2WDのAT車のみでしたが、2017年7月からは全車に標準装備となりました。
エマージェンシーブレーキは、ミリ波レーダーで前方の車両を検知し、衝突の可能性が高まるとメーター内の警告灯やブザーで危険回避を促す機能。ブレーキ操作が遅れて衝突回避が困難なときは、ブレーキを自動的に作動させます。また、2017年7月からインテリジェント アラウンドビューモニターも設定。自車を上空から見下ろしているかのような映像をルームミラーに映し出されます。運転席からは直接確認しにくい左前方や後方の状況がひと目で分かるため、安全でスムーズな駐車を可能にしてくれます。

【エンジン】ガソリンかディーゼルかを選択
2Lのガソリンエンジン(2015年1月に性能が改善)と、発売当初の2.5Lから始まり現在は2.8Lとなったディーゼルエンジンがあります。いずれの世代もパワーとトルクでディーゼルエンジンに軍配が上がります。一方、ガソリンエンジンは静粛性で一枚上手です。バイクなど重い荷物を積むのならディーゼルがオススメですが、長尺だけれども重量は大したことのないロングボードなどを積むのならガソリンでも必要十分。パワーウエイトレシオ(空荷)から言えば、コンパクトなリッターカー並みの加速はあります。
燃費は時期によって違いますが、現行モデルでは2Lガソリン車がJC08モードで10.2~11.4km/L。2.7Lガソリン車が9.1~9.9km/L、2.8Lディーゼル車が9.1~13km/Lとなっています(ともに1ナンバー車含む)。また、測定が違うので比較にはなりませんが、デビューから2007年7月まで搭載されていた2.5Lディーゼル車は60km/h定地走行燃費で15.2~18.8km/Lでした。数字上では2.5Lディーゼルの方が低燃費に見えますが、現行の2.8Lディーゼル車が最もエコとなります。
総排気量:1998cc
最高出力:100kW(136ps)/5600rpm
最大トルク:182N・m(18.6kgm)/4000rpm
総排気量:2693cc
最高出力:118kW(160ps)/5200rpm
最大トルク:243N・m(24.8kgm)/4000rpm
総排気量:2464cc
最高出力:80kW(109ps)/3400rpm
最大トルク:260N・m(26.5kgm)/2600rpm
総排気量:2754cc
最高出力:111kW(151ps)/3600rpm
最大トルク:300N・m(30.6kgm)/1000~3400rpm
2Lのガソリンエンジンに加え、2.5Lのディーゼルエンジンがラインナップ。いずれもATは5速です。ディーゼルは高速走行時でもエンジン回転数が低くて済むため、エンジン音を低減して燃費も向上。さらに発進から高速加速までスムーズでレスポンスの良い加速を見せてくれます。ガソリンエンジンはフル積載した登坂路ではモタつきますが、実用性ではやはり十分です。
現行モデルの燃費は2Lガソリン車がJC08モードで9.8~10.4km/L。2.5Lガソリンが8~9.1km/Lで、2Lディーゼル車が11~13.2km/L(1ナンバー含む)。やはりディーゼルエンジンが最も低燃費となっています。
総排気量:1988cc
最高出力:96kW(130ps)/5600rpm
最大トルク:178N・m(18.1kgm)/4400rpm
総排気量:2488cc
最高出力:108kW(147ps)/5600rpm
最大トルク:213N・m(21.7kgm)/4400rpm
総排気量:2488cc
最高出力:95kW(129ps)/3200rpm
最大トルク:356N・m(36.3kgm)/1400~2000rpm

【乗り心地】バンとしての実力は十分
ハイエースバン、NV350キャラバンに共通するのは、ミニバンなどの乗用車に比べると走りが重くて、乗り心地が硬く、室内の静けさに劣ります。重いのは、乗用車とは桁違いの走行距離を前提にした頑丈なシャシーなどが理由。硬いのは、大きな積載量を許容するサスペンションを備えているからです。静けさに劣るのは、エンジンが運転席の真下にあるため、とりわけエンジン回転が吹け上がったとき、車内へ音が伝わってしまいます。
ただし、ホビーユーザーにターゲットを定めたハイエースバンのスーパーGLや、NV350キャラバンのプレミアムGX、VXなどは、サスペンションの設定が柔らかく、DX系などに比べると快適です。これらのグレードは遮音対策も重視されています。少しでも乗用車ライクなドライブを期待するのであれば、こういったグレードを選ぶことをオススメします。
【中古車】ハイエース人気を示す選択肢の多さ
ハイエースバンとNV350キャラバンをカーセンサーで検索すると、ハイエースバンは約3100台、NV350キャラバンは約1050台でした(2019年7月14日現在)。ハイエースバンの掲載台数はNV350キャラバンの3倍と、圧倒的に選択肢が多くなっています。
それぞれ価格を見てみると、ハイエースバンの平均価格は約231.6万円。価格帯は39万~883.2万円です。NV350キャラバンの平均価は約231.2万円で、価格帯は58.8万~679万円です。新車時価格より高い中古車がありますが、これは架装やカスタマイズが施されている車両です。
全体の平均価格を見るとNV350キャラバンが割高な印象ですが、先進安全装備が標準化されたモデルで比べると、ハイエースバンは2017年12月以降の物件で平均価格が約360.8万円。NV350キャラバンは2017年7月以降の物件で約252.2万円となっています。ハイエースよりもだいぶ手が届きやすいので、予算を抑えつつ安全装備を重視したい人はNV350キャラバンから検索すると良いでしょう。
また、両車ともに業務用としてタフな環境で使われてきた物件が多く存在します。それらはかなり多走行ですが、一般的な乗用車とは違って走行距離が延びることを前提に設計されているので、予算と天秤にかけて積極的に選ぶのもアリです。ディーラーの指定どおり整備されているなら、10万kmなどまだまだ序の口です。
逆に、ハイエースバンのスーパーGLや、NV350キャラバンのプレミアムGXやVXは、乗用車と同じように利用されていた物件も少なくありません。結果、内外装やエンジンの程度が良い中古車も豊富にあります。迷ったら、こういった上位グレードから物色するのをオススメします。現状ではリセールバリューも期待できるので、失敗の少ない選択肢となるでしょう。
▼検索条件
トヨタ ハイエースバン(5代目) × 日産 NV350キャラバン(初代) × 修復歴なしこの記事で紹介している物件
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