第10回:納車直後の事故は一体誰の責任?
カテゴリー: 購入後のトラブル
タグ:
2007/06/12
Q.納車直後に事故発生!!
販売店の整備不良を追求できる?
納車されて自宅へ帰る途中に事故を起こしてしまいました。原因はブレーキ。思ったよりも利かなくて、カーブを曲がりきれずに壁に激突です。納車時にはしっかり点検がされているはずなのに納得がいきません。これって販売店の整備不良ではないのですか?
A.車検に通っている時点で立証は難しい
試乗と納車時にしっかりとチェックを
ブレーキのパッドが使用に耐えない程すり減っていた。オイルが全く入っていなかったなどの場合は、初歩的なミスなので、販売店に対して責任を追及することができると思われます。
しかし、車検に通っているということは、国の審査に合格しているということ。建前上、車検を取っている車は、日常の使用に問題がない状態で引き渡されていることになります。逆にいうと、だからこそ中古車は、たとえ現状渡しであっても、販売店は車として最低限の動作を保証(安全に道路を走行させる)する義務があります。
さて、今回のケースですが、納車後すぐに事故を起こしたということで販売店の整備に疑問を抱く心情はわかります。しかし、販売店に対して損害賠償を請求するには、この事故が販売店の整備不良で起こったことを立証しなくてはなりません。そして、ここが重要なのですが、この証明責任は販売店ではなく買い主にあります。
よっぽど大事故でないかぎり、警察ではブレーキが故障していたかどうかまで調べてくれません。買い主は、工場や交通事故鑑定人などにお願いして、事故前からブレーキが壊れていたことを立証しなくてはならないのです。
一方、販売店側は、「車検に通っている」という事実から、しっかりと整備をしていたと事実上推定できます。そもそも、事故の要因としてはスピードの出し過ぎや運転技術の未熟さなども考えられます。今回のケースで、販売店にだけ責任を押しつけるのは難しいでしょう。
このようなトラブルを避けるためには、購入検討時に試乗が可能なら、できるだけ試乗すること。また、納車時も、すぐに受け取り乗って帰るのではなく、一通りチェックをするように。買い替えたばかりの車は乗り慣れていないため、特に慎重な運転を心掛ける必要があります。当然ですが、安全運転を忘れずに。
販売店の整備不良を追求できる?
納車されて自宅へ帰る途中に事故を起こしてしまいました。原因はブレーキ。思ったよりも利かなくて、カーブを曲がりきれずに壁に激突です。納車時にはしっかり点検がされているはずなのに納得がいきません。これって販売店の整備不良ではないのですか?
A.車検に通っている時点で立証は難しい
試乗と納車時にしっかりとチェックを
ブレーキのパッドが使用に耐えない程すり減っていた。オイルが全く入っていなかったなどの場合は、初歩的なミスなので、販売店に対して責任を追及することができると思われます。
しかし、車検に通っているということは、国の審査に合格しているということ。建前上、車検を取っている車は、日常の使用に問題がない状態で引き渡されていることになります。逆にいうと、だからこそ中古車は、たとえ現状渡しであっても、販売店は車として最低限の動作を保証(安全に道路を走行させる)する義務があります。
さて、今回のケースですが、納車後すぐに事故を起こしたということで販売店の整備に疑問を抱く心情はわかります。しかし、販売店に対して損害賠償を請求するには、この事故が販売店の整備不良で起こったことを立証しなくてはなりません。そして、ここが重要なのですが、この証明責任は販売店ではなく買い主にあります。
よっぽど大事故でないかぎり、警察ではブレーキが故障していたかどうかまで調べてくれません。買い主は、工場や交通事故鑑定人などにお願いして、事故前からブレーキが壊れていたことを立証しなくてはならないのです。
一方、販売店側は、「車検に通っている」という事実から、しっかりと整備をしていたと事実上推定できます。そもそも、事故の要因としてはスピードの出し過ぎや運転技術の未熟さなども考えられます。今回のケースで、販売店にだけ責任を押しつけるのは難しいでしょう。
このようなトラブルを避けるためには、購入検討時に試乗が可能なら、できるだけ試乗すること。また、納車時も、すぐに受け取り乗って帰るのではなく、一通りチェックをするように。買い替えたばかりの車は乗り慣れていないため、特に慎重な運転を心掛ける必要があります。当然ですが、安全運転を忘れずに。
■ワンポイント法律用語■
立証責任(りっしょうせきにん)
民事訴訟法上は、原則として権利関係の発生、変更、消滅等の法律効果を主張する当事者が証明責任を負い、裁判において事実の真偽がわからない場合、その当事者が不利益を被る。買い主が販売店に対して整備不良による損害賠償を請求する場合は、買い主はそれに立証責任を負担することになる
事実上の推定(じじつじょうのすいてい)
裁判において、Aという間接的な事実からBという立証を要する事実を推認すること。今回のケースでは、販売店側が車検に通っていたことを立証すれば「しっかりと整備をしていた」といった事実が推定されるので、買い主がこの推定を覆す必要が生じる
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