軽自動車やコンパクト、ミニバンなどに押され、人気とはいえないカテゴリのセダンですが、“いい車”はたくさんあります。中でも、今回ご紹介するマークXは、FF化が進むセダン界にあって、かたくなにFRを守り続ける貴重なスポーティセダンです。

2代目となる現行型のマークXが登場したのは2009年10月。マークⅡの後継モデルとして登場した初代をさらに熟成してデビューしました。スポーティさと上質さを高め、スポーティセダンとしての実力を一段高みへもっていく、そんな理念が掲げられていました。

スタイルは「グラムテック」をキーワードに、おおらかな面(グラマラス)と硬質な面(テック)を融合させた躍動的な印象を与えるデザインとなっています。

スポーティという意味では、新たにV6の3.5Lエンジンを搭載。一昔前まであった馬力自主規制枠を上回る318psもの高い出力を発揮します。もはや完全にスポーツセダンといえるでしょう。エンジンはV6の2.5Lモデルも用意し、ミッションは全車6ATとなっています。

インテリアもスポーティな印象を与えますが、建て付けの精度が向上しラグジュアリー感がアップ。さらに音への対策として制振材の量を増やしたことで静粛性も高められています。

そんなマークXですが、先月顔つきを変えるなどのマイナーチェンジを行ったため、相場の下降がちょっと急になってきました。例えば最安値の2009年式250G Fパッケージ。走行距離こそ8.6万kmと伸びていますが修歴無しで119万円です(8月31日時点)。

このグレードの新車価格は238万円なので半額近い金額になります。どうしてもセダンはイヤ、というなら無理には勧めませんが、セダン業界が不振の今こそ安く買えるマークXを買ってみてはいかがでしょうか。オトク感はとても高いと思いますよ。

Text/金子剛士

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