今年の7月からシートベルトに対する義務が一段と厳しくなります!…と言っても、これは乗員ではなく車本体側の話ですが。

平成18年度に「道路運送車両の保安基準」が改正されてから約5年間の準備期間を経て、今年7月から販売される新車についてはリアの中央シートの3点式シートベルトの設置が義務づけられました(これまでは2点式でもOKでした)。

他にも記憶に新しい平成20年度の後席のシートベルト着用“完全”義務化など、安全にまつわる基準はどんどん厳しくなっている訳ですが、もしものときに命を守ってくれるシートベルト、実は様々な種類があることをご存じですか?

例えば前述の3点式シートベルト。どの車についている物も同じに見えるかもしれませんが、実は4種類も存在しています。新車の場合は現在主流であるELR式(※下記参照)のものがほとんどですが、中古車の場合はそうとも限りません。タイプによってチャイルドシートの取り付けに影響する場合もあるので、古い車が好き!という人は今後のために覚えておくといいかもしれません。

・NLR式(非ロック式巻き取り装置)
その名のとおりベルトにロック機能が備わっていません。巻き取り収納されているベルトを引き出し、任意の長さに調節して使用します。

・ALR式(自動ロック式巻き取り装置)
NLR式の発展型となるもの。ベルトを引き出して任意のところで止めると、ロックされる機構。

・ELR式(緊急ロック式巻き取り装置)
現在の主流。乗員の動きを制限しないよう、ベルトを止めただけではロックがかからないが、衝突時の衝撃などを感知した際に自動的にロックがかかる。

・ALR/ELR式
こちらも現在の主流。基本的にはELR式と同様だが、一定以上引き出すとALR式のように任意のところで固定できるようになり、チャイルドシートを設置するときに役立つ。

ちなみに後席シートベルトが義務化されてからしばらく経ちますが、警察庁の最新統計(平成22年度実施)によると後席での着用率は33.1%。対して前席は97.3%です。いろいろなところで言われて耳にタコかもしれませんが、後席だから安全なんてことはありません!

未着用での衝突時にはフロントガラスから飛び出したり、前席の乗員に衝突したりと死傷率はグンと高まります。楽しいカーライフを送るためにも、後席であっても車に乗ったらまずは必ずシートベルトを!


Text/カーセンサー編集部

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過去10年で前席シートベルト着用率の向上に伴い、交通事故による死傷者は毎年減少中だ。ちなみに後席シートベルトを着用しないと、事故時の至死率は約14倍に跳ね上がる。自分だけではなく、必ず同乗者の着用も確認しよう。

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平成18年の「道路運送車両の保安基準」改正時には後席シートベルトだけでなく、ISO-FIX方式チャイルドシートの取り付け金具にも対応させることが義務づけられた。現在はまだシートベルトを使用して取り付ける物も多いが、ISO-FIX方式が今後主流になっていくと思われる。