AGC(旭硝子株式会社)は世界で初めて紫外線と赤外線をカットする自動車ドア用強化ガラス「UVベール Premium Cool on」を開発。このガラスがトヨタ ヴィッツの特別仕様車 F“Ciel” と F“SMART STOPパッケージ・Ciel” に採用された。

AGCは2010年12月に、シミやシワの原因となる紫外線を約99%カットする「UVベール Premium」を発売しており、こちらのガラスは現在、ホンダ フィット シーズやトヨタ アクア ビューティーパッケージ、スズキ ラパン Xセレクションなど15車種に採用されている。

今回開発された「UVベール Premium Cool on」は、今までの「UVベール Premium」をブラッシュアップしたもの。従来品では紫外線吸収剤を練り込んだガラスに紫外線を吸収する膜を組み合わせているが、その膜に赤外線を吸収する機能を付け加えた。そのため、強力な紫外線カット性能はそのままに赤外線をカットする能力を大幅に向上させている。

太陽光を模したメタルハライドランプを3分間照らし続け肌の表面温度がどれくらい上昇するかという実験では、これまでのUVガラスでは41.4度まで上昇したが、「UVベール Premium Cool on」は39.4度までしか上がらなかった。

つまり、「UVベール Premium Cool on」は紫外線による肌へのダメージを軽減しつつ、暑さの原因である赤外線による車内の室温上昇も防いでくれる。結果としてエアコンの使用量を抑えられ、エコにも効果があるという。

今後、「UVベール Premium Cool on」の採用車種は増える見込みだ。

「UVベール Premium Cool on」のイメージイラスト。高性能なUV&IR吸収膜を用いたことで性能が大幅に向上

「UVベール Premium Cool on」のイメージイラスト。高性能なUV&IR吸収膜を用いたことで性能が大幅に向上