スケートリンクでスタッドレスタイヤの重要性を再認識!
ブリヂストン スタッドレスタイヤ 走り|日刊カーセンサー
試乗はフロントにサマータイヤ(スニーカー SNK2 ecopia)、リアにスタッドレスタイヤ(BLIZZAK REVO GZ)を装着したマツダデミオと、フロント/リアともスタッドレスタイヤを装着した同車で行われた

これから冬に向かう季節、雪道の走行に欠かせないのがスタッドレスタイヤです。しかし、普段はあまり雪が降らない非降雪地域では、まだまだ保有率が高いとはいえないのが現状です。ブリヂストンの調査によると、雪道でスリップした時に装着していたタイヤの約7割がサマータイヤとのこと。

降雪が少ない都市部でも、深夜~早朝の時間帯は結露によって凍結する場面があります。また気温が氷点下になると、橋の上やトンネルの出入口などで風や湿度、気温差によって路面凍結が発生することも。雪が降らなくても、冬の路面は危険がたくさん潜んでいます。

凍結路面では乾いた状態であっても、車重や摩擦熱で瞬間的に氷が溶けてタイヤが水の上に浮き、滑ってしまいます。スタッドレスタイヤは柔らかいゴムを使用して接地面積を増やし、溝や発砲ゴムが効果的に除水することでグリップを発揮します。

ブリヂストン スタッドレスタイヤ フロント|日刊カーセンサー ブリヂストン スタッドレスタイヤ パターン|日刊カーセンサー

氷上の路面を再現するために、東大和スケートセンターが試乗会場に(左) 非対称のパターンと形状や新コンパウンドを採用した「BLIZZAK REVO GZ」(右)
今回、ブリヂストンによるサマータイヤとスタッドレスタイヤの違いが体感できる勉強会が開催されました。会場は東京・東大和市の東大和スケートセンター。スケートリンクの氷の上で、2種類のタイヤを乗り比べることで違いを再確認しようという試みです。

使用されたスタッドレスタイヤはブリヂストンの「BLIZZAK REVO GZ」。レボ発泡ゴムGZという新コンパウンドで氷上の利きを、非対称の形状がさまざまな状況への対応と直進安定性を向上。さらに接地形状を最適化することで雪路やシャーベット、ウェットでの性能がアップしています。

ブリヂストン スタッドレスタイヤ 顕微鏡 ブリヂストン スタッドレスタイヤ スタッドレス表面|日刊カーセンサー ブリヂストン スタッドレスタイヤ サマータイヤ表面|日刊カーセンサー
特殊な顕微鏡で撮影したスタッドレスタイヤとサマータイヤの表面。スタッドレスタイヤに使用されている発砲ゴムの気泡が、氷上の水の膜を取り除く
サマータイヤとスタッドレスタイヤを履いた2台を乗り比べてみると、その違いは歴然。サマータイヤは加速がつかず、旋回時の回転半径が大きくなり、制動距離も長くなってしまいます。すぐに壁が迫る狭いスケートリンクではスピードを出すのが怖く、10km/hが精一杯でした。

車での試乗もさることながら、なにより効果を実感できたのが用意されていた特製サイクル。3輪車にそれぞれサマータイヤとスタッドレスタイヤを装着したものです。サマータイヤは発進時にリアが空転してしまい、走り出すことすらも難しい。もちろん曲がるのも止まるのも厳しいのですが、じわっと発進することの難しさを感じました。

ブリヂストン スタッドレスタイヤ 制動時|日刊カーセンサー ブリヂストン スタッドレスタイヤ 特製サイクル|日刊カーセンサー
サマータイヤは、氷上では発進、制動、旋回のあらゆる場面でスタッドレスタイヤに劣ってしまう(左)
スタッドレスタイヤとサマータイヤを装着した特製サイクル。こぎ出しにパワーがいる分、じんわりと発進させるのが難しい(右)
このじわっとした発進を苦手とするのがハイブリッドカー。モーターはエンジンに比べ発進時の駆動が大きく、早くなる傾向があります。さらに制動時も、ブレーキ時に運動エネルギーを電気に変えるハイブリッドカーは、スリップしてしまうと発電できなくなってしまいます。

非降雪地域では、スタッドレスを履きっぱなしにすると通常路面でのグリップが落ちるというデメリットがありますが、最新のスタッドレスタイヤはドライ性能や耐久性も進化してきました。万が一の時に備えるため、特にハイブリッドカーのユーザーは、冬に向けてスタッドレスタイヤの用意を心がけるようにしたいものです。



Report/渡瀬基樹