ダイハツタント ダイハツタント
助手席後ろのピラー(柱)をなくし、スライドドアを装備することで軽自動車としては画期的な大開口部を備えたタント。その試乗会へ行ってきました。

「ピラー(柱)をなくし…」と書きましたが、正確にはその部分のピラーは助手席のドア後部と、後席のスライドドア前部に内蔵されています。ダイハツの開発者は「通常のピラーをもつ運転席側と即突安全性はまったく同等」だと言います。考えてみれば、大開口部に対する「安全性」うんぬんは必ず注目されますからね。その辺の対応には当然抜かりがないわけです。

もちろん私が即突安全性を確かめるわけにはいきませんが(ビデオでは何度か見ましたが)、ターボとノンターボ、それぞれ市街地と高速道路を走ってみました。
走って感じるのは、ボディ剛性がすごくしっかりしていること。そのおかげで足がきちんと動いて、乗り心地がいいんです。ベースは現行ムーヴ。それより背が高いのに、走りにその影響があまり出ません。特に唯一のターボ搭載グレード、カスタムのRSは足回りにスタビライザーが備わるなどやや硬めのセッティング。そのおかげで、車線変更時などに頭上が揺らぐというような感じがなく、まるでムーヴに乗っている感じすらします。

一方ノンターボ系は高速道路で速度を増すと、車線変更でやや揺れる感じがして「あ、この車は背が高いんだった」とわかります。とはいえ「やわい感じ」はしない。しっかりとした乗り心地です。大人2名乗車なら、ノンターボでも一般道で力不足を感じることはありません。ターボと比べればやはり乗り心地はマイルドなので、子供の送り迎えなど、使用が一般道メインならばオススメです。
ターボは高速道路でもフツーに走れます。これ一台で子供の送り迎えから家族での旅行もこなせます。
ホンダフィットと室内の広さを比べてみると、室内幅こそフィットが1415m/タント1350mmですが、室内長はフィット1825mm/タント2160mm。後席に座った際の膝元(写真下の左)を見てもおわかりのように、先日発表されたばかりのホンダのLクラスセダン、インスパイアより広いのです。その空間を生かし、室内で授乳できるよう、オプションでカーテンなども用意されています(写真下の右)。ますますタントのターボ一台で、なんでも済んでしまいますね。
ダイハツタント ダイハツタント
先日、タントのライバルとなるスズキパレットが発表されました。その戦いがどうなるか注目ですし、我々としてもいずれ対決させてみたいものです…などと思っていたら、タントが発売1ヵ月で2万4000台も受注したというニュースが…。
車が売れないといわれている昨今、この台数はすごいですね。
<カーセンサーnetデスク/ぴえいる>