スズキ スイフト▲2023年12月に発売となった新型 スズキ スイフト。今回はマイルドハイブリッド+MT仕様のグレードを、自動車テクノロジーライターの松本英雄氏が試乗した

新型スイフトのMT仕様は、CVT仕様より30kgも軽い

昨年の12月から販売されたスズキの世界戦略モデルのひとつ「スイフト」。

2024年4月まではmade in Japanのみであったが、5月よりインドで製造販売されることとなり、歴代モデル同様グローバルなモデルとして人気を博すことになりそうだ。

さて、この5代目スイフトにはデビュー直後に試乗し、すでにレポートはお届けしている。


価格からは考えられないくらい質が高いモデルであり、まさにスズキの魂がこもったモデルであった。

そしてこの新型スイフト、けっして華があるといった感じではないが、車好きの方にはたまらない仕様がある。

それが、今回試乗したマイルドハイブリッドでありながらマニュアルトランスミッション(MT)を搭載した仕様であり、この組み合わせはスズキとして国内初の試みとなる。

スズキ スイフト▲試乗したグレードは「MX」で、MT仕様はこのグレードのみ
スズキ スイフト▲CVTモデルとの外観上の大きな違いはない

スイフトスポーツは別として、通常のスイフトはMTモデルが必須なわけではなく、むしろ車のキャラクター的には断然CVTによるATモデルである。しかし、スズキは本来の自動車としての楽しみを伝えたいという。

しかも燃費も優秀で、WLTCモードで25.4km/Lはスイフトのモデルでトップの燃費だ。

そして車重はCVTモデルと比べ20㎏ほど軽い。MTを確実に扱えることができれば、これらは大きなアドバンテージになる。

乗り込んで目に入るのが、サイドブレーキ仕様であるという点だ。CVT仕様は電子パーキングブレーキですっきりとしたセンターコンソールとなっているため、レバーの存在感が目を引く。

スズキ スイフト▲今となっては少し懐かしささえ感じるサイドブレーキレバー

走り出しは非常に軽快、マイルドハイブリッドとMTのコンビネーションは非常にいい。何がいいかって、MTをより滑らかに走らせることができるのだ。

小排気量のMTは、ギアレシオの関係で走り出しからのシフトアップでトルクの落ち込みによるもたつき感があるが、マイルドハイブリッドによるわずかな後押しが是正し軽やかさを演出している。

なによりもスイフトのクラッチ操作はイージーで苦にならない。それによって、自分が思うままの加速と減速を、エンジンとトランスミッションの兼ね合いを感じながら行うことができる。

また、フットブレーキだけではなく、100%のエンジンブレーキもしっかり感じることができるため、ATのようなアイドリングからの誤発進も防げる。

テクニカルな話になるが、エンジンとトランスミッションのつながりをしっかりと感じ取って操作することで、シンクロナイザーへの負荷を最小限にすることができる。

そういう点でも、このスイフトは操作がしやすい。
 

スズキ スイフト

久しぶりに小型モデルでホンワカした印象を持ちながら、都内から郊外へ走る。シフトストロークがたっぷりあることにより、軽やかなシフト操作が可能だ。

このストローク感は人によっては鈍重なイメージを抱くかもしれないが、シフトを繰り返すこの間がいい。

サスペンションに移ろう。一般道は様々なアンジュレーションの連続だ。特に都心の開発地域は、路面状況がフラットではない。しかし、そのようなところでも路面とのコンタクトは万全で、ソフト。乗り心地がいい。

スズキは軽量化高剛性のプラットフォームにマッチしたセッティングが上手だ。プラットフォーム“HEARTECT”は、改良が加わり特にリアの質感が向上した。

またCVT比20㎏減により、ハンドリングと運動性能、そしてブレーキングの安定感が増すという恩恵を感じられる。

車両価格200万円以内の車とは思えぬ質の高さで、現段階で最良のMTハッチバックであると言えよう。
 

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スズキ スイフト(5代目・現行型)×MT×全国
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スズキ スイフト(5代目・現行型)×全国
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●1.2 ハイブリッド MX(MT)

型式 5AA-ZCEDS 最小回転半径 4.8m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 3.86m×1.7m×1.5m
ドア数 5 ホイールベース 2.45m
ミッション 5MT 前トレッド/後トレッド 1.48m/1.49m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.91m×1.43m×1.23m
4WS - 車両重量 920kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.12m
マニュアルモード -
標準色

クールイエローメタリック、フレイムオレンジパールメタリック、キャラバンアイボリーパールメタリック、スターシルバーメタリック、スーパーブラックパール

オプション色

フロンティアブルーパール、バーニングレッドパールメタリック、ピュアホワイトパール、プレミアムシルバーメタリック、フロンティアブルー ブラック2トーンルーフ、バーニングレッドPM ブラック2トーンルーフ、クールイエロー ガンメタ2トーンルーフ、ピュアホワイトP ガンメタリック2トーン

掲載コメント

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型式 5AA-ZCEDS
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション 5MT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 クールイエローメタリック、フレイムオレンジパールメタリック、キャラバンアイボリーパールメタリック、スターシルバーメタリック、スーパーブラックパール
オプション色 フロンティアブルーパール、バーニングレッドパールメタリック、ピュアホワイトパール、プレミアムシルバーメタリック、フロンティアブルー ブラック2トーンルーフ、バーニングレッドPM ブラック2トーンルーフ、クールイエロー ガンメタ2トーンルーフ、ピュアホワイトP ガンメタリック2トーン
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
-
最小回転半径 4.8m
全長×全幅×
全高
3.86m×1.7m×1.5m
ホイール
ベース
2.45m
前トレッド/
後トレッド
1.48m/1.49m
室内(全長×全幅×全高) 1.91m×1.43m×1.23m
車両重量 920kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.12m
掲載用コメント -
エンジン型式 Z12E 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 直列3気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 37リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 27.6km/L
総排気量 1197cc 燃費(WLTCモード) 25.4km/L
└市街地:21.2km/L
└郊外:26km/L
└高速:27.3km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
90%達成車
最高出力 82ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
108(11)/4500
エンジン型式 Z12E
種類 直列3気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1197cc
最高出力 82ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
108(11)/4500
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 37リットル
燃費(JC08モード) 27.6km/L
燃費(WLTCモード) 25.4km/L
└市街地:21.2km/L
└郊外: 26km/L
└高速: 27.3km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 90%達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。