近距離移動にフォーカスしたMグレードを追加

  • 三菱 i-MiEV 走り|ニューモデル試乗
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160kmから180kmへ、Gの航続距離をアップ。上位グレードのGはHDDカーナビとシートヒーターを標準装備
これまで1グレード展開だったi-MiEVが大幅な改良を受け2グレード構成となった。従来モデルは上位グレードのGという位置づけに変更。それまでの航続距離は160kmだったが「もう少し航続距離を延ばしてほしい」というユーザーからの要望に応え、回生ブレーキなどの改良によりエネルギー回収量を増加。その結果、従来より約1.5割アップの180kmを達成した。

注目はエントリーグレードとして新設定されたMグレード。モーター形式はGグレードと同じだが、バッテリーを東芝が開発した小型タイプに変更。最高出力64psのGグレードに対し、41psまでパワーを落とし(トルクは同じ)、航続距離も120kmとすることで、近距離での使用、シティコミューターとして割り切った位置づけとしている。
  • 三菱 i-MiEV ヘッドランプ|ニューモデル試乗
  • 三菱 i-MiEV HDDナビゲーション(オプション)|ニューモデル試乗
ランプはG(左)がLED、Mはハロゲン。MにオプションのHDDナビ(24万6750円)はカロッツェリアのサイバーナビをベースにEV充電施設情報や電力消費量を抑える機能を搭載

パワー減は軽量化で相殺。EVらしい走りは顕在

気になる走行性能だが、実用上はまったく問題ないと言っていい。最高出力はGより17kW(23ps)も低いが、モーターで走るEVモーターの特性上、走り始めてすぐに最大トルクが発生するので発進直後のもたつきなどは感じない。強いて言えば、ワインディングロードを2名乗車プラス荷物を積載した状態で上った際に、さすがにもう少しパワーがあれば、と感じる程度。メーカー曰く、Mの走りはGの“Ecoポジション”と同等とのことだが、バッテリーの小型化などにより、トータルで40kgもMのほうが軽いので、街中ではスペックほどの体感上の差はない。

一方、航続距離は走り方で大きく異なる。約80%の充電状態からエアコンをMAXモードにするとメーターに表示される航続可能距離は一気に60km台に落ちるが、それ以外では90km台となる。短距離が中心のシティコミューターと割り切れば十分の実力と言えるだろう。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード M
全長×全幅×全高(mm) 3395×1475×1610
ホイールベース(mm) 2550
車両重量(kg) 1070
乗車定員 4人
モーター種類 永久磁石式同期型
JC08モード充電走行距離 120km
最高出力[ps/rpm] 30kW(41ps)/2000~6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 180N・m(18.4kg-m)/0~1000rpm
車両本体価格 260万~380万円
Tester/高山正寛 Photo/篠原晃一