スバル クロストレック▲2022年月12月に発売となった新型スバル クロストレック。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏による、AWDモデル、FFモデル2台の公道でのインプレッションをお届けする

XVの名を変えて登場したクロストレック

スバル XVの後継車として、全くの新しい車名で登場したクロストレック。サブコンパクトのSUVであるが、シャープでタフネスなデザインにより都会的になったモデルだ。

すでにプロトタイプの試乗は済ませており、申し分のない仕上がりであった。

今回は、天文学的な数のアンジュレーションを繰り返す公道での試乗だ。果たして出来はいかがなものか? レポートをお届けしよう。

スバル クロストレック▲シャープでタフネスなデザインの新型スバル クロストレック。公道ではどのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか?

AWDモデルは落ち着いた雰囲気すら感じる

試乗したモデルは、スバルのお家芸とも言えるAWD(4WD)モデルと、先代にあたるXVにはなかったFFモデルの2種類である。

パワーユニットはどちらも2L NAが搭載される。145ps/19.2kg・mとやや控えめに感じるが、扱いやすさを重視したスペックだ。

そして、このパワーユニットに発進や加速時のトルク変化に対応したハイブリッドシステム「e-BOXER」が組み合わせられる。

トランスミッションはどちらもCVT仕様。一つ前の世代までのスバルのCVTは、お世辞にもスムーズとは言えない品物であったが、今回のクロストレックは公道でどのような挙動を見せてくれるのだろうか。

まずはAWD仕様から試乗する。

これはAWD、FFともに共通であるが、乗り込んですぐに視認性が良好だとわかる。

今までスバル社内には厳しい設計要件があったのだが、最近では多少緩くなったといわれているようだ。しかし、市街地でのガードレールや縁石などが把握しやすい良好な視認性から、まだまだ厳しい設計要件は健在であるということがわかる。

腰と背骨部分に若干遊びを作りながらも、シートのホールド性は良いため、目線の動きは少なくてすむ。これはサスペンションとの協調的なセッティングで、今後主流になるように思われるハード面の技術だ。

スバル クロストレック▲腰と背骨部分には程良い遊びが作られている。それでいてホールド性は十分だ

エンジンスタートとともに、静粛性が本当によくなったということがわかる。ただし、クランキングの音には、どことなくノスタルジックさを感じる。

スタートするとまずはEVモードで走り出したが、瞬時にエンジンとCVTの協調によってスムーズな加速を味わえる。

搭載されている軽自動車程度のトルクのモーターは、発進時などの高負荷時にアシスト的な役割を果たすものと思って良いだろう。

平坦な一般道をとコトコトと走らせるが、引き続き静粛性は非常に高い。

スバル クロストレック

そして何よりも乗り心地にスムーズさが増した。しかもステアリングフィールも細かなトレースを行っているかのように滑らかで、まるで卵を2度こしてから作った卵焼きのみたいに滑らかだ。この部分は、最も大きく先代から進化した部分だろう。

これらは、プラットフォームの改良とステアリング並びにサスペンションセッティングの改良のたまものである。

サブコンパクトSUVらしく、キビキビとした雰囲気を残しながらも、地に足の着いた落ち着いた雰囲気もある。

ブレーキのフィールもリニアで、以前よりも制動をかけた状態からのコントロール性が高いことから、同乗者のぎくしゃく感もかなり緩和されるはずだ。

2WD・FFでもトラクションはすこぶる良好

続いてFFモデルへの試乗だ。

プロトタイプのときには、これがバランス的には優れている仕様だと感じたのだが、公道ではどうか。

FFもAWDも全高に変わりはないので、最低地上高は200mmとなる。ただし車重には50㎏の違いがあり、ドライブシャフトやデフの慣性重量から考えると走りの違いは明確だと思われる。

スバル クロストレック

試乗してすぐわかるのが発進の機敏性が良好だということ。そして、FFモデルでありながらトラクションはすこぶるいい。

軽い動きとしなやかなサスペンションで、路面とのコンタクトは抜群である。ちょっとしたツイスティーなカーブでもリアが軽快で、アクセルの反応の良さも相まってスポーティな感じである。

しかしあえて難を言えば、ブレーキの立ち上がりが急激なため、コントロール性はAWDに軍配は上がる。

FFとAWDの価格差はおよそ20万円。AWDの方が一般的には良いと感じるが、通好みはFFであろう。

スバルの水平対向の歴史の始まりは、縦置きFF仕様。だからこそ、同じレイアウトのFF仕様のクロストレックも、決して手を抜いたFFではない。

しっかりとAWDに負けないFFを作り、場合によってはFFの方が軽快でダイレクトなハンドリングゆえ、気持ちの良いコーナリングが味わうことができるはずだ。

どちらも十分にオススメできるモデルであることは間違いない。

▼検索条件

スバル クロストレック(現行型)×全国
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●2.0リミテッド 4WD

型式 5AA-GUE 最小回転半径 5.4m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.48m×1.8m×1.58m
ドア数 5 ホイールベース 2.67m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.51m×1.2m
4WS - 車両重量 1610kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1885kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.2m
マニュアルモード
標準色

アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、サファイアブルー・メタリック、ホライゾンブルー・パール

オプション色

クリスタルホワイト・パール、オアシスブルー、オフショアブルー・メタリック

掲載コメント

※ナビゲーション地図データは初度登録から3年間無償で更新されます

型式 5AA-GUE
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、サファイアブルー・メタリック、ホライゾンブルー・パール
オプション色 クリスタルホワイト・パール、オアシスブルー、オフショアブルー・メタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.4m
全長×全幅×
全高
4.48m×1.8m×1.58m
ホイール
ベース
2.67m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.51m×1.2m
車両重量 1610kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1885kg
最低地上高 0.2m
掲載用コメント ※ナビゲーション地図データは初度登録から3年間無償で更新されます
エンジン型式 FB20 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 水平対向4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 48リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 18.8km/L
総排気量 1995cc 燃費(WLTCモード) 15.8km/L
└市街地:12.9km/L
└郊外:16km/L
└高速:17.3km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
65%達成車
最高出力 145ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
188(19.2)/4000
エンジン型式 FB20
種類 水平対向4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1995cc
最高出力 145ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
188(19.2)/4000
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 48リットル
燃費(JC08モード) 18.8km/L
燃費(WLTCモード) 15.8km/L
└市街地:12.9km/L
└郊外: 16km/L
└高速: 17.3km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 65%達成車

●2.0リミテッド 2WD

型式 5AA-GUD 最小回転半径 5.4m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.48m×1.8m×1.58m
ドア数 5 ホイールベース 2.67m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.57m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.51m×1.2m
4WS - 車両重量 1560kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1835kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.2m
マニュアルモード
標準色

アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、サファイアブルー・メタリック、ホライゾンブルー・パール

オプション色

クリスタルホワイト・パール、オアシスブルー、オフショアブルー・メタリック

掲載コメント

※ナビゲーション地図データは初度登録から3年間無償で更新されます

型式 5AA-GUD
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、サファイアブルー・メタリック、ホライゾンブルー・パール
オプション色 クリスタルホワイト・パール、オアシスブルー、オフショアブルー・メタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.4m
全長×全幅×
全高
4.48m×1.8m×1.58m
ホイール
ベース
2.67m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.57m
室内(全長×全幅×全高) 1.93m×1.51m×1.2m
車両重量 1560kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1835kg
最低地上高 0.2m
掲載用コメント ※ナビゲーション地図データは初度登録から3年間無償で更新されます
エンジン型式 FB20 環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
種類 水平対向4気筒DOHC 使用燃料 レギュラー
過給器 - 燃料タンク容量 48リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 19.3km/L
総排気量 1995cc 燃費(WLTCモード) 16.4km/L
└市街地:13.6km/L
└郊外:16.6km/L
└高速:17.9km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準
65%達成車
最高出力 145ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
188(19.2)/4000
エンジン型式 FB20
種類 水平対向4気筒DOHC
過給器 -
可変気筒装置 -
総排気量 1995cc
最高出力 145ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
188(19.2)/4000
環境対策エンジン H30年基準 ☆☆☆☆
使用燃料 レギュラー
燃料タンク容量 48リットル
燃費(JC08モード) 19.3km/L
燃費(WLTCモード) 16.4km/L
└市街地:13.6km/L
└郊外: 16.6km/L
└高速: 17.9km/L
燃費基準達成 R12年度燃費基準 65%達成車
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。