※この記事はカーセンサー関東版33号(2000年9月7日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

中速トルクの不足も落ち着いたキャラクターのうち!?

  • マツダ ミレーニア 走り|ニューモデル試乗
  • マツダ ミレーニア リアスタイル|ニューモデル試乗
↑強化された足回りに対し、エンジンは2.5Lでもやや中速トルクが不足気味(左)クリーンなまとまりを見せるリアビュー。コンビランプも変更されている(右)
昨今しばしば敢行される“ビッグマイナーチェンジ”を行ったのはミレーニア。フェンダー、ボンネットやヘッドライトなど車体前半分のボディパーツを一新し、フロントマスクにマツダの顔である五角形を導入。またスタイリングだけでなく、17インチタイヤ仕様のスポーツパッケージを追加するなど、ハンドリングをメインに、走りの部分にも手を加えてきた。

その走りでの注目ポイントは、直進付近でのステリングフィールがしっかりしたこと。またボディ剛性アップの結果、ロールの出方も巧みにコントロールされてリニアになり、ひょこひょこした動きがなくなって、走りは格段に安定した。

またベーシックグレードでもホイールは16インチであり、その大径化によって容量の大きなブレーキが装着されている。こういう見えにくい部分での強化がしっかり行われていることは高く評価したい。

外装や足のレベルと比べるとちょっと愛想が乏しいインテリア

  • マツダ ミレーニア インパネ|ニューモデル試乗
  • マツダ ミレーニア エンジン|ニューモデル試乗
↑おとなしめのインパネだが、今回は室内の小物入れが増え、利便性は増した(左)V6ユニットの吹け上がりは良好。中速域のトルクがもっとあれば、さらに……(右)
ただV6の2種類のエンジン、2L、2.5Lには変更はなく、この強化された足に対しては、2.5Lであってもやや中速トルクが不足気味。中速域でのレスポンスがもっとあれば、ぐっとスポーティなフィールが増すと思えるが、とはいえ、それでは“フラッグシップカー”としての落ち着いたキャラクターとは合わなくなってしまうかもしれない。

室内ではヘッドルームにたっぷり余裕があり、少なくとも前席では、セダンながらも窮屈感は全くない。

しかし、イメージアップされた外装としっかりした足のレベルと比べると、インテリアにはちょっと愛想が乏しい感じはある。とはいえ、これもオトナの車としての静かな主張と見るべきなのだが。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード 25Mスポーツパッケージ
駆動方式 2WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4870×1770×1395
ホイールベース(mm) 2745
車両重量(kg) 1480
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 2496
最高出力[ps/rpm] 200ps/5400rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 22.8kg-m/4800rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.7
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/68
車両本体価格 275.5万円

家村浩明の責任採点

コンセプト 4点 取り回し 4点 加速性能 4点 ブレーキ性能 5点
フィニッシュ 5点 操作系の使い勝手 4点 乗り心地 5点 環境対策 4点
前席居住性 5点 ラゲージルーム 4点 操縦安定性 5点 燃費 4点
後席居住性 4点 パワー感 3点 高速安定性 5点 ステータス 4点
内装の質感 3点 トルク感 3点 しっかり感 4点 コストパフォーマンス 5点
得点合計 84/100
(Tester/家村 浩明 Photo/桜井 健雄)