CX-80▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、新型マツダ CX-80に試乗した際のレポートをお届け

CX-60から格段に乗り味が進化

EVの時代が到来するといわれていた時期に、マツダが出した答えは正しかったことは言うまでもない。

内燃機関を積極的に開発して、6気筒ディーゼルユニットをCX-60 に搭載したのは記憶に新しい。
 

車種 ▲こちらがCX-80に先んじて2022年9月に登場していたCX-60

さらに、マツダは国内でフラッグシップとなるCX-80を送り出した。CX-60のときに感じたが、FRラージプラットフォームは長距離でこそ価値が図れるという部分もある。

今回はさらにアッパークラスのCX-80で、ロングディスタンスの試乗を行うことができたのでお伝えしたい。我々が試乗したのは2つのモデルだ。1つ目は「XD ハイブリッド プレミアム モダン」である。
 

CX-80
CX-80

エクステリアのアーティザンレッドはヨーロッパのノーブルの雰囲気が漂う。日本風に言えばえんじ色とか深いあずき色といったところだろうか。個人的には非常に好きな色合いだ。

デザインは好みもあるが堂々とした後部にボリュームをもたせた造形である。全体的に両サイドパネルの造形がモデラーと金型職人の腕の見せどころだと思う。大河の流れのような陰影を映し出すフォルムが、ここ最近のマツダのシンボリックなデザインアイデンティティである。

CX-80
CX-80

しかしひとつ言えることは、タイヤハウス半分より下部の造形が上部に比べると弱さを感じるという点だ。これはCX-60でも同様だった。

これだけのボディをもったのだから、もう少しロバスト側に振っても良かったのではと個人的には思う。
 

CX-80

インテリアはシンセティック素材とリアルマテリアルを上手に使っていて、上品で質感の高さに好感が持てる。シートはもう少しホールド性が高いとさらに良いとは思う。CX-60 よりも相当改善されているが、高速道路での車線変更や横風による振られ方によって腰が左右に小さく動く。

搭載されるパワーユニットの「e-SKYACTIV D 3.3」はCX-60よりも数段上等になった。エンジンの再始動時や加速時にも力強くアシストして静粛性も申し分ない。まさに、フラッグシップにふさわしいパワートレインである。

CX-80

その性能を強く感じられたのは勾配のある高速道路での追い越し加速だ。ディーゼルユニット特有のトルクに加えて、6気筒というバランスの取れたユニットとクラッチレスの8速ATはなめらかでパワーをレスポンス良く路面に伝える。

踏み込んだときにもスロットルの深さと速さによって瞬時に加給圧をコントルールする。最適なシフトをセレクトし静粛性に富んだセッティングである。

運転席も助手席も目線が動いてしまうようなこともなく、快適なロングドライブが可能だ。高速道路走行中に粒の大きな通り雨に遭遇したが、正面とサイドともに静粛性とスタビリティも申し分ない。

この仕様で635万円というのは、6気筒のハイブリッドとしては世界的に見ても破格である。コストパフォーマンスの点で言えば文句のつけようがない。あとはトータルの好みとなる。

CX-80
CX-80
CX-80

それでもコスパが高いディーゼルモデル

CX-80

2つ目の試乗モデルは、ハイブリッド機構を有しないディーゼルモデルの「XD エクスクルーシブ モード」だ。ボディカラーはメルティング カッパーというこれまた大人のカラーである。

神戸の市街地を少し走り、走り出しの性能を吟味する。ハイブリッドよりも価格が安いため同様とはいいがたいが、必要にして十分以上の重厚感ある走りである。

CX-80

急な勾配でフロントが浮き気味でも、力強く四輪で路面をとらえる安心感ある仕様となっている。

市街地から都市高速を抜けて徳島空港に向かうおよそ110kmをドライブした。明石海峡大橋は風が強いが、動力をかけて試乗しているので安定感に申し分ない。

サスペンションはハイブリッドモデルに比べて硬めで、ハンドリングは良好だがシートの座りに落ち着き感が希薄である。ディーゼルユニットの本領発揮のモデルであるだけに、向かい風でも力強く押し進む。とにかく6気筒ディーゼルユニットは高級な感じだ。
 

CX-80
CX-80
CX-80

いずれにしてもこのボリュームと高級感もあってXD エクスクルーシブ モードの新車価格はおよそ500万円台前半というから、どこでどうしてコストを下げているのだろうか。お値打ちの価格設定だ。

マツダにおいて縦置きユニットとして日本では2作目となるCX-80 であるが、CX-60よも一気に乗り心地と静粛性が向上した。

マツダは細かく改良を進めるブランドだからこそ、これ以上どこをどうやって改良してくるかが見ものである。それだけ完成度の高さがうかがえるモデルだった。
 

CX-80

▼検索条件

ホンダ CX-80(初代) × 全国
※紹介したモデルとは異なるグレードのものもあります。
文/松本英雄、写真/篠原晃一、尾形和美

【試乗車 諸元・スペック表】
●3.3 XDハイブリッド プレミアム モダン ディーゼルターボ 4WD

型式 3CA-KL3R3P 最小回転半径 5.8m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.99m×1.89m×1.71m
ドア数 5 ホイールベース 3.12m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.64m/1.65m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.65m×1.55m×1.21m
4WS - 車両重量 2120kg
シート列数 3 最大積載量 -kg
乗車定員 6名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.17m
マニュアルモード    
標準色

ジェットブラックマイカ、メルティングカッパーメタリック、プラチナクォーツメタリック、ディープクリスタルブルーマイカ

オプション色

アーティザンレッドプレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、ロジウムホワイトプレミアムメタリック、マシーングレープレミアムメタリック

掲載コメント

-

型式 3CA-KL3R3P
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ジェットブラックマイカ、メルティングカッパーメタリック、プラチナクォーツメタリック、ディープクリスタルブルーマイカ
オプション色 アーティザンレッドプレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、ロジウムホワイトプレミアムメタリック、マシーングレープレミアムメタリック
シート列数 3
乗車定員 6名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.99m×1.89m×1.71m
ホイール
ベース
3.12m
前トレッド/
後トレッド
1.64m/1.65m
室内(全長×全幅×全高) 2.65m×1.55m×1.21m
車両重量 2120kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.17m
掲載用コメント -
エンジン型式 T3-VPTH 環境対策エンジン -
種類 直列6気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 74リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 3283cc 燃費(WLTCモード) 19km/L
└市街地:16.1km/L
└郊外:18.9km/L
└高速:20.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 254ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
550(56.1)/2400
エンジン型式 T3-VPTH
種類 直列6気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 3283cc
最高出力 254ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
550(56.1)/2400
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 74リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 19km/L
└市街地:16.1km/L
└郊外: 18.9km/L
└高速: 20.7km/L
燃費基準達成 -

●3.3 XD エクスクルーシブ モード ディーゼルターボ

型式 3DA-KL3P 最小回転半径 5.8m
駆動方式 FR 全長×全幅×全高 4.99m×1.89m×1.71m
ドア数 5 ホイールベース 3.12m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.64m/1.65m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.65m×1.55m×1.23m
4WS - 車両重量 2010kg
シート列数 3 最大積載量 -kg
乗車定員 7名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 0.17m
マニュアルモード    
標準色

ジェットブラックマイカ、メルティングカッパーメタリック、プラチナクォーツメタリック、ディープクリスタルブルーマイカ

オプション色

アーティザンレッドプレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、ロジウムホワイトプレミアムメタリック、マシーングレープレミアムメタリック

掲載コメント

-

型式 3DA-KL3P
駆動方式 FR
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ジェットブラックマイカ、メルティングカッパーメタリック、プラチナクォーツメタリック、ディープクリスタルブルーマイカ
オプション色 アーティザンレッドプレミアムメタリック、ソウルレッドクリスタルメタリック、ロジウムホワイトプレミアムメタリック、マシーングレープレミアムメタリック
シート列数 3
乗車定員 7名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.99m×1.89m×1.71m
ホイール
ベース
3.12m
前トレッド/
後トレッド
1.64m/1.65m
室内(全長×全幅×全高) 2.65m×1.55m×1.23m
車両重量 2010kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.17m
掲載用コメント -
エンジン型式 T3-VPTS 環境対策エンジン -
種類 直列6気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 74リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 19km/L
総排気量 3283cc 燃費(WLTCモード) 18.2km/L
└市街地:15.4km/L
└郊外:17.7km/L
└高速:19.8km/L
燃費基準達成 -
最高出力 231ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
500(51)/3000
エンジン型式 T3-VPTS
種類 直列6気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 3283cc
最高出力 231ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
500(51)/3000
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 74リットル
燃費(JC08モード) 19km/L
燃費(WLTCモード) 18.2km/L
└市街地:15.4km/L
└郊外: 17.7km/L
└高速: 19.8km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。