【試乗】新型 日産 フェアレディZ NISMO|さらにハイレベルな走りを実現! 念入りなチューンで磨きをかけたGTスポーツ!
2024/05/08
存在感も格別なスタンダードグレードの“上質版”
2022年にデビューしたというのに、街中で見かけることがいまだに珍しいという“異常事態”が続く。最近になって少しは改善されたというけれど、中古車相場の高値安定を見るにつけ、納車を待っている客がいることも事実。それに(GT-Rとは違って)“みんなのためのスポーツカー”というのが現行(RZ34型)フェアレディZの本分だと思うので、結果的に転売ビジネスをあおるようなメーカーの生産体制には大いに疑問を感じるところだ。Zだけじゃない。もうそろそろ半導体あたりのせいにするのはやめた方がいい。
そして、スタンダードグレードのデリバリーが思うように進まない中、高性能仕様であるNISMOを発表。スポーツカー好きにとっては矢継ぎ早のモデルリリースも楽しいこととはいえ、スタンダードグレードを注文し待っていた人にはある意味“噴飯もの”だっただろう。販売方法などにも疑問があるけれど、そういうことを言い出すとキリがなくなるのでやめておく。
とにかくZ NISMOを駆っていると、スタンダードモデルをテストしたときよりも注目を浴びていた気がした。車好きホイホイだ。最新スーパーカーよりもフレンドリーには見えるのだと思う。サービスエリアなどで車を止めると声をかけられたこともしばしば。「私の車ではありません」などと返すと話がややこしくなりそうなので、「ニスモいいですね~。もう納車されたんですか! 」と聞かれたら、オーナーの気分で「ありがとうございます」といなしておく。
GT-R NISMOのイメージ(スタンダードモデルとはまるで違うライド質感)で捉えると、ちょっと拍子抜けするかもしれない。パワートレインやエアロダイナミクスなど念入りに“ニスモチューン”されているとはいうものの、東京~京都往復を含め一般道を試乗した限りではスタンダードグレードの上質版。スポーティさを強調しすぎることはなく、どちらかといえばよくできたグランドツーリングカーという本来のキャラクターに磨きをかけたという印象が強い。
全長、全幅ともにスタンダードグレードより伸びた。フロントマスクのデザインがまるで違うこともあって、存在感は格別だ。初代フェアレディZにおけるノーマルと240ZGとの関係によく似て、好みの分かれるところでもあった。
3L V6ツインターボエンジンはスタンダードグレード用でも最高出力405ps/最大トルク475N・mと十分にハイスペック。独自のチューンを施したNISMOではそれぞれ420ps/520N・mで、実を言えばそれほどの違いを感じることはない。
街中での乗り心地も良好だ。足回りやブレーキのみならずボディ&フロアまでNISMOが念入りに補強したというのに、それらしき“スパルタンさ”を感じることなどみじんもない。GT-R NISMOも以前に比べて随分乗りやすくなっていたが、それでも異質なライド感があったもの。Z NISMOはあくまでもZの延長線上にあった。
NISMOらしさを感じたければ、高速道路の長距離ドライブをオススメする。新東名あたりの巡行速度領域でなら、進化した空力の恩恵を少なからず感じることができるからだ。空気を綺麗に裂いて進む感覚や、路面との距離を縮めてフラットさを保つライド感、コーナーでの安定感など、ベースモデルのGT性能をさらにハイレベルへと導いた。
もちろん、Z NISMOのもうひとつの真骨頂はスポーツドライビングにある。高回転域まで引っ張ったときの精緻なエンジンフィールは心地よく、サウンドの質もきめ細やかで胸を空く。ハンドリングは素直に機敏で、意のまま感は十二分。サーキットに持ち込んでみたいという衝動にも駆られた。
けれども、そんなこんなも実のところスタンダードグレードで十分に味わえる現行モデルの資質である。だから待っている間に出てしまってNISMOを買えなかったというオーナーは、形の違いはともかく、ドライビングファンとGT性能という点でそう悲観的になることはない。スタンダードで十分だと言っておく。
ちなみに、Z NISMOの中古車相場は定価920万400円+300万円程度。スタンダードモデルの相場はおおよそ700万~1000万円。価格ほどの性能差はない、というのが私の見立てであった。
自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
日産 フェアレディZ(現行型)の中古車市場は?
2020年にプロトタイプを発表、日本では2022年に公開された2シータースポーツ。7世代目となる現行モデルは、「伝統と最新技術の融合」をテーマに歴代モデルのデザインモチーフを取り入れている。エンジンは新開発の3L V6ツインターボを搭載、新しい9速ATと6速MTが組み合わせられている。
2024年4月中旬時点で、中古車市場には50台ほどが流通、価格帯は700万~1000万円となる。2022年登場と新しく、走行距離が1万km以上の物件は数台のみ。ミッションは6速MTが35台程度と半数以上を占めている。新車は受注停止が続いているので、中古車で気に入った仕様があれば検討してみてはいかがだろうか。
▼検索条件
日産 フェアレディZ(現行型) × 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●3.0 NISMO
型式 | 5BA-RZ34 | 最小回転半径 | 5.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.41m×1.87m×1.32m |
ドア数 | 3 | ホイールベース | 2.55m |
ミッション | 9AT | 前トレッド/後トレッド | 1.57m/1.58m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | 0.95m×1.5m×1.07m |
4WS | - | 車両重量 | 1680kg |
シート列数 | 1 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 2名 | 車両総重量 | 1790kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.13m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
- |
||
オプション色 |
カーマインレッド/スーパーブラック2トーン、ブリリアントシルバー/Sブラック2トーン、プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン、ミッドナイトブラックパール、NISMOステルスグレー/Sブラック2トーン |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 5BA-RZ34 |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 3 |
ミッション | 9AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | - |
オプション色 | カーマインレッド/スーパーブラック2トーン、ブリリアントシルバー/Sブラック2トーン、プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン、ミッドナイトブラックパール、NISMOステルスグレー/Sブラック2トーン |
シート列数 | 1 |
乗車定員 | 2名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.2m |
全長×全幅× 全高 |
4.41m×1.87m×1.32m |
ホイール ベース |
2.55m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.57m/1.58m |
室内(全長×全幅×全高) | 0.95m×1.5m×1.07m |
車両重量 | 1680kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 1790kg |
最低地上高 | 0.13m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | VR30DDTT | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | V型6気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 62リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 2997cc | 燃費(WLTCモード) |
9.2km/L
└市街地:6km/L └郊外:9.6km/L └高速:11.5km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 420ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
520(53)/5200 |
エンジン型式 | VR30DDTT |
---|---|
種類 | V型6気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 2997cc |
最高出力 | 420ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
520(53)/5200 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 62リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 9.2km/L
└市街地:6km/L └郊外: 9.6km/L └高速: 11.5km/L |
燃費基準達成 | - |