キャディラック XT4▲キャデラック初のコンパクトSUVとして登場したXT4。CT5やXT5のような豪華さを備えながらも、日本でも扱いやすいサイズにまとまっているのが特徴だ。細部にまで高品質な素材を使用するプレミアムカーながら、競合よりもリーズナブルな価格となっている

他社とは一線を画す高級感をコンパクトモデルにも継承

キャデラックは、アメリカを代表するラグジュアリーカーブランド。コンサバティブなサルーンのイメージが強かったが、2000年代に入るとフルサイズSUVのエスカレードが登場。ブルガリとのコラボ仕様なども登場し、ミュージシャンやスポーツ選手など、セレブリティ御用達モデルとなり、キャデラックはSUVイメージを強めた。

そして、近年はエスカレードをフラッグシップモデルとして、新たなSUVシリーズ、「XT」をラインナップすることになった。ラージサイズのXT6、ミドルサイズのXT5に続き、今年1月に国内導入が開始されたのが、同ブランド初のコンパクトSUV、XT4だ。

若手デザイナーが手がけたというエクステリアデザインは、エッジの効いたボディラインを用いた近未来的なもの。ボディサイズは、全長4605mm×全幅1875mm×全高1625mmと、コンパクトとはいってもそこはアメリカサイズで、日本の道にはちょうどいいくらいだ。ホイールベースは2775mmを確保しているだけあって、後席は身長180cmの大人が座っても余裕のスペースがある。

インテリアは、インパネ中央に8インチのタッチパネル式ディスプレイを配置。スマートフォンのように直感的な操作が可能で、またステアリング上のスイッチやロータリーコントローラーでも同様の操作ができる。ナビゲーションは常に最新の地図情報が得られるクラウドストリーミングナビゲーションを搭載。

13個のスピーカーで構成されるBOSEサラウンドサウンドシステムは、ヘッドフォンなどにも採用されているノイズキャンセリング機能を備えており、車内でよりクリアな音を楽しむことができる。

ラグジュアリーブランドらしくこだわりは細部にも及んでおり、ウッドパネルには本物の杢目材を、メタルインサートは本物の金属を、直接触れるトリムには高品質なレザーを使用し、シートやドアトリムのステッチは人の手によって縫い上げられている。

パワートレインは、230psを発揮する2L直列4気筒ターボエンジンを採用。このエンジンは、高速道路でのクルージング時など低負荷時には4気筒のうち2気筒だけを使って走行し、燃料消費を抑制する気筒休止システムを搭載している。

これに、最新の9速オートマチックを組み合わせることで、効率の高いシームレスで滑らかな変速を実現している。かつてのアメリカ車というと大排気量で燃費が良くないというイメージもあったが、今は昔のこと。欧州プレミアムブランドにも勝るとも劣らない環境性能を備えている。

駆動方式は、4WDのみの設定。このシステムは、通常時はフロントに100%トルク配分することで燃費をかせぎ、「ツーリング」「スポーツ」「オフロード」といったドライブモードや走行状況に応じて、リアに50%の駆動力を配分するオンデマンド式だ。また、前後アクスル間の駆動力を適切に配分するだけでなく、リアアクスルの左右の駆動力を最適に制御するトルクベクタリング機能を備えており、シャープでスポーティなハンドリング性能を実現している。
 

キャディラック XT4▲ホイールベースを長く、オーバーハングを短くすることで、四隅にタイヤを寄せたダイナミックなフォルムに仕上げた
キャディラック XT4▲きめ細やかなフロントとリアのLEDライトは、全車標準装備
キャディラック XT4▲ヘッドライトは、照射範囲と角度を自動調節するインテリビームヘッドライトを装備する。グリルは、必要に応じて自動で開閉を行い空力効果を高めている
キャディラック XT4▲写真の車は、プレミアムグレードで、18インチの10スポークホイールを装着していた

そして、もちろん現代のモデルには欠かせないADAS(先進運転支援システム)も充実している。日本仕様のグレードは「プレミアム」「スポーツ」「プラチナム」の3種類を用意。車両価格はそれぞれ570万円、640万円、670万円と、競合車と比較してもリーズナブルな設定だ。

プレミアムは18インチタイヤを、他2グレードでは20インチを標準装備。なお、プレミアムにはACC(アダプティブクルーズコントロール)が装備されない。スポーツには電子制御サスペンションが、プラチナムには大型のパノラミック電動サンルーフが標準装備されるため、後者の2グレードがオススメということになる。

GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonのこと)の国の車だけあって、インフォテインメントやオーディオをはじめ、ADASなどデジタル関連装備の先進性は相当なものだ。惜しむらくは、XT4には右ハンドル仕様の用意がない。ただ、ETCが普及したいま、左ハンドルで困るシーンはあまりないし(見切りが悪い右折の際には細心の注意が必要だが)、アクセルやブレーキなどのペダル配置の面では左ハンドルの方が有利で、自然なドライビングポジションが取りやすいといったメリットもある。

日本の輸入車市場はジャーマンプレミアムの寡占状態だけれど、いま最新のアメリカンラグジュアリーという選択は、なかなかに洒落たものだと思う。
 

キャディラック XT4▲インフォテイメントシステムには、キャデラックユーザーエクスペリエンス(CUE)を採用。8インチモニターは、スマホ感覚で直感的に操作可能で、ナビは常に最新の地図情報をストリーミングしている。使いやすさを重視し、エアコン操作ボタンなどはCUEとは別に設けられている
キャディラック XT4▲前後シートおよびステアリングにはヒーターを装備。さらに、前席シートにはベンチレーションシステムとマッサージ機能を搭載している
キャディラック XT4▲車内空間はクラス最大をうたっており、静寂性を高めるため遮音ガラスを採用するなど、快適性を限りなく高めている
キャディラック XT4▲ラゲージ容量は637L、後席を倒すことで最大1385Lとなる。また、テールゲートは電動式で、バンパー下に足をかざせば開閉できるハンズフリーテールゲートを装備

▼検索条件

キャデラック XT4 × 全国
文/藤野太一、写真/河野敦樹

【試乗車 諸元・スペック表】
●プレミアム 4WD

型式 7BA-E2UL 最小回転半径 -m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.61m×1.88m×1.63m
ドア数 5 ホイールベース 2.78m
ミッション 9AT 前トレッド/後トレッド 1.6m/1.6m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1760kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 フロア 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ラジアントシルバーメタリック

オプション色

ステラーブラックメタリック、クリスタルホワイトトゥリコート、オータムメタリック、シャドーメタリック

掲載コメント

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型式 7BA-E2UL
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 9AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ラジアントシルバーメタリック
オプション色 ステラーブラックメタリック、クリスタルホワイトトゥリコート、オータムメタリック、シャドーメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
フロア
マニュアル
モード
最小回転半径 -m
全長×全幅×
全高
4.61m×1.88m×1.63m
ホイール
ベース
2.78m
前トレッド/
後トレッド
1.6m/1.6m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1760kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 LSY 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 61リットル
可変気筒装置 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1997cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 230ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
350(35.6)/4000
エンジン型式 LSY
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置
総排気量 1997cc
最高出力 230ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
350(35.6)/4000
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 61リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -