ディフェンダー▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、ランドローバー ディフェンダーに試乗した際のレポートをお届け

成熟した伝統のV8エンジン

ディフェンダーの2024モデルを都内で試乗する機会を得たのでお伝えしたい。

今回試乗したのは久しぶりのV8モデルとなる90モデルと110モデルのカルパチアン エディション。そして、110のD300と呼ばれる6気筒のディーゼルターボモデルである。

初めに今回の目玉といえる大排気量モデル、ディフェンダー90 V8カラパチアン エディションからの試乗だ。

ディフェンダー
ディフェンダー

ディフェンダーには全長の異なる90、110、130という3つのラインナップがある。90は110に比べて全長もホイールベースも435mm短い。

クロスカントリーで比べて走ったことはないが、より走破性が高いのは90の方に違いない。

ホイールベースが長いと亀の子状態になりやすい一方、乗り心地とスペースパフォーマンスは有利だろうと思いながらエンジンを始動する。

P525というグレードに搭載されるのは、AJ-8と呼ばれるユニットである。元々ジャガー用に設計されたハイパフォーマンスユニットで、1996年から作られ熟成を重ねて生産されている信頼できるユニットだ。

フォードの工場内にジャガー専用の生産設備を作っていたということからも、特別なユニットだということが理解できる。

ディフェンダー
ディフェンダー
ディフェンダー

エンジンを始動すると、チューニングされたV型8気筒ユニットが野太いエグゾーストノートを奏でる。ちなみに、後日110のカルパチアン エディションにも試乗したのだが、90の方がユニットのパワフルな音がダイレクト感ある印象だ。

3人乗車で走り出す。2.3tを超える身体つきも物ともせずレスポンシブな動きだ。他のユニットを搭載する90とサイズが違うのではないか? と思うほど軽快なのである。

このサイズで5Lスーパーチャージャーによって、最高出力は525ps、最大トルクはおよそ64kg・mに達している。これは、より悪路や路面のフリクションが大きなときに、扱いやすさを追求したチューニングだと思われる。

この基本となった5L V8のユニットは1980年代後半より開発し、量産に向けて当初よりターボチャージャではなくスーパーチャージャーを選んでいたという。エンジンの特性上、「扱いやすさを優先して、どこからでも加速する瞬発力がブランドとして大切」だというのがその答えだった。

ディフェンダー

高速から極低速のクロスカントリーまで、粘り強いトルク特性がストールの安定化を図り、悪路でも走破性を向上することができる。ただハイパワーということではなく、そのキャラクターに合わせた特性こそランドローバーらしさを生むのだ。

90という短めなホイールベースではあるが、乗り心地が良好だ。サスペンションが初期の入力から安定した減衰力を生んで、フラッドライドを得るエアサスは素早く反応し、同時にドライバビリティも大変良い。

一方、同様のパワーユニットを搭載した110は大らかな走りで乗り心地もサルーンのように落ち着いた部分がある。

ロールも大きく感じるが、躯体の動きが90よりも少なく大きさの懐の広さを感じることができた。90よりも140kgも重量がかさむ大きなボディでも、スタートと中間加速の直線の力強さは、落ち着いた官能的なエグゾーストノートによって本格的なSUVであることを忘れさせてしまう。サラブレッドの血を引くユニットだけある。

普段、東京や横浜で使う私のオススメは90の方だ。短くて見切りが良く、しかも後席も意外と広く使える。

引き締まった小さなボディに大きなキャパシティのエンジンは今の時代ではそぐわないかもしれない。しかし、ヒストリーとプレミアムブランドのクロスロードが、マキシマムのストーリーを達成させるのである。
 

ディフェンダー

実用面での強みをみせるディーゼルモデル

ディフェンダー
ディフェンダー

次に2024モデルの110 D300の試乗へと移る。正直ホッとするグレードである。

6気筒ターボディーゼル ユニットは静粛性抜群で、おまけにパフォーマンスも前に述べたV8モデルと遜色ないと言える。 特にトルク特性は素晴らしく、安定した燃焼によって粘り強いトラクションを得やすい。ドラマチックな特性ではないが、どんなシチュエーションでも頼りになる。

ディフェンダー

ディーゼルは熱効率が高く、燃費も良好な方向であることも普段使いにはもってこいと言える。

コイル式のサスペンションはエアサスに比べるとしなやかさは欠けるものの、絶対的な耐久性は信頼できる。乗用車らしい乗り心地とは違いがあるものの、トラディショナルなオフロードモデルといった印象だ。

扱いやすさの点でシンプルかつ実用的なスペックになっている。毎日乗るのであれば燃料代もバカにはできないだろう。堅実で本物志向御用達のモデルこそ、D300なのかと思えて仕方がない。

ディフェンダー
ディフェンダー
文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●ディフェンダー 90 カルパチアン エディション 5.0L P525 4WD

型式 7BA-LE62EAC 最小回転半径 5.3m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.51m×2m×1.97m
ドア数 3 ホイールベース 2.59m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.7m/1.69m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2330kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

-

オプション色

-

掲載コメント

-

型式 7BA-LE62EAC
駆動方式 4WD
ドア数 3
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 -
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 5.3m
全長×全幅×
全高
4.51m×2m×1.97m
ホイール
ベース
2.59m
前トレッド/
後トレッド
1.7m/1.69m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2330kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 508PS 環境対策エンジン -
種類 V型8気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 スーパーチャージャー 燃料タンク容量 90リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 4999cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 525ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
625(63.7)/5500
エンジン型式 508PS
種類 V型8気筒DOHC
過給器 スーパーチャージャー
可変気筒装置 -
総排気量 4999cc
最高出力 525ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
625(63.7)/5500
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 90リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●ディフェンダー 110 カルパチアン エディション 5.0L P525 4WD

型式 7BA-LE72EAC 最小回転半径 6.1m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.95m×2m×1.97m
ドア数 5 ホイールベース 3.02m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.7m/1.69m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2450kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

-

オプション色

-

掲載コメント

-

型式 7BA-LE72EAC
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 -
オプション色 -
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 6.1m
全長×全幅×
全高
4.95m×2m×1.97m
ホイール
ベース
3.02m
前トレッド/
後トレッド
1.7m/1.69m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2450kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 508PS 環境対策エンジン -
種類 V型8気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 スーパーチャージャー 燃料タンク容量 90リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 4999cc 燃費(WLTCモード) -
燃費基準達成 -
最高出力 525ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
625(63.7)/5500
エンジン型式 508PS
種類 V型8気筒DOHC
過給器 スーパーチャージャー
可変気筒装置 -
総排気量 4999cc
最高出力 525ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
625(63.7)/5500
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 90リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) -km/L
燃費基準達成 -

【試乗車 諸元・スペック表】
●ディフェンダー 110 X 3.0L D300 ディーゼルターボ 4WD

型式 3CA-LE72WAB 最小回転半径 6.1m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.95m×2m×1.97m
ドア数 5 ホイールベース 3.02m
ミッション 8AT 前トレッド/後トレッド 1.7m/1.69m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 2460kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

サントリーニ・ブラックメタリック、アイガー・グレイメタリック、パンゲアグリーンメタリック、ゴンドワナストーンメタリック、ハクバシルバー・メタリック

オプション色

カルパチア・グレイプレミアム・メタリック、シリコン・シルバープレミアムメタリック

掲載コメント

-

型式 3CA-LE72WAB
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 8AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 サントリーニ・ブラックメタリック、アイガー・グレイメタリック、パンゲアグリーンメタリック、ゴンドワナストーンメタリック、ハクバシルバー・メタリック
オプション色 カルパチア・グレイプレミアム・メタリック、シリコン・シルバープレミアムメタリック
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
最小回転半径 6.1m
全長×全幅×
全高
4.95m×2m×1.97m
ホイール
ベース
3.02m
前トレッド/
後トレッド
1.7m/1.69m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 2460kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 DT306 環境対策エンジン -
種類 直列6気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 85リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2993cc 燃費(WLTCモード) 9.9km/L
└市街地:6.4km/L
└郊外:10.7km/L
└高速:12.1km/L
燃費基準達成 -
最高出力 300ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
650(66.3)/2500
エンジン型式 DT306 環境対策エンジン -
種類 直列6気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 85リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 2993cc 燃費(WLTCモード) 9.9km/L
└市街地:6.4km/L
└郊外:10.7km/L
└高速:12.1km/L
燃費基準達成 -
最高出力 300ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
650(66.3)/2500

▼検索条件

ランドローバー ディフェンダー(3代目) × 全国
※当記事で紹介しているグレードとは別グレードも含まれます。
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。