▲レンジローバースポーツとイヴォークの中間に位置するプレミアムSUV。ラグジュアリーさと優れた走破性を受け継ぎつつ、“Reductionism(還元主義)”に基づいて無駄を排したデザインに仕上げているという ▲レンジローバースポーツとイヴォークの中間に位置するプレミアムSUV。ラグジュアリーさと優れた走破性を受け継ぎつつ、“Reductionism(還元主義)”に基づいて無駄を排したデザインに仕上げているという

「攻めの姿勢」がカッコいい

レンジローバーを礎に、スポーツ、イヴォークときて、その間を埋める第4のモデルがヴェラールだ。

何がすごいって、とにかくカッコがいい。信号待ちで通りかかった人に穴が空くほど見つめられたのは久しぶりの経験だった。

デザイン画をそのままを再現したかのようなフロントからリアまでまっすぐにのびたショルダーライン、クーペのような薄いグラスエリアはピラーをブラックアウトすることでルーフを際立たせ、ドアハンドルは同門のジャガー Fタイプよろしくフラットに格納される。

インテリアもすごい。水平基調でシンプルながらも、10インチのタッチスクリーンを上下に2つ配することで、複数の機能を同時に表示し操作可能にしている。

オプションながらスマートフォンやウォッチと連動して、遠隔地からエンジン始動やドアの開閉も可能にするなど、最新のデバイスも満載だ。

ドライブするとこれまたすごい。

380psを発生する3L V6スーパーチャージャーは、今時の超ハイパワーエンジンに比べれば控えめなスペックだが、なんの不満もない。

驚くのはそのハンドリングの良さだ。電子制御エアサスをはじめ、内輪側にブレーキをかけ旋回性能を高めるトルクベクタリングバイブレーキなどを標準装備するが、もはやSUVとは思えない身のこなしを見せる。

今回オフロードを試す機会はなかったが、レンジローバーのそれについて今さら言及するのは蛇足というものだろう。

ヴェラールには、ランドローバーの世界で唯一の四輪駆動専門車メーカーとしての伝統は守りながらも、攻めの姿勢は崩さないという思いが溢れている。それが何よりカッコいいのだ。

▲インテリアはシンプルで美しい仕立て。2つのタッチスクリーンを用いた最新インフォテインメントシステムを採用する。リストバンド型アクティビティキーも用意 ▲インテリアはシンプルで美しい仕立て。2つのタッチスクリーンを用いた最新インフォテインメントシステムを採用する。リストバンド型アクティビティキーも用意
▲ランドローバーブランド初の格納式ドアハンドル(デプロイアブル・ドアハンドル)を備えた。ボディの80%以上にアルミを用いた軽量モノコック構造を採用する ▲ランドローバーブランド初の格納式ドアハンドル(デプロイアブル・ドアハンドル)を備えた。ボディの80%以上にアルミを用いた軽量モノコック構造を採用する
▲車高を自動調節するエアサスペンションを用意、テレインレスポンス2など最新デバイスも多数装着される。ラゲージフロアは通常673L、分割可倒式リアシートを倒せば最大1731Lとなる ▲車高を自動調節するエアサスペンションを用意、テレインレスポンス2など最新デバイスも多数装着される。ラゲージフロアは通常673L、分割可倒式リアシートを倒せば最大1731Lとなる

【SPECIFICATIONS】
■グレード:FIRST EDITION ■乗車定員:5名
■エンジン種類:V6DOHCスーパーチャージド ■総排気量:2994cc
■最高出力:380/6500[ps/rpm]
■最大トルク:450/3500[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長x全幅x全高:4820x1930x1685(mm) ■ホイールベース:2875mm
■車両価格:1526万円

text/藤野太一
photo/河野敦樹