【試乗】新型 フィアット ドブロ|簡素でしゃれた雰囲気をまとった欧州の商用車
2023/08/03
兄弟車の中で一番簡素で低価格なモデル
ヨーロッパの商用車を日本で広めた立役者はルノーのカングーであることに異論はないであろう。
しかしルノーに限らず、以前から欧州の商用車は魅力的なモデルであった。
「簡素=チープでカッコ悪い」という考えはアナクロニズムであって、チープだからこそ素のものであるからこそカッコイイ。昔からそういう考え方が日本には根付いている。
その世代を超えて今では「簡素でしゃれた感じ」がひとつの流れを作っている。「トラックがカッコイイ!」これも同様だ。手段であった道具がリクリエーションとして変化する。
今回試乗したフィアット ドブロは現在日本に正規輸入されているモデルの中でも商用車の雰囲気がありながら、おしゃれ感がある。
その中でもマキシという3列シートの7人乗りグレードを港区青山周辺で短い時間であったがドライブしたので雰囲気をお伝えしたい。
すでに日本に正規で輸入されているプジョー リフター、シトロエン ベルランゴと顔つきは違うがフィアット ドブロはそれらの兄弟モデルである。
すべて試乗しているが、ドブロの顔つきが最もシンプルで愛嬌があって簡素な雰囲気だ。
しかも、この兄弟モデルの中でもっとも価格が低い設定である。これぞ簡素におしゃれにふさわしい。
乗り込むととにかく簡素で素っ気ない。
こういうモデルは汚れやちょっとした傷も気にならない“隙”のあるモデルだ。そして飽きがきにくい。眺めは商用車で素の自分をさらけ出せる雰囲気もある。
搭載する1.5Lのディーゼルターボエンジンは、130馬力30.6kg・mを発揮する。
低回転からトルクが安定するディーゼルは、ガソリンユニットでいえば3Lクラス以上のトルクをもつ。なので、この風貌からは想像がつかない発進加速をするに違いない。
また、商用車は荷物を積む関係でギア比が低いことが多いので、機動性が極めて良いと想像できる。
エンジンを始動するとディーゼル特有の音は否めないがこういった隙のあるモデルは細かい範囲である。
バイワイヤ方式のセレクターをダイヤルをDレンジにしてスタートだ。
8速ATはとてもスムーズでいて滑らかだ。エンジン回転を上げることなくスイスイ走る。
3m近いホイールベースのため、乗り心地は落ち着いて見かけによらずソフトで乗り心地がいい。初めて乗る人には驚きであろう。これならどこに行っても苦じゃない。
カーブではロールもするが粘り強く、ヨーロッパの石畳や高速で鍛えた乗り心地のよさは本物だ。
ホイールベースが短いドブロの標準モデルには試乗していないが、同様の兄弟車をドライブした限りドブロ マキシの方がゆったりとした走りである。
さらに、スペースユーティリティは抜群で、マキシなら車中泊も容易だ。
子供のころ我が家に兄たちが読んだ『チープ・シック』という70年代の本があったけど素朴でライフスタイルを自分で作り出すというテーマはまさにドブロ的である。
「素敵な人は気取らない」そんな言葉がぴったりなモデルだ。
【試乗車 諸元・スペック表】
●1.5ディーゼルターボ
型式 | 3DA-K9FYH01L | 最小回転半径 | 5.8m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FF | 全長×全幅×全高 | 4.77m×1.85m×1.87m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.98m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.56m/1.57m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1660kg |
シート列数 | 3 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 7名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | インパネ | 最低地上高 | -m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
ジェラートホワイト |
||
オプション色 |
マエストログレー、メディテラネオブルー |
||
掲載コメント |
- |
型式 | 3DA-K9FYH01L |
---|---|
駆動方式 | FF |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | ジェラートホワイト |
オプション色 | マエストログレー、メディテラネオブルー |
シート列数 | 3 |
乗車定員 | 7名 |
ミッション 位置 |
インパネ |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.8m |
全長×全幅× 全高 |
4.77m×1.85m×1.87m |
ホイール ベース |
2.98m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.56m/1.57m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1660kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | -m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | YH01 | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 50リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 22.9km/L |
総排気量 | 1498cc | 燃費(WLTCモード) |
18.1km/L
└市街地:14.5km/L └郊外:18.2km/L └高速:20.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 130ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/1750 |
エンジン型式 | YH01 |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1498cc |
最高出力 | 130ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/1750 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 50リットル |
燃費(JC08モード) | 22.9km/L |
燃費(WLTCモード) | 18.1km/L
└市街地:14.5km/L └郊外: 18.2km/L └高速: 20.2km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。