プジョー 208GTi (大谷達也)【ニューモデル試乗】
カテゴリー: プジョーの試乗レポート
2013/08/05
「だって、運転が好きなんだもん、しょうがないじゃん」という乗り手のストレートな思いがきっと伝わるホットハッチ。ただし、乗り心地の洗練度については「プジョーだったらもういちだん上を狙えたはず」と感じてしまう
ちょっぴりオトナのホットハッチ
高性能を言い訳にせず、実用性にも十分配慮
1.6Lから200psを絞り出すハイチューンエンジンなんて、ひと昔前なら普段使いはあきらめるしかない扱いにくいシロモノでしかなかった。でも、PSAとBMWが共同開発したこのエンジンは驚くほどフレキシブル。トルク特性だって実にフラットで、最新エレクトロニクスの威力を思い知らされること請け合いだ。
プジョーが久しぶりに「GTi」の名を復活させた208GTiは、このパワフルで扱いやすいエンジンにすべてが象徴されているような気がする。基本的にはかなりのハイパフォーマンスカー。けれども、だからといって高性能なことを言い訳にせず、実用性にも十分配慮したホットハッチに仕立てられているのだ。
ほどよくスパイスが利いたオトナのためのコンパクトカー
たとえば、そのサスペンション。路面から入る衝撃をじわりと受け止めるいっぽうで、コーナリング中のボディの動きはしっかりと支える。率直にいって、ターンインでカミソリのような鋭敏さを示すわけでもなければ、スロットルペダルの動きでリアスライドをコントロールできる身軽さを備えているわけでもない。でも、ほどよく機敏で、優れたスタビリティを生み出す。物足りないと思う人もいるかもしれないが、なかなかオトナなセッティングである。
エクステリアもインテリアもていねいにモディファイされているけれど、決してド派手ではない。せいぜい「スポーティ・カジュアル」の範疇。でも、気負わず普段着で乗るなら、「化粧の濃さ」はこのくらいでちょうどいいと思う。
それでも、小径のステアリングを握り、6MTのシフトレバーを操れば、ホットハッチを走らせる楽しさは確実に心のなかで蘇る。「回春剤」なんて言葉はジジ臭くて似合わない。もっとアクティブに毎日を過ごすアナタにこそ相応しい、ほどよくスパイスが利いたオトナのためのコンパクトカーである。
SPECIFICATIONS
グレード | 208GTi | ||
駆動方式 | FF | ||
トランスミッション | 6MT | ||
全長×全幅×全高(mm) | 3960×1740×1470 | ||
ホイールベース(mm) | 2540 | ||
車両重量(kg) | 1200 | ||
乗車定員(人) | 5 | ||
エンジン種類 | 直4DOHCターボ | ||
総排気量(cc) | 1598 | ||
最高出力[ps/rpm] | 200/6000 | ||
最大トルク[N・m/rpm] | 275/1700 | ||
車両本体価格(万円) | 299 |
あわせて読みたい
- 先代BMW 3シリーズ(F30型)を買うなら、総額150万円以下が狙い目だ!
- 9年連続エンジン・オブ・ザ・イヤー2.0~2.5L部門賞を受賞した「2.5L直列5気筒TFSIエンジン」搭載の狙い目モデル3選
- 閑静な住宅街に潜む、跳ね馬と闘牛がいるガレージ【EDGE HOUSE】
- 【名車への道】’14 BMW i8
- アルピナマジック!~大人の車好きがたどり着く、ひとつの極致~【カーセンサーEDGE7月号】
- 本場ドイツの名門レース「DTM」が、再び注目を集めるワケ!【EDGE MOTORSPORTS】
- 残された時間はあとわずか!? 「大排気量エンジン×MT」という歓びを味わえるオススメモデル
- 手ごろなライトウェイトFRスポーツだったマツダ ロードスター(2代目・NB型)も値上がり傾向。狙うなら今しかない!
- 【試乗】新型 BMW 2シリーズ グランクーペ│前輪駆動で室内空間向上も、今までとは一味ちがう鋭さの増した駆け抜ける歓びを備えた1台!
- アマチュアからの人気が高い量産車ベースのカテゴリー「GT4」、GT3とは違うその魅力とは?【EDGE MOTORSPORTS】