▲街中でも峠でも、オープンで流しても軽く汗をかくぐらい攻め込んでも、場面を選ばず気持ちの良い走りを楽しめ、また美しい姿で魅せてくれる911タルガ4GTS。しかも高い実用性も備えるのだから文句のつけようがない。大人の我儘に究極的に応える1台 ▲街中でも峠でも、オープンで流しても軽く汗をかくぐらい攻め込んでも、場面を選ばず気持ちの良い走りを楽しめ、また美しい姿で魅せてくれる911タルガ4GTS。しかも高い実用性も備えるのだから文句のつけようがない。大人の我儘に究極的に応える1台

タルガは“GTS”の本質を体現する

1964年に登場したレーシングスポーツの904カレラGTSに使われ、その後、初代カイエン後期型から復活した“GTS”とは、快適に普段遣いできる日常性と充実した装備を備える一方、サーキットでも存分に楽しめる存在と定義されている。

そんな“GTS”を一堂に集めた試乗会が、スペインにて開催された。

目玉は911タルガ4GTSである。特徴的なタルガバーとソフトトップのルーフ、サイドまで回り込んだリアウインドウという往年のスタイルを最新の電動開閉式ルーフシステムと組み合わせた艶っぽい外観は、フロントバンパーの変更や各部のブラック仕上げなどにより、さらに精悍に。3.8Lフラット6は、吸気系の大幅な改良によってタルガ4Sの400psから430psまで向上させている。

実はパワーだけでなく実用域のトルクも向上しており、街乗りでも小気味良さが明らかに増している。しかも7000rpmから先では回転上昇の勢いがさらに高まり、一気にトップエンドまで駆け上がる刺激を味わえるのだから堪らない。9000rpmまで回るGT3には敵わないとは言え、“日常的に使い切る快感”を味わえるのはこちらのほうだろう。

乗り心地は快適そのもの。フットワークも、ワイドトレッドと電子制御式4WDの恩恵で、高い安定感の下で鋭い切れ味を堪能できる。さすがにサーキットで攻め込むと、車体後部の高い位置にルーフの開閉機構、大きなガラスウインドウなどの重量物があるせいかリアがスライドしやすく感じるが、まあタルガでそこまで攻める人はそうはいないだろう。

見目麗しく、日常域から本格的なスポーツ走行まで、刺激に富んだ走りを楽しめる911タルガ4GTS。これぞ、まさに“GTS”の本質を体現するモデルである。

▲センターロック式20インチホイールやBピラーにはグロスブラックタルガロゴなど専用パーツも装備 ▲センターロック式20インチホイールやBピラーにはグロスブラックタルガロゴなど専用パーツも装備
▲2シーターミッドシップのケイマン(979万円)とオープンのボクスター(966万円)。3.5L水平対向6気筒を搭載 ▲2シーターミッドシップのケイマン(979万円)とオープンのボクスター(966万円)。3.5Lの水平対向6気筒を搭載

【SPECIFICATIONS】
■グレード:Targa4GTS ■乗車定員:4名
■エンジン種類:水平対向6DOHC ■総排気量:3799cc
■最高出力:430/7500[ps/rpm]
■最大トルク:440/5750[N・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4500×1870×1295(mm) ■ホイールベース:2450mm
■車両重量:1560kg
■車両本体価格:2017万円(税込)

text/島下泰久 photo/ポルシェ ジャパン