【試乗】アウディ Q5スポーツバック|白銀世界での美しいスタイリングと質の高い走りで、ノーブルな世界へと誘われる
2022/03/01
アウディのセンスが光るSUV
昨今、クーペタイプのSUVを街でよく見かける。
SUVは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」といわれている。
しかし、個人的にはそのいでたちやBピラーより後ろの重々しい造形から、「スペース・ユーティリティ・ビークル」と感じずにはいられない。
アウディのミディアムSUVであるQ5は、まさにそのような力強く質感の高い造形、そしてインテリアの質感の高さから、北米で人気を博した。
とはいえ、1990年代後半頃からアウディは質感に加えスポーティ性も重視してきたブランドだ。
そして、この美しい5ドアクーペSUVのQ5スポーツバックは、新たなアウディのスタイルを世間にアナウンスした。
その流れからすれば、SUVのQシリーズに、美しいスポーツバックモデルを設定することが念頭にあったはずである。
今回、雪道を含んだロングドライブを行うことができたため、その際のインプレッションをお伝えしたい。
スタッドレスでも安定性は高い
今回試乗したのは、Q5スポーツバック40 TDIの1stエディション。
昨年の7月に日本で発表している、アウディの最新モデルのひとつである。
パワーユニットは、2020年以降のモデルに順次搭載されているEA288 evoという2Lターボディーゼルに、ベルト駆動式オルタネーターとリチウムイオン電池が搭載されたマイルドハイブリッドモデルだ。
そしてもちろん、アウディとくればスポーツ4WDシステムを携えたクワトロである。
都内を出発し赴いた場所は、避暑地で有名な蓼科である。冬は湖が凍るほどに冷え込み、白銀の世界が美しいところだ。
ブリヂストン製のスタッドレスタイヤを装着していたが、南諏訪までは乾いたアスファルトをひたすら走る。
スタッドレスタイヤでもロードノイズは少なく、タイヤの性能と静粛性が高いこともあり、快適なドライブだ。
中央道のマウンテンセクションも快適なクルージングだ。タイヤのブロックが柔らかくても、直進安定性はすこぶる良好だ。
トンネル入口の横風を受けても微動だにしない。
クーペボディの空力の良さと4WDシステムによって、高速のスタビリティはとてもいい。
そして、最新の2Lディーゼルターボは以前とは比べ物にならないほど静粛性が良好で、中間加速も気持ちがいい。
きびきびと高速の登坂を走るQ5スポーツバックは、南諏訪までの約130kmをあっという間の距離に感じさせるほど快適だ。
見た目も性能も、白銀の世界が似合う
南諏訪から山道をどんどん上っていくと、所々路面に積雪があったが、トラクションに不安定さはない。
スロットルを開けても、ステアリングが取られたりすることは皆無である。
そこからさらに国道を上っていく。白樺湖周辺まで来ると、路面は圧雪状態。
マイルドハイブリッドによってトルク曲線の谷も幾分マイルドになる傾向と、アウディのお家芸と言えるクワトロシステムによって、滑りやすい路面とは思えないほどに安定したドライビングが可能だ。
さらに県道を走り標高を上げていくと、雪質が水分の多いものから乾いたものへと変わっていく。
スタッドレスタイヤも本領発揮というところである。路面状況を確認しつつ、スピードを上げていく。
Sトロニックトランスミッションをホールドにして、スポーツドライビングを楽しむ。
スロットルと動力の反応による安心感あるトラクションによって、ターンインによる横滑りを抑制する。
さらに、リアの駆動力を大きくすることにより、舵角を大きく取らなくてもスムーズなコーナリングが可能だ。
少し空転させてタイヤに付いた雪を払うと、さらにグリップ力が出てぐんぐん前に進む。
トルクフルなエンジンが、スポーツドライビングにぴったりとはまった瞬間である。
ウルトラブルーメタリックのボディと白銀のコントラスは、凛とした美しさを感じる佇まいだ。ブルーは雪に似合うことがよくわかる。
雪道や山岳地帯といえば、武骨でマッチョなSUVのイメーが強いかもしれない。
しかし、ノーブルな白銀へと誘うのは、美しいスタイリングのSUVと深みのあるブルー、そして澄み切った青空なのである。
白銀のキャンバスによって映し出されたブルーの Q5 スポーツバックは、美しさを加速させていく。
【試乗車 諸元・スペック表】
●1st エディション ディーゼルターボ 4WD
型式 | 3CA-FYDTPS | 最小回転半径 | 5.5m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 4.7m×1.9m×1.66m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 2.83m |
ミッション | 7AT | 前トレッド/後トレッド | -m/-m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | -kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | -kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.18m |
マニュアルモード | - | ||
標準色 |
グレイシアホワイトメタリック、ウルトラブルーメタリック |
||
オプション色 |
- |
||
掲載コメント |
※限定230台 |
型式 | 3CA-FYDTPS |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 7AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | グレイシアホワイトメタリック、ウルトラブルーメタリック |
オプション色 | - |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
- |
最小回転半径 | 5.5m |
全長×全幅× 全高 |
4.7m×1.9m×1.66m |
ホイール ベース |
2.83m |
前トレッド/ 後トレッド |
-m/-m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | -kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | -kg |
最低地上高 | 0.18m |
掲載用コメント | ※限定230台 ※諸元・装備情報は一部ベースとなるグレードの情報を掲載しております |
エンジン型式 | DTP | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | 軽油 |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 70リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 1968cc | 燃費(WLTCモード) |
14.5km/L
└市街地:11.7km/L └郊外:14.5km/L └高速:16.2km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 204ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/3250 |
エンジン型式 | DTP |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 204ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
400(40.8)/3250 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | 軽油 |
燃料タンク容量 | 70リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 14.5km/L
└市街地:11.7km/L └郊外: 14.5km/L └高速: 16.2km/L |
燃費基準達成 | - |
自動車テクノロジーライター
松本英雄
自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。