【試乗】新型 BMW XM|峠ではまさしくスポーツカー! SUVで登場した半世紀ぶりのM専用モデル
カテゴリー: BMWの試乗レポート
2024/01/19
走り出しは硬派すぎる乗り心地だが……
BMWのラージモデルはえげつない顔になった。キドニーグリルは大きくなる一方で、ヘッドライトはサイボーグのよう。7シリーズ以来の“アイアンマンフェイス”(勝手にそう呼んでいる、トニー・スタークのお面顔でもいいけれど)は今や高級ビーエムのシンボルとなった。
電動モデルiXのマスクもかなりのアイアンぶりだったけれど、キワメツケはやはりこのXMだった。面構えのみならず、全体のデザインから色使いまで、マジでアイアンマン。映画に出てきてもおかしくない。
実はこれBMW Mとしては実にM1以来となる専用デザインのモデルである。とはいってもハナからM専用として企画されたモデルではなかったようだ。当初はX7ベースのSUVクーペ、法則にのっとってあえて呼べばX8、として企画されたSUVだったのだが、大型ラグジュアリーSUV市場におけるスペシャリティクーペ需要を考えたとき、M専用モデルとして提供し一層の特別感を出した方がビジネス的には「正」という判断だったのだろう。それゆえパワートレインは1種類のみのモノグレードでワンプライス設定となっている。
M専用のSUVにふさわしいスペックを提げてきた。489ps/650N・mの4.4L V8ツインターボ+197ps/280N・mのモーターで、システム総合スペックはなんと653ps/800N・m。もちろんこれはMのロードカー史上で最強のパワートレインスペックだ。
赤いボタンをプッシュすると、今どきちょっと迷惑に思うくらいの轟音とともにV8エンジンが目を覚ました。
思いのほか軽やかに走り出したが、そのあまりに硬派な乗り心地には誰もが驚くはず。試乗車には23インチのタイヤ&ホイールが装着されていた。BMWには、アルピナも含めて、薄くてでかいタイヤを履いていても乗り心地をよく思わせるノウハウがあるはず。なのだが、XMではそんな気遣いは余計なお世話とばかり、馬鹿でかいタイヤを見て想像したとおりのスパルタンなライドフィールである。しかも運転席以外ではそれが一層顕著になるから、やはりMは究極のドライバーズカーとしてこのSUVを仕上げたと言ってよさそうだ。
高速道路では空いたところを見計らってほんの一瞬だけフル加速を試してみた。V8エンジンの盛大なうなりがなんとも頼もしい。続くエグゾーストノートはバリバリと豪快で、粒子の細かな砂浜をかき回すように滑らかな回転フィールの心地よさと絶妙なコントラストを成す。そしてもちろん、その体感フィールはすさまじくパワフルだ。重くて大きな身体が一塊のまま飛んでいきそうな恐怖感さえ覚えた。なんとまぁスリリングなことか!
70km/hを超えたあたりから少しは硬質な乗り心地から解放される。フラットライドフィールが強まり、適度な硬さを心地よく感じるようになった。アウトバーン領域ではさぞかしきっとマジックライドなことだろう! そういう意味では完全にアウトバーンのスポーツカーだ。
そう、こう見えてワインディングロードも驚くほど軽快にこなす。その操縦感覚はまさにスポーツカー。ドライバーの意志に忠実で、視線も高いから本当に攻めやすい。重量があるにもかかわらずブレーキ性能も強力で、それがスリリングな加速を裏から支える。左右に連続するコーナーではさすがに重量を徐々に体感するけれども、シャシーが悲鳴を上げることもない。
さすがはMのフラッグシップというべきか。
▼検索条件
BMW XM× 全国自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
ライバルとなるメルセデスAMG Gクラス(現行型)の中古車市場は?
ラダーフレームを採用した本格オフローダー「Gクラス」のハイパフォーマンスバージョン。最高出力585ps/最大トルク850N・mの4L V8ツインターボを搭載し、オンロードの走行性能を向上させている。
2024年1月上旬時点で、中古車市場には320台ほどが流通。価格帯は1820万~3950万円と、高値安定が続いている。現在は新車の納車期間が長いため、流通量も比較的豊富な中古車でお気に入りの1台を探してみてはいかがだろうか。
▼検索条件
メルセデスAMG Gクラス(現行型)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●4.4 4WD
型式 | 3LA-22CS44 | 最小回転半径 | 6.2m |
---|---|---|---|
駆動方式 | 4WD | 全長×全幅×全高 | 5.11m×2.01m×1.76m |
ドア数 | 5 | ホイールベース | 3.11m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.72m/1.69m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | ◯ | 車両重量 | 2710kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2985kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.22m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
カーボン・ブラックメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、マリナ・ベイ・ブルーメタリック、トロント・レッドメタリック、ケープ・ヨーク・グリーンメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、サンパウロ・イエロー、アイル・オブ・マン・グリーンメタリック |
||
オプション色 |
アングルシー・グリーンメタリック、セピアメタリック、ぺトロール・マイカメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、アーバン・グリーン |
||
掲載コメント |
※交流電力量消費率(プラグインハイブリッド) WLTCモード 327Wh/km 市街地モードWLTC-L 311Wh/km 郊外モードWLTC-M 307Wh/km 高速道路モードWLTC-H 357Wh/km |
型式 | 3LA-22CS44 |
---|---|
駆動方式 | 4WD |
ドア数 | 5 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | ◯ |
標準色 | カーボン・ブラックメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ミネラル・ホワイトメタリック、マリナ・ベイ・ブルーメタリック、トロント・レッドメタリック、ケープ・ヨーク・グリーンメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、サンパウロ・イエロー、アイル・オブ・マン・グリーンメタリック |
オプション色 | アングルシー・グリーンメタリック、セピアメタリック、ぺトロール・マイカメタリック、フローズン・ブリリアント・ホワイトM、アーバン・グリーン |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 6.2m |
全長×全幅× 全高 |
5.11m×2.01m×1.76m |
ホイール ベース |
3.11m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.72m/1.69m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 2710kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 2985kg |
最低地上高 | 0.22m |
掲載用コメント | ※交流電力量消費率(プラグインハイブリッド) WLTCモード 327Wh/km 市街地モードWLTC-L 311Wh/km 郊外モードWLTC-M 307Wh/km 高速道路モードWLTC-H 357Wh/km ※充電電力使用時走行距離(プラグインレンジ)WLTCモード 107km |
エンジン型式 | S68B44A | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | V型8気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 69リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(10.15モード) | -km/L |
総排気量 | 4394cc | 燃費(WLTCモード) |
8.5km/L
└市街地:6.3km/L └郊外:9.1km/L └高速:9.5km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 489ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
650(66.3)/5000 |
エンジン型式 | S68B44A |
---|---|
種類 | V型8気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 4394cc |
最高出力 | 489ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
650(66.3)/5000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 69リットル |
燃費(10.15モード) | -km/L |
燃費(WLTCモード) | 8.5km/L
└市街地:6.3km/L └郊外: 9.1km/L └高速: 9.5km/L |
燃費基準達成 | - |