【試乗】 新型 BMW 330e Mスポーツ|エンジンでもモーターでも変わらない走行フィール! 電動化時代のBMWらしさを体感できる1台
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: BMW / セダン / プラグインハイブリッド / 3シリーズ / EDGEが効いている / 西川淳
2023/03/09
他のグレードにはない懐の深い乗り心地
SUVクロスオーバースタイルが全盛の今、頑張っているセダンもある。例えば、今回の主役であるBMW 3シリーズだ。現行モデルのG20型は2018年にワールドプレミアされて以来、欧州、北米、日本といった主要マーケットで相変わらずの人気を博している。世界で最も売れているプレミアムサルーンの1台だと言っていい。
2020年にプラグインハイブリッドグレードの強化など大掛かりな改良を実施済みで、それゆえ2022年に受けた初のビッグマイナーチェンジでは、主に内外装のデザイン変更と装備のアップグレードにとどまっている。
エクステリアでは、バンパーグリルまわりの立体感が強調され顔立ちのスポーティ感が増したのが最大の特徴だろう。LEDヘッドライトもより薄くシャープに。リアのコンビネーションランプはワイドな印象となって、バンパーまわりも車体を低く見せるデザインへと変更された。
デザイン面で注目すべきはエクステリアよりむしろインテリアの方だ。巨大なカーブド・ディスプレイはBEVを含む最新BMWと同様のイメージで、12.3インチのメーターディスプレイと14.9インチのコントロールディスプレイを一体化し湾曲させている。BMWの伝統というべき“ドライバーオリエンテッド”なダッシュデザインをモダンに再解釈した。
iドライブまわりの景色もスッキリした。大きなシフトレバーがついに廃され、ごく小さなレバースイッチがその代わりを務める。全車パドルシフトを標準で装備するため、自発的に変速したい人も見捨ててはいない。
取材車両は330eのMスポーツ、つまりPHEVの3シリーズセダンだった。
改めてそのシステム概要とスペックを記しておく。B48型 2L直4DOHCターボエンジンに電気モーター+リチウムイオンバッテリー(12kWh)を加えてシステム最大出力292ps、同最大トルク420N・mというハイスペックを実現している。満充電時の電動航続距離は最大で56.4km(WLTCモード)。実質的には50km前後だろう。
BEVとして走っている間も、ドライブフィールはエンジンモデルとほとんど変わらないのが特徴だ。低重心でどっしりと走るBEV風味は薄い。以前はもう少し重厚さが優っていた。端的に言って重量増を感じていたのだ。それがないから、エンジンがかかってからもドライブフィールの調子が変わるということがない。駆動力によるフィールの差異がほとんどないという点こそが最新BMW電動モデルの特徴と言える。
330eを一言で表現すれば“上等な3シリーズ”となる。シャシーとサスペンション、そしてステア系統の連携が後期モデルとなって大いに成熟した。ステアリングホイールと前輪とのつながりがとても滑らかに感じる。3シリーズといえばそもそもスポーティセダンであったけれど、いっそうドライバーの意思に忠実に動かせるようになった、とでも言おうか。そのうえで乗り心地には他のグレードにはない懐の深さを感じることができた。重量増によるデメリットもほとんどなく、3シリーズらしい走りにまずは納得する。
ワインディングロードでは電動モーターの瞬発力を借りた走りを堪能した。前後重量バランスとバッテリー配置の妙だろうか、電動パワーに助けを頼んだぶん、アクセルコントロールのみで走らせやすいという印象も持てた。たとえ本格的な電動時代が来ようともBMWらしいサルーンのあり方、特に走りの印象は大きく変わることはない、と確信できる仕上がりだ。
積極的に未来を志向するユーザーにとっては、(i4やi7のように)BEVであってもエンジン車とプラットフォームを共有すること自体、中途半端なモデルに映るかも知れない。そうではなくて、もうすでに楽しいとわかっているブランドで、独特のドライビングテイストをこれからもずっと愛用していきたいと思う向きにはやはり、エンジン車とモーター車の境目をならして提供していくほかないのだろう。BMWのPHEVはその第一歩としてとても良くできたモデルシリーズになっていると思う。
▼検索条件
BMW 330e× 全国自動車評論家
西川淳
大学で機械工学を学んだ後、リクルートに入社。カーセンサー関東版副編集長を経てフリーランスへ。現在は京都を本拠に、車趣味を追求し続ける自動車評論家。カーセンサーEDGEにも多くの寄稿がある。
BMW 3シリーズ(現行型)の中古車市場は?
日本では2019年1月に発表された現行3シリーズセダン。プラグインハイブリッドをはじめ、チューニングの異なる複数の2L直4ガソリンターボ、2L直4ディーゼルターボ、3L直6ターボを搭載したMパフォーマンスモデル(M340i)と、パワートレインの選択肢は豊富だ。
2022年2月後半時点、中古車市場には約560台、プラグインハイブリッドの330e以外だと約500台が流通している。その半数以上がガソリンエンジンモデルで、ディーゼルモデルも約210台が流通中。どちらも300万円前後の予算から探すことができる相場を形成中。また、3シリーズのトップグレードで直6エンジンを搭載するM340iも約30台ほど流通しており、570万~800万円となっている。
▼検索条件
BMW 3シリーズ(現行型)× 全国【試乗車 諸元・スペック表】
●330e Mスポーツ
型式 | 3LA-5X20 | 最小回転半径 | 5.4m |
---|---|---|---|
駆動方式 | FR | 全長×全幅×全高 | 4.72m×1.83m×1.45m |
ドア数 | 4 | ホイールベース | 2.85m |
ミッション | 8AT | 前トレッド/後トレッド | 1.59m/1.57m |
AI-SHIFT | - | 室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
4WS | - | 車両重量 | 1820kg |
シート列数 | 2 | 最大積載量 | -kg |
乗車定員 | 5名 | 車両総重量 | 2095kg |
ミッション位置 | フロア | 最低地上高 | 0.15m |
マニュアルモード | ◯ | ||
標準色 |
アルピン・ホワイト、ブルックリン・グレーメタリック、フローズン・ピュア・グレーメタリック、フローズン・タンザナイトブルーメタリック |
||
オプション色 |
ミネラル・ホワイトメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、メルボルン・レッドメタリック |
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掲載コメント |
- |
型式 | 3LA-5X20 |
---|---|
駆動方式 | FR |
ドア数 | 4 |
ミッション | 8AT |
AI-SHIFT | - |
4WS | - |
標準色 | アルピン・ホワイト、ブルックリン・グレーメタリック、フローズン・ピュア・グレーメタリック、フローズン・タンザナイトブルーメタリック |
オプション色 | ミネラル・ホワイトメタリック、ブラック・サファイアメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、タンザナイト・ブルーメタリック、ドラバイト・グレーメタリック、メルボルン・レッドメタリック |
シート列数 | 2 |
乗車定員 | 5名 |
ミッション 位置 |
フロア |
マニュアル モード |
◯ |
最小回転半径 | 5.4m |
全長×全幅× 全高 |
4.72m×1.83m×1.45m |
ホイール ベース |
2.85m |
前トレッド/ 後トレッド |
1.59m/1.57m |
室内(全長×全幅×全高) | -m×-m×-m |
車両重量 | 1820kg |
最大積載量 | -kg |
車両総重量 | 2095kg |
最低地上高 | 0.15m |
掲載用コメント | - |
エンジン型式 | B48B20A | 環境対策エンジン | - |
---|---|---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC | 使用燃料 | ハイオク |
過給器 | ターボ | 燃料タンク容量 | 40リットル |
可変気筒装置 | - | 燃費(JC08モード) | 16.7km/L |
総排気量 | 1998cc | 燃費(WLTCモード) | 13.4km/L └市街地:9.7km/L └郊外:14km/L └高速:15.5km/L |
燃費基準達成 | - | ||
最高出力 | 184ps | 最大トルク/回転数 n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/4000 |
エンジン型式 | B48B20A |
---|---|
種類 | 直列4気筒DOHC |
過給器 | ターボ |
可変気筒装置 | - |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 184ps |
最大トルク/ 回転数n・m(kg・m)/rpm |
300(30.6)/4000 |
環境対策エンジン | - |
使用燃料 | ハイオク |
燃料タンク容量 | 40リットル |
燃費(JC08モード) | 16.7km/L |
燃費(WLTCモード) | 13.4km/L └市街地:9.7km/L └郊外: 14km/L └高速: 15.5km/L |
燃費基準達成 | - |