GLCクーペ▲自動車テクノロジーライター松本英雄氏が、新型メルセデス・ベンツ GLCクーペに試乗した際のレポートをお届け

外観からも見て取れる質感の進化

ミッドサイズのSUVを街中で見かけることが多い。日本における利便性とプレミアム感という点で、このクラスが選択されるのは市場の原理というものであろう。

その中でも2016年に日本仕様として登場した初代GLCは、堂々としたスタイリングで絶妙のクラスをついたモデルだった。都内でも2Lガソリンとディーゼルモデルから、AMGモデルと幅広いグレードをよく目にする。
 

GLC ▲こちらが初代のGLC

そのGLCに、「スポーティ」という雰囲気を加えたのがGLCクーペである。

ホイールアーチと全高が低く、リアがスラントされていて文字どおりクーペスタイルで力強さとスタイリッシュを表現した。
 

GLCクーペ
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日本では初代の登場から約7年、初めてのフルモデルチェンジである。

GLCクーペのラインナップは今回試乗した「220 d 4マチック」に始まり、プラグイン ハイブリッドモデルの「350 e 4マチック」、ハイパフォーマンスモデルの「AMG 43 4マチック」と「63 S Eパフォーマンス」まで揃っている。いずれも「MRA2プラットフォーム」を採用して剛性感を高めている。

ボディサイズは大型化しているが、ボディパネル全体をなめらかにしてとろみがかった意匠にしている。メルセデスらしい質感の良さが、先代よりも高くなっている印象だ。
 

GLCクーペ

ホールベースも2875mmから2890mmに伸ばして、居住性とトランク容量も向上させた。

インテリアの質感は外観同様に向上させ、クラスを一気に上げた雰囲気だ。大型化したインフォテインメントディスプレイは、まるでSクラスのようである。
 

GLCクーペ
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メルセデス・ベンツ GLCクーペ(2代目) × 全国
※当記事で紹介しているグレードとは別グレードも含まれます。

マイルドハイブリッドがもたらす軽やかな動き出し

エンジンを始動させる。220dのユニットは2Lディーゼルターボではあるが、静粛性は非常に良好だ。先代のユニットと明らかに違う。

走り出す感じも出力をためてからの発進ではなく、スッと軽やかに2tを超えるボディを動かす。

新たなユニットはスターターとジェネレーターを統合して搭載した、世界初のディーゼルユニットだそうだ。マイルドハイブリッドの本領が発揮される軽やかな走り出しだ。
 

GLCクーペ

先代と同じユニットよう感じられるが、クランクシャフトを変更しストロークも変えている。加えて直噴インジェクターの圧力を変更して性能を向上したそうだが、乗り比べると驚くほどの違いがある。

メルセデスはディーゼルエンジン搭載の普通乗用車を初めて世界に送りだした歴史もあるだけに素晴らしいユニットを作り出す。
 

GLCクーペ

新たなプラットフォームによって乗り心地は非常に良好だ。路面とのコンタクトを絶えずはっきりとさせてドライバーや乗員を安心させる。

しかも、ハンドリングも秀逸だ。クーペらしいスポーティな要素もあるが、どちらかというと軽快なハンドリングとハイウェイを快適に走らせるミディアムクラスのSUVグランツーリングという印象だ。

9Gトロニックとのコンビネーションも反応良く、加速と減速時のギアセレクトを的確で瞬時に行う。
 

GLCクーペ

ファストバックであるので後席の居住性は満点とはいえないが、これは快適性が高い2+2と思えばそれでいいと思う。

燃費と扱いやすさもいい。

加速性能も非常にキビキビと走り、エンジンとクーペスタイルのマッチングはいいあんばいだ。
 

GLCクーペ
文/松本英雄、写真/尾形和美
※記事内の情報は2024年7月15日時点のものです。

【試乗車 諸元・スペック表】
●GLCクーペ 220 d 4マチック (ISG搭載モデル) AMGラインパッケージ ディーゼルターボ 4WD

型式 3CA-254305C 最小回転半径 5.5m
駆動方式 4WD 全長×全幅×全高 4.77m×1.92m×1.61m
ドア数 5 ホイールベース 2.89m
ミッション 9AT 前トレッド/後トレッド 1.63m/1.64m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS 車両重量 1980kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 -kg
ミッション位置 コラム 最低地上高 0.18m
マニュアルモード    
標準色

ポーラーホワイト

オプション色

オブシディアンブラック、ノーティックブルー、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド

掲載コメント

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型式 3CA-254305C
駆動方式 4WD
ドア数 5
ミッション 9AT
AI-SHIFT -
4WS
標準色 ポーラーホワイト
オプション色 オブシディアンブラック、ノーティックブルー、グラファイトグレー、モハーベシルバー、ハイテックシルバー、スペクトラルブルー、オパリスホワイト、パタゴニアレッド
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
コラム
マニュアル
モード
最小回転半径 5.5m
全長×全幅×
全高
4.77m×1.92m×1.61m
ホイール
ベース
2.89m
前トレッド/
後トレッド
1.63m/1.64m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1980kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 0.18m
掲載用コメント -
エンジン型式 654M 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 軽油
過給器 ターボ 燃料タンク容量 62リットル
可変気筒装置 - 燃費(JC08モード) 19.1km/L
総排気量 1992cc 燃費(WLTCモード) 18.2km/L
└市街地:14.3km/L
└郊外:18.6km/L
└高速:20.4km/L
燃費基準達成 -
最高出力 197ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
440(44.9)/2800
エンジン型式 654M
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1992cc
最高出力 197ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
440(44.9)/2800
環境対策エンジン -
使用燃料 軽油
燃料タンク容量 62リットル
燃費(JC08モード) 19.1km/L
燃費(WLTCモード) 18.2km/L
└市街地:14.3km/L
└郊外: 18.6km/L
└高速: 20.4km/L
燃費基準達成 -

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松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。