同クラスを上回るメルセデスの安全性

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ダッシュボード上にはARTICO製人工レザーを採用するなど、上級モデルと遜色ない質感。衝突回避緊急自動制動をこのクラスで初めて装備
メーカー自身にとっても予想以上のヒットとなったBクラスの新型は、何と特徴だった二重フロア構造を廃して“普通の”背高コンパクトとして登場した。二重フロアはコストがかかるし、間にバッテリーを積めばEVや燃料電池車にもしやすいと謳われたが、これらは未だ市販に至っていない。それならば…というわけだ。

パワートレインも一新。ガソリン仕様のB180、B200はともに新開発の1.6L直噴ターボエンジンに、7G-DCTと呼ばれる7速デュアルクラッチギアボックスを組み合わせる。

高い安全性も新型Bクラスのセールスポイントだ。前走車が接近すると、警告とともにブレーキアシストを起動し、ブレーキ操作に対して即座に最大の制動力を立ち上げるコリジョンプリベンションアシストを全車に標準装備するなど、クラスの水準を塗り替える内容を実現している。

将来的にはEVや燃料電池搭載も

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前後スライドにより荷室は66Lに拡大。新しいプラットフォームの下には、EVバッテリーなどを置くためのスペースが備わるという
二重フロアを廃したことで着座位置が低くなり、運転姿勢も普通になったのが、まず朗報。荷室はやや狭くなったが、先代でS/Eクラス並みと謳っていた後席が、この新型になっても広さをキープしているのは立派だ。

動力性能は必要十分。当然、B200の方が余裕はあり、アクセル開度もむしろ小さくなる。果たして燃費がいいのはどちらか。7G-DCTはATのような滑らかさ重視。もう少し歯切れが良くてもいい。シャシーはまだ熟成不足だ。ハンドリングはともかく乗り心地の面で、新採用のランフラットタイヤをまだ履きこなせていない。ここは来春の日本導入までに煮詰めが急務だろう。

ところでフロアの件だが、よくよく聞くとEVや燃料電池車に仕立てる際にはボディ後半部だけ二重にできる柔軟な設計になっていた。そりゃそうだ。これからがやっとEVや燃料電池車の時代。さすがに、そこには抜かりは無かったのである。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード B200
全長×全幅×全高(mm) 4359×1786 ×1557
車両重量(kg) 1395
エンジン種類 直4DOHCターボ
総排気量(cc) 1595
最高出力[ps/rpm] 156/5300
最大トルク[kg-m/rpm] 25.5/1250~4000
車両本体価格 -万円
Tester/島下泰久 Photo/メルセデス・ベンツ日本