アルピーヌ A110▲2022年2月にマイナーチェンジを受けた、フレンチミッドシップスポーツのアルピーヌ A110。今回は「GT」と「S」の2グレードに試乗する機会を得た。自動車テクノロジーライターの松本英雄氏によるインプレッションをお届けする

マイナーチェンジでエンジンパワーがアップ

2018年に試乗した新生アルピーヌ A110も、登場から3年半が経ちマイナーチェンジ(MC)を受けた。

このMCモデルでは、3つのタイプをチョイスすることができる。

ベースの“A110”は持ち前の良質な素性を堪能できるモデルで、エンジンパワーに変更はない。

そして、エンジンパワーがアップされた“A110 GT”と“A110 S”である。

今回は、この2台に箱根で試乗する機会を得たので、その様子をお伝えしよう。

アルピーヌ A110
アルピーヌ A110

上品で完璧なスポーツカーを味わえるA110 GT

初めにA110 GTへと乗り込む。

インフォテインメントもグレードアップして、ますます使い勝手が良くなったそうだ。

それ以上にセンスの良さが際立つのが、高級感あるインテリアの質感だ。プレミアム感の演出がとにかく上手だと感じる。

アルピーヌ A110

Dボタンをセレクトしてスタートだ。

今回のMCのトピックスの一つが、このA110 GTとA110 Sに搭載されるエンジンがパワーアップされ、300psとなったこと。

エンジンを始動すると、以前よりも低音が利いているようだ。チューニングされた4気筒ユニットのエグゾーストから奏でる音は、気持ちを高揚させる。

持て余すようなポテンシャルをもつが、街中を流すだけでも十分に嬉しさを感じることができる。

奏でる音と同時に、ゲトラーク製のデュアルクラッチ式のトランスミッションも心地よくシフトアップする。

サスペンションはしなやかで底付き感はなく、ターンパイクの緩やかなアンジュレーションを美しくなぞる。

路面とのコンタクトに申し分ない。ステアリングフィールはさらに意のままに正確無比を増した。

アルピーヌ A110

後日、A110 GTをさらに長い期間借り、日常使いをしてみた。

乗り心地もしなやかで見切りもよく気取っていない。車をよく知る通好みとは、このようなモデルのことではないかと思う。

常用のスポーツカー4気筒部門では最高峰のパフォーマンスである。これ以上のモデルがあれば知りたいくらいだ。

それでいて、コーナーを速く! とか加速うんぬんよりも、上品で完璧なスポーツカーを味わえるという喜びの方が大きい。

MCモデルと控えめな言い方をしているが、リファインモデルといった方が良いと思う。各部のネガを洗い出してポジティブに発展するアルピーヌのやり方は王道でいい。

アルピーヌ A110

サーキットやワインディングで真価を発揮するA110 S

続いて、A110 Sに乗り込む。

こちらもGT同様の300ps仕様だが、乗り込んだときのボディの沈み込みが明らかに違い、ソリッドな印象だ。

走り出してすぐに感じたのが、路面とのコンタクトがダイレクトだということ。

これは、相当な速度に達しなければ、動きがスムーズに感じられないというポテンシャルであるということだ。

具体的には、路面状態の良いサーキットのようなシーンで、間違いなくパフォーマンスを発揮するセッティングだ。

アルピーヌ A110

一般道では、むしろ気を抜くと路面のうねりによってシビアなステアリング操作が必要となる。

スポーツカーの際立った特性としては間違いのないハンドリングだが、ある程度必要な「曖昧さ」が少なくなっているのも事実だ。

どこか遠くの素晴らしい景色を見に行くのはGTに任せ、Sはハンドリングを堪能するためにサーキットやワインディングを流すのにうってつけである。

アルピーヌ A110

フランスらしいエレガントで心地のよいスポーツカーを感じるならば、私は断然GTをオススメする。

いつまでも乗り続けたいエッセンスが満載の、ファインされたモデルである。

文/松本英雄、写真/篠原晃一

【試乗車 諸元・スペック表】
●GT

型式 7BA-DFM5P4 最小回転半径 5.8m
駆動方式 MR 全長×全幅×全高 4.21m×1.8m×1.25m
ドア数 2 ホイールベース 2.42m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド -m/-m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1130kg
シート列数 1 最大積載量 -kg
乗車定員 2名 車両総重量 -kg
ミッション位置 コラム 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ブラン グラシエ

オプション色

ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼM、グリ トネールM、ノワールプロフォンM、ブルーアビスM、グリ トネール マット、オランジュ フーM

掲載コメント

-

型式 7BA-DFM5P4
駆動方式 MR
ドア数 2
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラン グラシエ
オプション色 ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼM、グリ トネールM、ノワールプロフォンM、ブルーアビスM、グリ トネール マット、オランジュ フーM
シート列数 1
乗車定員 2名
ミッション
位置
コラム
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.21m×1.8m×1.25m
ホイール
ベース
2.42m
前トレッド/
後トレッド
-m/-m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1130kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 M5P 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 45リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1798cc 燃費(WLTCモード) 14.1km/L
└市街地:9.6km/L
└郊外:15km/L
└高速:16.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 300ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
340(34.6)/2400
エンジン型式 M5P
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1798cc
最高出力 300ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
340(34.6)/2400
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 45リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 14.1km/L
└市街地:9.6km/L
└郊外: 15km/L
└高速: 16.7km/L
燃費基準達成 -

●S

型式 7BA-DFM5P4 最小回転半径 5.8m
駆動方式 MR 全長×全幅×全高 4.21m×1.8m×1.25m
ドア数 2 ホイールベース 2.42m
ミッション 7AT 前トレッド/後トレッド 1.56m/1.55m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
4WS - 車両重量 1120kg
シート列数 1 最大積載量 -kg
乗車定員 2名 車両総重量 -kg
ミッション位置 コラム 最低地上高 -m
マニュアルモード
標準色

ブラン グラシエ

オプション色

ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼM、グリ トネールM、ノワールプロフォンM、ブルーアビスM、グリ トネール マット、オランジュ フーM

掲載コメント

-

型式 7BA-DFM5P4
駆動方式 MR
ドア数 2
ミッション 7AT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 ブラン グラシエ
オプション色 ブルーアルピーヌM、ブラン イリゼM、グリ トネールM、ノワールプロフォンM、ブルーアビスM、グリ トネール マット、オランジュ フーM
シート列数 1
乗車定員 2名
ミッション
位置
コラム
マニュアル
モード
最小回転半径 5.8m
全長×全幅×
全高
4.21m×1.8m×1.25m
ホイール
ベース
2.42m
前トレッド/
後トレッド
1.56m/1.55m
室内(全長×全幅×全高) -m×-m×-m
車両重量 1120kg
最大積載量 -kg
車両総重量 -kg
最低地上高 -m
掲載用コメント -
エンジン型式 M5P 環境対策エンジン -
種類 直列4気筒DOHC 使用燃料 ハイオク
過給器 ターボ 燃料タンク容量 45リットル
可変気筒装置 - 燃費(10.15モード) -km/L
総排気量 1798cc 燃費(WLTCモード) 14.1km/L
└市街地:9.6km/L
└郊外:15km/L
└高速:16.7km/L
燃費基準達成 -
最高出力 300ps 最大トルク/回転数
n・m(kg・m)/rpm
340(34.6)/2400
エンジン型式 M5P
種類 直列4気筒DOHC
過給器 ターボ
可変気筒装置 -
総排気量 1798cc
最高出力 300ps
最大トルク/
回転数n・m(kg・m)/rpm
340(34.6)/2400
環境対策エンジン -
使用燃料 ハイオク
燃料タンク容量 45リットル
燃費(10.15モード) -km/L
燃費(WLTCモード) 14.1km/L
└市街地:9.6km/L
└郊外: 15km/L
└高速: 16.7km/L
燃費基準達成 -
松本英雄(まつもとひでお)

自動車テクノロジーライター

松本英雄

自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。