必ずしも安かろう=悪かろう、ではありません

新車と中古車の違いで、大きな特徴の一つは、価格の決まり方。新車の場合はメーカーが価格を付けますが、中古車の場合は「人気」が価格を決めると言っていいでしょう。

中古車は需要と供給のバランスで価格が決まります。この車を100万円で買いたい人と、100万円で売りたい販売店がいれば商談成立です。この「買いたい」「売りたい」価格の決まり方を、人気が左右しているのです。例えば現行モデルと旧型では現行モデルのほうが人気が高い。そのため旧型は現行モデルより価格を安くせざるをえません。またA社のミニバンとB社のミニバンで、A社のほうが人気が高ければ、B社のミニバンの中古車は価格を下げないと売れなくなります。こういう「人気の要素」はほかに、年式、色、オプション装備の有無、走行距離など様々なものがあり、それらが価格を左右しているのです。

さて、質問の「新車時500万円」だった車が100万円の中古車で販売されているケースを見てみましょう。500万円が100万円になるのは、それだけ年式が古かったり(旧型や旧々型)、古い分走行距離が延びていたりすることが考えられます。だからといって、新車時500万円ということは高級車であるわけで、それなりにお金をかけて作られていることが多いでしょう。シートや装備品にも耐久性のあるものが奢られていることが予想されます。車としては十分機能するけれど、ただ、古くて人気がないから安い、ということです。

元高級車が100万円で売られていると、よく「きっと何か壊れているんじゃ…」「事故を起こした車とか…」と疑う人もいますが、必ずしもそんなことはないのです。

ただし、元高級車とは言え、これまでの整備が不良であれば、その性能が現在も生きているとは言い難いでしょう。また、高級車の部品は高いことも多く、購入後のメンテナンスにお金がかかるケースもあります。どんな車であれ、まずは整備状況はどうだったのか、現状はどうなっているのかなどを見てから判断しましょう。