マークラインズは、業務提携先の英調査会社LMC Automotiveが集計した2015年の世界自動車販売台数を発表した。
・2015年12月の世界全体のライトビークル(乗用車・小型商用車を指す。中大型商用車を除く)市場は増勢を維持し、季節調整済み年率換算販売台数は11月を若干上回り2ヵ月連続で過去最高を更新した(約9,600万台/年)。
・2015年通年(1~12月)の販売台数は前年比2.0%増の8,900万台超となった。小型乗用車向けの減税措置が導入された中国や、年間を通して堅調に推移した西欧や米国が全体の増加を牽引した。


▲グローバル・ライトビーグル販売 ▲グローバル・ライトビーグル販売


北米

・米国の12月の季節調整済み年率換算販売台数は1,730万台/年となり、直近数ヶ月の水準からはやや低下した。ただし、前年同月比ベースでは、 ディーラー営業日が2日多かったことで9.0%増となっている。2015年通年の販売は前年比5.8%増の1,744万台で過去最高となった。
・カナダの12月単月の販売台数は前年同月比1.8%減の12.9万台。12月の販売は前年割れだが、通年(1~12月)の販売は190万台水準に達し、過去最高を記録した。

欧州

・西欧の12月の販売台数は、ほぼ全ての国が前年同月比で増加し、2015年を好調に締めくくった。12月の季節調整済み年率換算販売台数は、自動 車メーカーが通年計画の達成に向けてインセンティブを強化したことから大きく増加し、1,620万台/年に達した。2015年通年(1~12月)の販売台 数は前年比9.0%増の1,481万台。2016年についても、イタリア、フランス、スペインを中心に市場回復が続くと見られ、西欧市場は増勢を維持する 見通し。
・一方で中東欧市場はロシアの落ち込みを受け、通年販売は前年比約15%減の389万台。2016年についても原油価格が低位推移する中で経済の回復は期待し難く、自動車販売も引き続き低調の見通し。

中国

・12月の季節調整済み年率換算販売台数は2,930万台/年(速報値)となり、上方修正された11月とほぼ同水準となった。12月単月の販売台数 は前年同月比16.2%増の280万台となり、小型乗用車向けの減税措置を支えに3ヵ月連続で2桁増となった。通年の販売は前年比5.3%増の2,490 万台となり、過去最高を更新。なお、乗用車の販売は好調が続いているが、小型商用車の販売は5年連続で減少している。
・2016年以降の展望については、株式市場と為替市場の大きな変動、輸出セクターの不調が、経済と自動車市場への不安要因となる。なお、中国では株式を保有する世帯は全体の6%にとどまるとされるが、余りに急激な株価下落は、消費者心理を低下させると懸念される。

アジア(中国以外)

・日本の12月の季節調整済み年率換算販売台数は大手企業の冬期ボーナスの増加も要因となり、510万台/年に増加した。一方で2015年通年の販売台数は2014~2015年に実施された消費税と軽自動車税の増税が逆風となり、前年比10.0%減の490万台となった。
・韓国の12月の季節調整済み年率換算販売台数は、消費税減税の打ち切りを前にした駆け込み需要から大きく上昇し、210万台/年に達した。通年の販売は180万台弱となり、過去最高を記録した。

南米

・ブラジル市場は、1930年代以来最悪の不況下で引き続き低調に推移し、12月の季節調整済み年率換算販売台数は前月同水準の230万台/年となった。通年の販売台数は前年比26%減の250万台弱。
・アルゼンチンの12月販売は前年同月比8%増となったが、通年では6%減。12月に就任したマクリ新大統領は、既に前政権の保護主義的な政策の廃 止に着手しており、短期的には経済面へのマイナス効果が見込まれるが、中長期的には経済および自動車市場への好影響が期待される。

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マークラインズ株式会社は、LMC Automotive社の日本総代理店として同社の予測サービスをご案内しております。ライトビークル、中大型商用車、HV/EV、エンジンタイプ、トランスミッションタイプ、新興国市場など、多様な切り口で将来7年間に渡るより詳細な予測データもご提供しております。詳しくは下記リンク先をご覧ください。
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野の生産・販売予測サービスを専門的に提供する調査・コンサルティング会社。英国オックスフォードに本社を置き、自動車メーカー、部品メーカーを中心に金融機関、政府機関含め、世界の500を超える顧客に幅広く予測サービスを提供している。海外拠点はデトロイト、上海、バンコク、フランクフルト、パリ。自動車台数予測に加え、個別の調査・コンサルタント業務も提供している。

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