JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 小栗七生)は、「タイヤの空気圧低下は見た目や運転で判断できるのか?」をテーマとするテストを行い、検証した結果をホームページに公開しました。

タイヤの空気圧不足は燃費の悪化や偏磨耗、パンク、バーストの原因になります。「タイヤのパンク」はJAFの救援依頼のうち、「バッテリー上がり」に次いで2位となっており、増加傾向にあります。ドライバーが定期的にタイヤの空気圧をチェックすることが大切ですが、近年、セルフ式のガソリンスタンドが増え、タイヤチェックなどを行う機会が減り、意識が低下しているのかもしれません。また、最近のタイヤは偏平率が低く、空気圧低下が見た目では分かりにくくなっていると言われます。そこで、見た目や運転によりドライバーは空気圧の低下に気づくかどうかを検証しました。

テストはタイヤサイズの異なる3台を用意し、3名のモニターで目視と運転の2種類のテストを実施。目視のテストでは、適性空気圧のタイヤを見た後、空気圧を1/2にしたタイヤを見て、低下に気付くのかどうかを検証しました。
結果は、一般的な偏平率である65タイヤでは、3名全員が空気圧の低下を正しく判断できたが、45・50タイヤや80タイヤは全員が誤った判断をした結果となった。

適正空気圧の50タイヤ 適正空気圧の50タイヤ
空気圧が1/2しか入っていない50タイヤ。適正なものと見分けがつきにくい 空気圧が1/2しか入っていない50タイヤ。適正なものと見分けがつきにくい



運転のテストでは、45タイヤと65タイヤをそれぞれ装着した同一車種2台を用意し、どこか1輪のみ空気圧を1/2に減らした状態で運転し、空気圧の減ったタイヤの位置が分かるかを検証した。その結果、右後輪の空気圧を1/2にした場合は45タイヤ、65タイヤとも3名中2名が正解したが、左前輪の空気圧を1/2にした場合、65タイヤは3名全員が空気圧不足に気付いたのに対し、45タイヤは2名が気付かない結果となり、偏平率の低いタイヤのほうが空気圧の低下に気付きにくい事が判明

空気圧が1/2の65タイヤ。見分けがつきやすい。 空気圧が1/2の65タイヤ。見分けがつきやすい。
空気圧が1/2の45タイヤ。見分けがつきにくい。 空気圧が1/2の45タイヤ。見分けがつきにくい。



これからの気温が低下する時期は、空気の膨張率も下がるため、空気圧も低下しやすいので注意が必要です。また、走行直後は熱で空気圧が高くなっているので、タイヤが冷えてから計ることをお勧めします。

■JAFユーザーテスト(資料編)「見た目や運転で分かる? タイヤの空気圧低下の検証」
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/tire_pressure/detail1.htm