三菱 アウトランダー▲3代目にあたる新型アウトランダーの開発キーワードは「威風堂々」。国内では外部から充電できるPHEVのみが販売される

PHEVシステムが刷新されて航続距離が延びた

三菱自動車が、アウトランダーをモデルチェンジし、10月28日に発表した。12月16日から全国の系列販売会社で販売される。

新型アウトランダーには、アライアンスで開発された新世代プラットフォームと先進技術が活用され、三菱のフラッグシップモデルに位置づけられている。コンセプトは「威風堂々」で、ボディやシャシー、パワートレインなどが刷新されて大幅に進化した。

海外モデルでは2.5Lガソリンモデルも用意されるが、国内では現状PHEVモデルのみのラインナップとなる。設定グレードと税込み価格は次のとおりである。

・M(5人乗り) 462.11万円
・G(5人乗り) 490.49万円
・G(7人乗り) 499.62万円
・P(7人乗り) 532.07万円

モデルチェンジにより、PHEVのコンポーネントが刷新されてEV航続距離が延び、EVらしい加速感が向上した。具体的には前後モーターと駆動用バッテリーの出力が約40%引き上げられ、極力エンジンを始動させないでEV走行を可能にしている。

駆動用バッテリーの総電力量は20kWhで、EV走行距離は87km(WLTCモード。一部グレードは83km)を確保。併せて、燃料タンクの容量も拡大されて総合航続距離も延びた。

前輪モーターには昇圧機能が新採用され、供給電力を高めることで強力な駆動力を発揮。同時にジェネレーターの発電効率も高められて電費の低減も図られた。

後輪モーターは、コントロールユニットと一体化することでコンパクト化。3列目シートとの両立が実現した。このユニットは、キャビン外側に搭載されて高周波ノイズがシャットアウトされ、高い静粛性の実現にも貢献している。
 

三菱 アウトランダー
三菱 アウトランダー▲20kWhの駆動用バッテリーは前後輪に間に敷き詰められている。後輪モーターとコントロールユニットをコンパクトに設計することで3列シート化が実現した

アクセルペダルだけで加減速操作が行える、イノベーティブペダル・オペレーションモードを新設定。アクセルペダルを緩めるだけで制動力がかかって減速できるため、滑りやすい路面での安心感が高く、ブレーキペダルへの踏み替え頻度が減って疲労軽減にもつながる。
 

三菱 アウトランダー▲イノベーティブペダル・オペレーションモードはアクセルペダルを緩めるだけで制動力がかかり、ブレーキペダルへの踏み替え頻度が減って疲労軽減に役立つ

前後1基ずつの駆動用モーターで構成される、ツインモーター4WDをベースにしたS-AWC(車両運動統合制御システム)に、後輪ブレーキAYC機能が追加された。これによって、前後輪の駆動力を最適に配分しつつ、左右輪のブレーキ制御によるトルクベクタリングも前後輪で行われ、高い操縦安定性と優れたハンドリングを実現。

ドライブモードは、路面状況や運転スタイルに合わせて7つから選べる。具体的には、舗装路での通常走行に最適なNORMAL、乾燥舗装路でキビキビと加速するアクセルレスポンスと高い旋回性を発揮するTARMAC、未舗装路や濡れた路面で操縦性と走破性を両立するGRAVEL、雪道などの滑りやすい路面で挙動を安定させるSNOW、泥濘路などでスタックしたときに優れた脱出性を発揮するMUD、力強い加速をもたらすPOWER、経済走行が行えるECO、の7つが設定されている。
 

三菱 アウトランダー▲7パターンから選べるドライブモードはダイヤルを操作するだけで簡単に切り替えられる。ダイヤルのデザインにもこだわりが見られる

新開発プラットフォームと衝突安全強化ボディによって高い安全性と優れた操縦安定性を実現。フロントのボディ剛性とねじり剛性が高められ、三菱初のホットスタンプ式高張力鋼板がキャビンまわりに採用されて変形の少ない構造に仕上がっている。

高速道路での同一車線運転支援機能のMI-PILOTは、レーダー式クルーズコントロールと車線維持支援機能を統合したもので、車間距離と車線中央をキープしながら走行できる。

また、速度標識を読み取って設定速度が自動的に切り替わる他、地図情報を活用してカーブや分岐で最適な車速に自動調整するナビリンク機能も含まれている。渋滞の中では停車後約30秒以内なら自動的に再発進する。
 

三菱 アウトランダー▲前走車との車間および車線中央を維持して高速道路でドライバーをサポートするMI-PILOTは全車に標準装備されている

三菱コネクトでは、万一の際のSOSコール、駆動用バッテリーの走行可能距離の確認、充電時刻の設定や充電し忘れ通報、駐車位置をアプリの地図に表示する自車位置確認が行える。
 

力強く存在感のある外観と上質感あふれる内装

新たなデザインコンセプトとして「ボールド・ストライド」が掲げられ、存在感のあるルックスで大地を踏みしめる力強さが表現されている。

外観では、「ダイナミック・シールド」が進化して存在感あるフロントマスクを実現。ボディサイドには、20インチタイヤ&ホイールと筋肉質なフェンダーフレアが採用され、飛行機の垂直尾翼をモチーフにしたクオーターピラーとフローティングルーフによって力強さと軽快感が表現されている。

リアには、六角形の形状を有するハッチゲートと水平基調のコンビランプが用いられ、ワイドかつ安定感のあるスタイルを作り出している。

ボディカラーは、高輝度かつ鮮明なダイヤモンドカラーシリーズのホワイトダイヤモンドとレッドダイヤモンドに加えてブラックダイヤモンドも設定され、全10色をラインナップ。
 

三菱 アウトランダー▲進化した「ダイナミック・シールド」、力強さを感じさせるフェンダーフレア、ワイド感と安定感をもたらす水平基調のコンビランプが特徴的な外観

内装には、車体姿勢をつかみやすい水平基調のインパネ「ホリゾンタル・アクシス」が採用され、芯の通った力強さと開放感を表現。フロアコンソールは幅広で高級感のあるデザインに仕上がっている。

また、随所に触感のいいソフトパッドが用いられ、ステッチも施されて上質感を演出。モニターとメーター類は視認性に、ダイヤルやスイッチ類は操作時の節度感にそれぞれこだわり、こちらでも上質感が表現されている。
 

三菱 アウトランダー▲車体の傾きが把握しやすい水平基調のインパネ。随所にソフトパッドとステッチが用いられて上質感も演出されている

なお、発売日までに注文したユーザーには特典として4種類から選べるオプションプレゼントが用意されている。さらに、2022年3月31日までに成約と車両の登録を済ませると充電設備設置費用サポートキャンペーンが適用される。
 

文/マガジンX編集部、写真/三菱