スバル レガシィアウトバック▲乗用車とSUVの長所を融合させた新型レガシィアウトバックにはタフさを感じさせるデザインや高度運転支援システムが与えられている

高度運転支援システムのアイサイトXを全車に標準装備

スバルが10月7日に国内で新型レガシィアウトバックを発表した。初年度の販売計画台数は月間1200台。

設定されているグレードと税込み価格は次のとおりである。

・X-BREAK EX 414.7万円
・リミテッドEX 429万円

安全性能では、広角化した新しいステレオカメラと前後4つのレーダーを組み合わせることで、360度センシングを実現する新世代アイサイトを全車に標準装備。ソフトウエアの性能向上と電動ブレーキブースターの採用により、幅広いシーンで安全運転をサポート。

【前側方プリクラッシュブレーキ】
見通しの悪い交差点や路地から出る際、前側方レーダーが横から接近してくる車両を検知。衝突する危険がありそうなときに、警告音とアイサイトアシストモニターでドライバーに注意喚起を行い、それでも回避操作がない場合にはブレーキ制御によって衝突回避をサポートする。

【前側方警戒アシスト】
センターディスプレイにフロントビューモニターを表示させているときに、前側方レーダーが接近車両を検知すると、映像内にインジケーターで通知。

【緊急時プリクラッシュステアリング】
プリクラッシュブレーキだけでは衝突回避が難しい場合、周囲に回避スペースがあるとシステムが判断すれば、併せてステアリング制御も行って衝突回避をサポートする。

【エマージェンシーレーンキープアシスト】
約60km/h以上で走行しているときに、隣車線で後方から車両が接近しているにもかかわらず、車線変更を行ったり、はみ出しそうになると音と表示でドライバーに注意喚起。併せてステアリング操作をアシストして、車線からの逸脱を抑制する。
 

スバル レガシィアウトバック▲広角化された新開発ステレオカメラ。前後4つのレーダーとともに自車の周囲360度をセンシングしてドライバーをサポートする

一定条件を満たした自動車専用道で、GPSや準天頂衛星システムからの情報と、3D高精度地図データを組み合わせることで、自車位置を正確に把握して運転支援機能を大幅に拡張する、アイサイトXも全車に標準装備されている。

作動条件が揃うとメーター内にアイコンが表示され、その状態でステアリングスイッチを押すとシステムが作動して、幅広いシーンでアクセル・ブレーキ・ステアリング操作をアシスト。

【渋滞時ハンズオフアシスト】
約50km/h以下の渋滞時に一定の条件が揃うと、ステアリングから手を離すことが可能になって渋滞時の運転負荷を大幅に軽減。

【渋滞時発進アシスト】
ドライバーが前を向いているなど一定の条件が揃うと、スイッチ操作なしでも再発進する。

【カーブ前速度制御】
進入するカーブの曲率に合わせて車速を最適に制御。

【料金所前速度制御】
料金所の手前でETCゲートを安全に通過できる車速まで減速。通過後はセット車速まで再加速する。

【アクティブレーンチェンジアシスト】
約70~120km/hで走行中、ドライバーがターンシグナルを操作してシステムが作動可能と判断すれば、ステアリングを制御して車線変更をアシスト。

【ドライバー異常時対応システム】
長時間ステアリングから手を離している、もしくは脇見や居眠りを検知すると警告。それでもステアリング操作のない状態が続くと、ドライバーに異常が発生したと判断して徐々に減速&停止する。ハザードランプとホーンで周囲に異常発生を知らせる。
 

24時間365日コールセンターとつながるコネクティッドサービス

11.6インチのセンターディスプレイとGPS、車載通信機を統合制御して24時間365日コールセンターとつながるSUBARU STARLINKを採用。つながるあんしんパッケージとして下記の機能が初度登録日から5年間無料(6年目以降は有料)で使える。

【ヘルプネット】
エアバッグが作動するような衝突事故が発生した場合、自動的にコールセンターにつながって警察や消防、医療機関と連携。

【SUBARU SOSコール】
体調不良で運転が困難になった場合や、あおり運転を受けたときなど緊急時にSOSボタンを押すだけでコールセンターにつながる。

【SUBARU iコール(安心ほっとライン)】
故障など突然のトラブル時に、専用ボタンを押すとコールセンターに接続し、ロードサービス窓口への取次や適切なアドバイスなど、24時間体制でサポート。

【故障診断アラート&セキュリティアラート】
盗難警報装置が作動した場合や警告灯の点灯を伴う故障が発生した場合、専用アプリや電子メールで通知。

衝突エネルギーの吸収率を高めたスバル・グローバル・プラットフォームは、衝突時に変形防止を図る新環状力骨構造ボディで世界トップレベルの衝突安全性能をめざした。

さらに、新型レガシィアウトバックでは前面衝突時のエネルギーを効果的に分散させるセカンドロードパスを採用し、自車だけでなく相手車両の被害軽減も図っている。

ポストコリジョンブレーキコントロールは、衝突を検知するとブレーキ制御によって一定速度まで減速。対向車線にはみ出さないようサポートして多重事故など二次被害の被害を抑制。同時にハザードランプを点灯させて周囲に注意を促す。

乗員を守るSRSエアバッグにはサイドエアバッグ、カーテンエアバッグ、下肢へのダメージを軽減する運転席ニーエアバッグ、シートベルトによる拘束力を高める助手席シートクッションエアバッグなど、8つが採用されている。また、歩行者と衝突した場合に、Aピラーやフロントガラス下部などの硬い部分を覆う歩行者保護エアバッグも備わっている。
 

スバル・グローバル・プラットフォームに1.8L直噴ターボ搭載

パワートレインには、日常の扱いやすさを重視した1.8L水平対向4気筒の直噴ターボエンジンを起用。低回転域から300N・mの高トルクを発生しつつ、少ない燃料でエネルギーを生み出す、リーン燃焼も取り入れて優れた環境性能も実現している。経済性に優れたレギュラーガソリン仕様。
 

スバル レガシィアウトバック▲1.8L水平対向4気筒直噴ターボエンジンは177ps/300N・mを発生する。経済に優れたレギュラーガソリン仕様

変速ショックのない滑らかなリニアトロニックは、変速比幅の拡大によって発進時の力強い加速と高速巡航時の燃費向上、優れた静粛性を両立している。8速マニュアルモードも採用されている。

スバル・グローバル・プラットフォームにより、意思に忠実なハンドリングと快適な乗り心地を実現。新型レガシィアウトバックでは高剛性化と軽量化を狙って、ボディ全体の骨格連続性を高めるフルインナーフレーム構造と、構造用接着剤が用いられている。
 

スバル レガシィアウトバック▲フルインナーフレーム構造と構造用接着剤が採用され、高い安全性や快適な乗り心地を実現しているスバル・グローバル・プラットフォーム

エクステリアは、スバル共通のデザイン・フィロソフィーであるダイナミック&ソリッドをそのままに、アクティブ&タフをコンセプトに掲げてアクティブ性能の感じられるデザインを追求。

フロントは大きな開口部のグリルとクラッディングによって力強いイメージが演出されている。サイドは、ボディパネルの厚みとボリュームによって安心感とタフさを表現し、道を選ばずにどこへでも行けそうな逞しさを感じさせるデザインに仕上がっている。そしてリアには、立体感を強調したコンビランプが採用されて頼もしさとシャープさを表現。

リミテッドEXには、荷物を積まないときに収納できて風切り音の低減に貢献するクロスバータイプのルーフレールが、X-BREAK EXには、クロスバータイプより最大積載荷重の大きいラダータイプのルーフレールがそれぞれ装備されている。

最低地上高は213mmで、斜面に乗り上げる際や平坦地に降りるときのアプローチアングルとディパーチャーアングル、丘陵の頂上を乗り越えるときのランプブレークオーバーアングルなどを最適化。
 

スバル レガシィアウトバック▲ボリュームのあるクラッディングがボディ下部に装着された力強いエクステリア。写真はラダータイプのルーフレールが備わるX-BREAK EX
スバル レガシィアウトバック▲六連星エンブレムに手を近づけるだけで開けられるハンズフリー電動リアゲートはリミテッドEXに標準装備、X-BREAK EXにオプション設定

インテリアは、連続する造形で開放感を表現したアッパーエリアと、適度な包まれ感をもたらすロアエリアで構成されている。大型ディスプレイとフル液晶メーターを採用することで先進感も表現。また、ボディサイズが見直されてキャビンと荷室積載量が拡大された。

センターディスプレイのバイザーに設置された専用カメラが、ドライバーを常に見守るモニタリングシステムは、脇見や居眠りを推定した場合、ブザーと表示で注意喚起。アイサイトX使用中のアイズオフ運転(目線を外した状態)も検知して警告する。

フル液晶メーターは12.3インチで、アイサイトXの車両情報と大きくグラフィカルに表示する。
 

スバル レガシィアウトバック▲開放感を表現したアッパーエリアと、包まれ感をもたらすロアエリアで構成されているインパネ

リミテッドEXには、しなやかで触感の良いナッパレザーシートをオプション設定。特殊な「なめし加工」で質感の高い仕立てを実現し、快適な座り心地と高いホールド性を両立している。カラーは、上質で華やかなタンと落ち着きを感じさせるブラックから選べる。一方、X-BREAK EXには水分が染み込みにくいポリウレタン素材のシート表皮が採用されている。
 

スバル レガシィアウトバック▲ナッパレザーシートは、リミテッドEXにオプション設定。上質なタン(写真)とシックなブラックから選択できる

高級オーディオメーカーHARMANの旗艦ブランドである、ハーマンカードンのサウンドシステムは、フロント6個、リア4個のスピーカーとウーファーに加え、圧縮音源をオリジナルに近づけて再生するClari-Fiや音質向上と消費電力の低減に貢献するGreenEdgeといった最新技術も採用。

荷室は、561L(床上が522L、サブトランクが39L)で、フラットな空間と大きな荷物も積み降ろししやすいように、開口部はワイドに設計されている。後端部を軽く押し下げるだけで跳ね上がる、ポップアップ式トノカバー(サブトランクに収納可能)、汚れた荷物も収納できる床下のサブトランクなど、使い勝手にも配慮している。
 

文/マガジンX編集部、写真/スバル