フェアレディZ▲世界中で180万台以上が販売されてきたフェアレディZ。その最新モデルには歴代へのオマージュを感じさせる要素が随所に織り込まれている

最高出力405psのV6ツインターボと9速ATを新開発

日産自動車は4月25日に新型フェアレディZの全グレードの価格を発表した。

設定グレードと税込み価格は次のとおりである。表記のないグレードは6速MTと9速ATの両方が同価格で設定されている。

・フェアレディZ 524.15万円
・フェアレディZ バージョンS(6速MTのみ) 606.32万円
・フェアレディZ バージョンT(9速ATのみ) 568.7万円
・フェアレディZ バージョンST 646.25万円
・フェアレディZ プロトスペック 696.63万円

パワートレインには新開発の3L V6ツインターボが搭載され、405ps/475N・mを発揮。6速MTは大トルクに対応するため、クラッチディスクとギアトレインが強化されている。また、新設計のシンクロナイザーシステムが採用されてシフトプロファイルも変更され、意のままのスムーズなシフトチェンジを実現。
 

フェアレディZ▲405ps/475N・mを誇る3L V6ツインターボは出力を大幅に向上させながらシャープなレスポンスを実現している
フェアレディZ▲大トルクに対応するために改良された6速MT。発進時にタイヤスピンを防いで性能を十分に発揮できるローンチコントロールが日産の後輪駆動車として初採用されている

9速ATは新開発ユニットで、幅広いギアレンジによって素早いレスポンスがもたらされる。ドライブモードには、普段使いや高速道路でのロングドライブに最適なSTANDARD、ワインディングなどでアグレッシブな走りを楽しみたいときに合うSPORTを用意。SPORTモード選択時にはエンジンやトランスミッションのレスポンスが高まり、ステアリング反力とVDC制御が最適化される。

シャープな回頭性を実現するため、フロントボディ周辺とリアクロスメンバーが強化されて十分なねじり剛性が確保されている。また、直進性を高めるため、修正舵を低減する前輪ハイキャスターサスペンション、路面との接地性を高めるモノチューブ式ダンパー、新開発タイヤも採用。さらに、ハッチゲート周辺の剛性を高めることで振動音が減らされて快適性も向上している。

外観は、後輪駆動のスポーツカーデザインを受け継ぎ、ロングノーズ&ショートデッキによって歴代モデルへのオマージュが込められている。LEDヘッドランプは初代を彷彿とさせる2個の半円で構成。また、リアコンビランプはZ32型を連想させるデザインで、3DシグネチャーLEDが採用されている。ボディカラーはモノトーン3色と、新色のセイランブルーおよびイカズチイエローを含むツートーン6色の計9色から選べる。
 

フェアレディZ▲ロングノーズ&ショートデッキによってスポーツカーならではのシルエットに仕上がっているエクステリア。写真は新色のイカズチイエロー
フェアレディZ▲立体的に浮かび上がって見える3Dタイプのリアコンビランプは黒い帯状にデザインされていてZ32型を思い出させる

12.3インチのメーターパネルには3つの表示モードが用意されている。フェアレディZ専用のスポーツモードは、スーパーGT500ドライバーである松田次生選手のアドバイスに基づいてタコメーターが中央に配置され、シフトアップするタイミングを知らせるインジケーターも設定されている。インジケーターはエンジン回転数に応じて緑、黄色、赤に点灯する。
 

フェアレディZ
フェアレディZ▲メーターパネルの表示は3つのモードに切り替えられる。最大回転数が12時の位置に設定されたタコメーターが中央に現れるパターンはフェアレディZ専用のスポーツモード
フェアレディZ▲内装のセンタークラスターにはブースト計、ターボ回転計、電圧計で構成された3連サブメーターが設置されている。ヘリテージを感じさせるアイテムのひとつだ

新設計のMTシフトレバーは握りやすさと操作性を追求。また、ステアリングホイールは深いスポークが採用され、素早い操作でも扱いやすいデザインに仕上がっている。なお、ステアリングコラムにはチルトに加えてテレスコピック機構も備わっている。

内装色にはブラックとレッドの2色を用意。
 

フェアレディZ▲シートはホールド性とフィット感が向上。また、シートバックにはスエードが用いられ、コーナリング時に身体の横ブレが抑えられる

車体とホイールの剛性アップ、吸遮音材の追加に加えて音の侵入経路を遮断することでロードノイズが低減されて静粛性が向上している。さらに、8スピーカーのBOSEサウンドシステムも設定され、上質な音場体験が楽しめる。

走行時にはアクセルペダルの踏み込み量、エンジン回転数、ギアポジションなどの走行情報がリアルタイムで反映され、加速意図と車の挙動にシンクロさせたスポーツサウンドを実現。
 

文/マガジンX編集部、写真/日産