日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:カルロス ゴーン)は9日、同社の北米研究拠点が、アメリカ航空宇宙局(NASA)と、自動運転システムの発展、および、同技術の商業的応用を目指し、共同で研究・開発を行う5年間のパートナーシップを締結したと発表しました。

日産総合研究所シリコンバレーオフィスと、カリフォルニア州モフェットフィールドにあるNASAエイムズ研究センターは、自動運転システムやヒューマン・マシン・インターフェース、ネットワーク対応アプリケーション、ソフトウェアの分析・実証、道路交通環境および宇宙で使用される高度なハードウェア・ソフトウェアを含むすべての技術開発に取り組みます。

両研究所は、自動運転技術の搭載車両が実際に資材や人間の輸送を遠隔操作で行うことが可能であるか検証するため、自動運転技術を搭載したゼロエミッション車両を用いてエイムズ研究センター敷地内にて実験を行う予定です。今回の実験では、NASAミッションコントロールセンターで行っている惑星探査車の遠隔操作と同様の技術を適用します。自動運転車両の最初のプロトタイプ車両を用いた検証実験は、2015年内に実施予定です。

日産自動車の社長兼CEOのカルロス ゴーンは次の様に述べました、「一方は宇宙に、もう一方は地球に向けた、NASAと日産の取り組みは、共通の課題によって結ばれています。今回のパートナーシップは、日産が2016年に市場投入を開始し、2020年に向けて段階的に実用化を目指す、安全・安心で信頼できる自動運転技術の開発を加速させることでしょう。」

日産は、複雑な都市部を含む多様な道路状況に対応できる能力を兼ね備えた自動運転技術搭載車両の導入を2020年までに行う予定です。

今回のパートナーシップにより、NASAは、日産から自動運転車両に用いられる革新的な要素技術、専門知識を共有しながら、車両を用いた輸送に関する共同研究、適正なプロトタイプシステムの利用、ロボットソフトウェア用実験設備の活用などが可能になります。

「これから日産と共同で行う研究内容はすべて、これまでエイムズ研究所がNASAの主要プログラムに大きく貢献してきた領域です。例えば、火星探査計画ソフトウェアや、国際宇宙ステーションに搭載されているロボット、次世代の航空管制システムなどは当研究所が開発に貢献しました。私たちは、このパートナーシップによって培われた知識を、将来の宇宙航空分野の発展に活用できることを楽しみにしています。」と、エイムズ研究センターのピート・ウォーデン所長は述べました。

また、ゴーンは次のように述べました。「このパートナーシップは、NASAと日産の英知の結集であり、シリコンバレーへの投資の有効性を証明するものとなるでしょう。」