最高出力は330ps! 新型ホンダ シビックタイプRが登場
2022/09/16
高揚感を高める赤黒のインテリア
ホンダは9月2日にシビックタイプRを発売した。税込み価格は499.73万円で、月間400台が埼玉製作所で生産される。
外観はロー&ワイドが強調され、圧倒的な速さと美しさを兼ね備えたデザインをめざして開発された。冷却性能を高めるためにフロントグリルの開口部が拡大され、空力特性を高めるサイドシルガーニッシュとリアスポイラーが装備されている。
フロントグリル開口部の拡大によってラジエターの有効開口面積は48%拡大。吸い込んだ空気はボンネットフードに設けられたベントから排出され、排熱と空力特性が改善された。
リアフェンダーは、ボディと一体化されて洗練されたデザインを実現している。また、リアスポイラーにはスリムなアルミダイキャスト製のステーが用いられ、空気抵抗の低減とダウンフォース向上が図られた。
ボディカラーはチャンピオンシップホワイト、クリスタルブラックパール、フレームレッド、レーシングブルーパール、3万8500円高のソニックグレーパールの5色から選べる。
内装には、赤と黒が用いられてコントラストの強い空間に仕上がっている。中でもシートとフロアカーペットは赤に彩られて高揚感を演出。加飾パーツは偏光ガンメタリックに塗装されて反射が抑えられ、サーキットなどで運転に集中できるよう考慮されている。
新開発されたシフトレバーは高剛性化と横方向のガタツキ排除によってダイレクト感と節度感が向上。また、ミッション内部のシフトリンク機構の最適化と、シフトゲートのストレート部分の延長で斜めシフト時の操作感に磨きがかかった。
最高出力330psへとパワーアップ
エンジンは、先代の2L VTECターボをベースに、ターボチャージャーの刷新などを経てスペックは330ps/420N・mへと向上した。また、エンジンECUは緻密な設定によってアクセルペダル開度に対するレスポンスが向上し、ドライバーの操作に対する応答性が全域で高まった。
併せてクラッチのフライホイールが軽量化され、エンジン回転数を自動調整するレブマッチシステムは2速から1速へのシフトダウン時にも適用される。
迫力あるサウンドを実現するため、エンジン回転数が上昇しているときの中周波音を増強。また、排気が通るサイレンサーの中央配管にはエンジン回転数に応じて最適なバルブ開度に変わるアクティブ・エキゾーストバルブ機構が採用され、車外騒音法規をクリアしながらエンジン出力向上と迫力あるサウンドが両立されている。
旋回性能を高めるため、タイヤはミシュランと共同開発。幅が265mmに拡幅され、特性の異なるトレッドコンパウンドが組み合わされてウエット性能や耐摩耗性能を維持したまま、優れたドライグリップ性能も実現。
ホイールは、インナーとアウターのリム形状を反転させたリバースリム構造に仕上がっている。イン側の歪みが軽減され、加減速時にタイヤ内側の接地圧が安定して接地性が高まった。
四輪独立の電子制御ダンパーは、ロール&ピッチ制御にバネ下加速度を加えた制御を行うことで、荒れた路面でも車との一体感やダイレクト感が確保される。
ブレーキには2ピースディスクが先代から踏襲されている。特性が見直されてコントロール性を改善。また、導風効率が高められてブレーキ温度の上昇が抑えられ、安定した耐フェード性が確保されている。
車載ナビには専用データロガー「Honda LogR」が搭載されている。車の運動情報をリアルタイムで知ることができ、さらにはタイプRユーザー同士でシェアすることも可能だ。
パフォーマンスモニター機能では水温、油温、ステアリング舵角、ブレーキ圧、アクセル開度などが表示される。さらに、前後左右のGや3Dモーション、タイヤの摩擦円をリアルタイムで算出。
スコアリング機能では、車両情報と自分自身の操作情報が記録かつスコアリングされてドライビングスキル向上に役立てることができる。
さらに、スマホにインストールしたHonda LogRアプリでも走行データを確認できる。スマホを車両に搭載してアプリで走行動画を撮影すると、走行データと同期させた動画が作成されてSNSなどでシェアすることも可能だ。
安全運転支援システムのホンダ・センシングは、前方の対象物を検知するワイドビューカメラ、前後ソナーセンサー、リアレーダーで構成。衝突被害軽減ブレーキや路外逸脱抑制機能、アダプティブ・クルーズコントロール、車線維持支援システム、標識認識機能、自動ハイビームなどが標準装備されている。