トヨタ自動車(株)の文化施設であるトヨタ博物館(愛知県長久手市)では、2019年の開館30周年に向けて常設展のリニューアルを段階的に実施する。

常設展リニューアルは、グローバル化の流れを受け、1989年の設立時の趣旨を現在の視点で再考し、よりいっそう車の歴史・文化に親しみ、時代の流れの中で世界と日本の自動車産業がどのように絡み合いながら進化してきたかをさらに分かりやすく、より多くの方に伝えていくことを目的としている。

第1段階として、1月5日(火)にオープンする今回は、自動車黎明期から1950年代に至る展示内容を本館2階に集約する。これまで本館2階は欧米車、3階は日本車、新館は日本のモータリゼーションの歩みというように各フロアにそれぞれ分けて展示していた。今回この年代の欧米車と日本車を新たに8つのゾーンに分けて紹介し、時代を追って自動車技術の発展やデザインの推移を比較しながら世界の車を一望できるようにする。

最初のゾーン「自動車の夜明け(黎明期)」では1/5スケールモデル(以下、模型)4台を追加し、日本における自動車の始まりを同時代の欧米車とともに紹介する。また、6番目のゾーン「流線型時代の到来」ではトヨダAA型乗用車とデソート・エアフローを展示し、日本車と欧米車を直接比較できるようにする。今回、本館2階に追加・移動された車両(模型含む)は28台である。

また、新館2階の一部を改装し、リニューアル記念展として2013年に好評を博した小林彰太郎フォトアーカイヴ展「昭和の日本 自動車見聞録」を1月5日(火)から6月12日(日)まで開催する。

今回のリニューアルを受け、関連イベントとして講演会、学芸トーク、学芸スタッフによるガイドツアー、走行披露を実施する。

さらに、新館1階カフェもミュージアムカフェ CARS & BOOKS(カーズンブックス)と名称を変更し、自動車博物館にあるカフェならではの特性にこだわり新装オープンする。本を片手にゆったりと上質な飲み物や食べ物をいただける空間、仲間とクルマを語り合える場所を目指している。

当館では、今後も展示および館内施設のさらなる充実を段階的に行う予定である。

併せて、お正月イベントや工作教室を1月9日(土)~1月11日(月・祝)に行う。
なお、1月5日(火)~1月11日(月・祝)の冬休み期間中は小学生の入館料を無料とする。

展示リニューアル他の概要は以下のとおり。

1.展示リニューアル

オープン:2016年1月5日(火)
場所:トヨタ博物館 本館2階
内容:車両72台、模型7台を下記8ゾーンで展示(詳細は別紙ご参照)

展示ゾーン
・代表車両
・台数

1.自動車の夜明け(黎明期)/日本における自動車の始まり
ベンツ パテント モトールヴァーゲン(独・1886) 国産吉田式“タクリー号”(日・1907)模型:台数 13台(模型含む)
2.自動車の急速な進化
・ロールスロイス シルバーゴースト(英・1910)
・3台
3.自動車の大衆化
・フォード モデルT(米・1909)
・12台
4.覇を競った豪華車
・デューセンバーグ モデルJ(米・1929)
・7台
5.レーシングカー、スポーツカーの進化
・ブガッティ タイプ35B(仏・1926)
・9台
6.流線型時代の到来/日本における自動車の普及と量産の幕開け
・デソート エアフロー シリーズSE(米・1934) トヨダAA型乗用車(日・1936)
・14台(模型含む)
7.さまざまな自動車文化の競演
・ドラージュ タイプ D8-120(仏・1939)
・7台
8.第2次世界大戦後の新たな始動/アメリカでのスポーツカーブーム
・チシタリア 202 クーペ(伊・1947) シボレー コルベット(米・1953)
・14台

2.リニューアル記念展
◇小林彰太郎フォトアーカイヴ展「昭和の日本 自動車見聞録」

期間:2016年1月5日(火)~6月12日(日)
場所:新館2階
内容:下記写真254点を4つのゾーンに分け、車両2台とともに展示

展示ゾーン:写真点数
御料車と上流階級のクルマ:47
戦前、街角で観たアメリカ車:58
戦前、街角で観たヨーロッパ車:95
戦前の日本:国産車、自動車レース、車のある風景:54

※展示車両:ルノー6CV(仏・1925)、コード810(米・1936)

3.関連イベント
①講演会

内容:戦前の日本の自動車産業の話 日時:2016年3月13日(日) 14:00~15:30 場所:新館1階 大ホール(無料ゾーン) 講師:高島鎮雄氏

②学芸トーク

内容:日本製ボディを載せた「オースチン セブン(1934年)」を語る
日時:2016年2月14日(日) 14:00~15:30
場所:新館1階 大ホール(無料ゾーン)
講師:大村正敏氏(車両寄贈者)、トヨタ博物館 杉浦孝彦

③学芸スタッフによる本館2階ガイドツアー

内容:学芸スタッフが改装された本館2階を、ゾーンごとに説明
開催日:2016年1月~2月の各土・日・祝 11:30~12:00

④走行披露

日時:2016年3月12日(土)、19(土) 1回目/11:00~、2回目/14:00~
場所:P1駐車場(無料ゾーン)
走行車両:戦前に日本の道路を走っていた日・米・欧のクルマ3台
ダットサン16型(日・1937)、 フォード モデルA(米・1929)、オースチン セブン(英・1924)
*天候等の理由により、やむをえず中止、または内容の変更をすることがあります。

4.ミュージアムカフェ CARS & BOOKS(カーズンブックス)

場所:新館1階
席数:37席
内容:自動車に関する書籍を50冊設置。
選書はブック・ディレクター 幅允孝氏率いる選書集団「BACH(バッハ)」が「FUN to DRIVE」というテーマのもと、写真集やアートブック、小説やマンガなど、様々な「車に乗るよろこび」を感じることができる書籍を揃える。

5.その他イベント

①お正月イベント
日時:2016年1月5日(火)~11日(月・祝)
ご入館(有料エリア)のお客様先着各日20名様に、トヨタ博物館オリジナルピンバッジをプレゼント

②工作イベント
日時:2016年1月9日(土)~11日(月・祝) 9:30~16:00
場所:新館1階(無料ゾーン)
概要
項目:参加費:参加数
トヨタ2000GT プラスティッククラフト:300円/個:先着 30個/日
トヨダAA型乗用車 オリジナルメモ帳:300円/個:先着 30個/日

(トヨタ博物館のご案内)

(1)所在地:愛知県長久手市横道41-100(名古屋瀬戸道路・長久手ICより西へ400m グリーンロード沿い)
TEL:0561-63-5151  FAX:0561-63-5159
ホームページ:http://www.toyota.co.jp/Museum/
(2)開館時間:9:30~17:00(入館受付は16:30まで)
[休館日]:月曜日(祝日の場合は翌日)
*12/14(月)~1/4(月)は館内改装により休館
(3)入館料:大人 1,000円 シルバー〈65歳以上〉 500円 中高生 600円 小学生 400円 団体割引あり
新館の1階、3階ライブラリー、3階ギャラリーは無料ゾーン