東京モーターショーから1年。満を持してフーガハイブリッド登場

2009年の東京モーターショーに参考出品されたフーガハイブリッドがいよいよ登場する。今でも脳裏に焼き付いているのは、モーターショーの日産ブース内のカフェスペースで偶然聞いたフーガの開発責任者、大澤氏の話。

著名なジャーナリストと話をしていたと思うが、近くにいた私にまで話が漏れてきた。大澤氏はこう語った。「ガソリン車のフーガはもちろん良いけど、あのフーガハイブリッドは本当に良い。燃費も走行性能もこれまでのハイブリッド車を超えるパフォーマンスがある。早く乗ってもらいたい」
  • 日産 フーガハイブリッド フロント|日刊カーセンサー
  • 日産 フーガハイブリッド リア|日刊カーセンサー
↑2009年の東京モーターショーに参考出品されたフーガハイブリッド。1年を経ていよいよ市販化(左) エンブレム回りでさりげなくハイブリッドをアピール(右)
その大澤氏の希望が叶う日、2010年10月26日が予定通り訪れた。ガソリン車との差別化が図られているのは、専用のクロームカラーコートの18インチアルミホイール、サイドマーカー下とリアのハイブリッドエンブレム、新色のボディカラーのエターナルスノーホワイトのみ

個人的には少々寂しいかと思うものの、フラッグシップセダンというポジションを考えれば派手にではなく、さりげなく主張するという考え方に賛成だ
  • 日産 フーガハイブリッド インパネ|日刊カーセンサー
  • 日産 フーガハイブリッド エンジン|日刊カーセンサー
↑EV専用のオドメーターを備えるなど、エコと運転の楽しさを両立(左) クラウンハイブリッドやレクサスGSハイブリッドなどに差をつける、19.0km/Lの燃費を実現(右)
エンジンはガソリン車の3.7LのV6ではなく、3.5LのV6をベースとした、1モーター2クラッチパラレルハイブリッドシステムを搭載。306psのエンジン+68psのモーターに7速トランスミッションを組み合わせ、気になる10・15モード燃費は19.0km/L

フーガの3.7L車と比べて140kgの重量増ながら、1.9倍の燃費向上率を実現している。バッテリーも従来のニッケル水素ではなく、軽量・コンパクトなリチウムイオン電池を採用している

フーガハイブリッドの特徴は、高速域でのEV走行が可能なこと。ライバル車では60~80km/hまでしかEV走行ができないのだが、フーガハイブリッドでは140km/hという高速走行でも、短時間ながらモーターのみで走れるのだ。日産の、国内市場におけるハイブリッド車としてはティーノハイブリッド以来となるまさに満を持しての登場は、日産の反撃の始まりと言える。

Report/カーセンサー編集部