新車だと800万円超えのラングラーが300万円から狙えるが買いなのか? ジープ伝統のSUVのモデル概要、オススメの狙い方解説!
2025/12/16
▲新車価格800万円超えのジープ ラングラー。中古車であれば総額300万円台前半から狙えるようなのですが、それって買っても大丈夫なのか? モデル概要を含め、考察してみましょう!300万円台の4代目ラングラー アンリミテッドって正直どうなんだ?
ガチな軍用車であった「ジープ」の直系子孫だけのことはある超本格的なオフロード性能と、それとは対極にあるともいえる、都会の街並みにも似合うおしゃれっぷり。そして過去のモデルと違って十分な小回り性能も備えるに至った4代目ジープ ラングラー アンリミテッドは、ワイルド系でありながらプレミアム感もあるSUVを探している人にとっては、ベストにも近い存在かもしれません。
しかし、その新車は度重なる値上げが行われた結果、今や一番安いグレードであっても、支払総額は軽く800万円を超える水準になってしまいました。
▲先代モデルの新車価格は300万円台スタートだったのだが、写真の4代目はエントリーグレードでも乗り出し価格が800万円級に……しかし、「中古車」であれば、実は今でも総額300万円前後から狙えるようです。とはいえ300万円台の4代目ラングラー アンリミテッドとは、果たして本当に“買い”なのでしょうか? そのモデル概要を振り返りつつ、上手な選び方を検討してみることにしましょう。
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ジープ ラングラー(4代目)モデル概要:米国の軍用車を源流とする超本格SUV
通算4代目となるJL型ジープ ラングラーは、きわめて本格的な悪路走行性能を備えているクロスカントリーモデル。ボディタイプは4ドアの「アンリミテッド」と2ドアのショートボディに大別されますが、受注生産モデルである2ドア版の流通量は希少で、市場で流通している4代目ラングラーの95%以上は4ドア版である「アンリミテッド」です。
▲こちらは4代目ジープ ラングラー アンリミテッド
▲2ドアのショートボディ版も存在しているが、圧倒的に人気が高いのはこちらの4ドア版だアンリミテッドのボディサイズは全長4870mm×全幅1895mm×全高1845mmで、エクステリアデザインには、1955年に誕生した民間用ジープ「CJ-5」のモチーフを積極的に採用。オープンドライブも楽しめる着脱式ハードトップ「フリーダムトップ」も、従来型から継承しています。
従来型までは無骨なイメージがあったインテリアも一気にモダンになり、2眼式のアナログメーターパネルに7インチのフルカラーインフォメーションディスプレイを追加した他、インフォテインメントシステムには最新世代の「Uconnect」を採用。Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応しています。
▲従来型と比べると、インテリアはかなりプレミアム寄りな世界観に。写真のグレードはアンリミテッド サハラの前期型四駆機構はラングラー史上初となる「フルタイムオンデマンド4×4システム」というもので、これはフルタイム4WDとパートタイム4WDの機能を併せもったタイプです。「4H AUTO」モードでは前後軸の駆動力を自動で最適に配分し、快適で安全な走りを実現。そして状況に合わせて「4H」と「4L」を操作で選択すればセンターデフロックが作動し、強力なトランクションが発生します。なお、最小回転半径が従来型の7.1mから6.2mへと大幅に小さくなった点も、4代目ラングラー アンリミテッドの美点であるといえます。
当初用意されたパワーユニットは最高出力284ps/最大トルク347N・mの3.6L V6自然吸気と、同272ps/同400N・mをマークする2L直4ターボの2種類。その後2021年12月には全車のパワーユニットが2L直4ターボに統一され、翌2022年12月にはプラグインハイブリッドも追加しています。
2024年5月にはマイナーチェンジを実施し、内外装デザインを変更するとともに装備を拡充。エクステリアでは新デザインの「7スロットグリル」を採用し、ホイールの意匠も刷新。そして既存のマストアンテナはフロントウインドウ一体型に変更されています。
▲フロントグリルのデザインなどが変更された2024年5月以降の後期型そしてインテリアでは、インパネまわりを黒を基調としたカラーリングで統一するとともに、第5世代のインフォテインメントシステムを搭載した12.3インチタッチスクリーンを全グレードに装備。また、アンリミテッド サハラとアンリミテッド ルビコンには、ラングラーとして初めて12wayのパワーシートが採用されました。
中古車状況:平均総額はこの1年で70万円近くダウンし、流通量も順調に増加中
2024年中はほぼ完全に横ばい傾向だった4代目ジープ ラングラーの平均総額でしたが、2025年に入ると微妙なダウントレンドに転換。そしてそのまま平均総額はジワジワとダウンし続け、気がつけば直近の1年間で68.7万円のダウンを記録。平均総額は現在561.5万円まで下がってきています。
▲2024年12月~2025年11月の平均総額推移そして延べ掲載台数は、2024年秋頃までは横ばい傾向が続いていましたが、同年11月頃から増加に転じ、直近では1400台に迫る勢いで増加中。そして、平均総額は前述のとおり561.5万円であるものの、カーセンサーnet上では総額300万円台前半の物件も流通し始めているようです。
とはいえ、そういったお手頃物件は、果たして“買い”なのでしょうか? 次章以降、オススメの狙い方とともに解説してまいります。
中古車のオススメ①:価格重視で選ぶなら、総額300万円前半ではなく「総額300万円台」の予算感で
十分にお手頃な価格であるといえる「総額300万円台前半」でも4代目ジープ ラングラー アンリミテッドの中古車は確かに流通していますが、この価格帯にこだわるのはあまり得策ではありません。どうしてもお手頃価格で4代目ラングラー アンリミテッドを入手したい場合は、「総額300万円台後半」までを視野に入れながら探すべきでしょう。
なぜならば、総額300万円台の前半で狙える4代目ラングラー アンリミテッドはあまりにも数が少なく、なおかつ走行距離も10万kmを超えるレベルである場合が多いからです。
▲総額300万円台前半でも狙えなくはないのだが、その価格帯で流通している物件数はいささか少ない車のコンディションというのは走行距離の多寡だけで決まるものでは決してないため、走行10万kmレベルであること自体に問題はありません。特にラングラーというのは屈強な車ですので、しっかり整備さえしておけば、多走行であっても、基本部分に大きな問題は生じにくいものです。
とはいえ、多走行車には「いい多走行車」と「良くない多走行車」の2種類があることも事実です。前者は定期的な点検と整備を受けながら丁寧に扱われてきた個体で、後者は「ろくに整備もしないまま雑に扱われてきた個体」です。
そして多走行な中古車を購入する場合は、数多くの物件を見比べながら「なるべく良いモノを見つけ出す」という作業が必須になるのですが、4代目ラングラー アンリミテッドの場合は残念ながら、総額300万円台前半で流通している物件の数は約10台しかありません。
この数では「見比べて、その中からなるべく良いモノを選ぶ」という作業がかなり難しくなってしまうため、どうしてもあまりオススメできないのです。
しかし、総額300万円台前半ではなく「後半」までを対象とすれば、検討可能な物件の数は一気に40台以上まで増えることになります。その40台の内訳は、走行距離が比較的短いものから多走行車まで、そしてベーシックな「スポーツ」から上級グレードの「サハラ」まで、グレード的にも様々ですが、いずれせよこれだけの対象数があれば、「比較検討しながら、なるべく良いモノで、なるべく自分好みなモノを探し出す」という行為が可能になるわけです。
▲エントリーグレードといえる「スポーツ」でも、写真上の「サハラ」でも、走りと装備に何ら不満はない結果として選択する1台は、2L直4ターボの「スポーツ」でも、3.6L V6自然吸気の「サハラ」でも、どれでも良いかと思います。この価格帯で数が多いのは2L直4ターボの「スポーツ」ですが、そうではないグレードだったとしても、走りや装備内容に何ら問題はありません。とにかく状態と整備履歴が良く、そして自分好みのボディカラーであることを優先しながら探せば、きっと満足できる1台が見つかることでしょう。
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ジープ ラングラー(4代目) × 総額400万円未満中古車のオススメ②:「ルビコン」は幅広い選択肢の中から自分に合ったものを選ぶ
4代目ジープ ラングラー アンリミテッドの中では一般的なグレードである「スポーツ」や「サハラ」でも十分以上のオフロード性能を備えていますが、せっかくラングラーを買うのであれば、最強のオフロードグレードである「ルビコン」を狙ってみたいという人も多いでしょう。
その場合は総額420万~900万円という幅広いゾーンの中から、自分の好みと予算感にマッチする1台を探すことになります。
▲「究極のオフローダー」と呼んでも差し支えない存在であるラングラー アンリミテッド ルビコン4代目ジープ ラングラー アンリミテッドのルビコンは、ラングラーの中でも「最強のオフロード性能」をうたう本格クロスカントリーモデル。「ロックトラックフルタイム4×4システム」という独自の4WDシステムを採用する他、必要に応じて後輪のみ、または前後輪両方のディファレンシャルを直結状態にできる「前後輪ディファレンシャルロック」等々の超本格装備が採用されています。
2019年5月に登場した当初のパワーユニットは最高出力284psの3.6L V6自然吸気でしたが、2021年12月以降は同272psの2L直4ターボに変更。そして様々な限定車も数多くリリースされているルビコンだけあって、その中古車価格は本当に様々です。また、大がかりなカスタマイズが施されている物件の数が多いのも、ルビコンの特徴です。
▲舗装路を走る分には、他の一般的なグレードの方が好都合だったりもするのだが、やはりルビコンのこのたたずまいにはどうしてもホレてしまうこのあたりの好みや予算感は本当に人それぞれであるため、筆者から「これがオススメです!」と具体例を挙げるのはやや困難です。下記にある主要グレードの価格目安と流通量を参考に、ご自身の好みに合いそうな1台を探してみてください。
・前期型ルビコン(3.6L V6版)|総額420万~740万円|約40台
・前期型ルビコン(2L直4ターボ版)|総額560万~700万円|約30台
・後期型ルビコン|総額620万~890万円|約45台
・ルビコン 4xe(プラグインハイブリッド車)|総額570万~900万円|約40台
・ルビコン パワートップ|総額520万~660万円|約15台
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ジープ ラングラー(4代目) × ルビコン系中古車のオススメ③:「ウイリス」などのステキな限定車にも要注目
4代目ジープ ラングラー アンリミテッドは通常のカタログモデルも十分以上にステキですが、よりいっそうステキな限定車も多種多様にリリースされてきましたので、それらを狙ってみるのも面白いはず。
様々な限定車の中には中古車がほとんど流通していないモデルもありますが、それなりの流通量が確保されていて、なおかつ限定モノとしての魅力が大いに感じられる1台のひとつは、2020年1月と2021年8月に発売された特別仕様車「ウイリス」でしょう。
▲市販ジープの始祖といえる「ウイリスオーバーランド CJ-3A」をモチーフとする、2020年2月に300台限定で発売された特別仕様車「アンリミテッド ウイリス」。ウイリスは2021年8月にも専用色「サージグリーンC/C」のモデルが100台、通常はルビコン専用色となる「スティンググレーC/C」のモデルが200台、発売されたこちらはラングラーのルーツである「ウイリスオーバーランド CJ-3A」をオマージュした1台。ブラック仕上げとなる専用グリルやグロスブラックの17インチアルミホイール、エンジンフードの「WILLYS」デカールやリアゲートの「4 WHEEL DRIVE」デカール、マットブラックの「Jeep」バッジなど、CJ-3Aの特徴を受け継いだ外観がまずはステキです。
そのうえでメカニズム的にも、岩場などで車体下部を衝撃から保護するロックレールや、タイヤの空転を抑制しトラクション性能を高める「アンチスピンリアディファレンシャル」、そしてルビコンと共通のDana社製M220リアアクスルを搭載している点も見逃せません。
そんな「ウィリス」のパワーユニットは3.6L V6自然吸気で、中古車価格は2020年のモデルが総額390万~450万円、2021年のモデルが総額430万~510万円といったところ。
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ジープ ラングラー(4代目) × アンリミテッド ウイリス 4WDまた、その他ではアンリミテッド サハラの「スカイワンタッチパワートップ」という限定車も、それなりの数が流通しています。
▲電動開閉式ルーフを備える特別仕様車「アンリミテッド サハラ スカイワンタッチパワートップ」。写真は2020年5月に300台のみが発売された「2.0L」で、こちらのボディカラーは100台限定の「パンプキンメタリックC/C」こちらはスイッチ操作ひとつで電動トップが蛇腹状に折り畳まれるという特別仕様車で、サンルーフのように前席頭上のみを開けることも可能。開閉それぞれに要する時間は約20秒で、走行中でも約96km/h以下であれば操作可能です。
中古車価格の目安は、2020年5月に300台限定で発売された「アンリミテッド サハラ2.0L スカイワンタッチパワートップ」が総額420万~550万円、3.6L V6エンジンを搭載して2021年6月に発売された「アンリミテッド サハラ スカイワンタッチパワートップ」が総額430万~640万円といったところです。
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ジープ ラングラー(4代目) × サハラ スカイワンタッチパワートップ系▼検索条件
ジープ ラングラー(4代目)
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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